みなさんこんにちは。
今回は、否定語+比較級の形について勉強します。
比較の基本的な説明や表現などは、ブログ内の、比較級の重要慣用表現を解説【英文法】という記事で解説しています。是非、この記事を読む前にご一読ください。
今回は、否定語+比較級という形に絞って説明していくのですが、これは文の構造やロジックを理解していれば、そこまで理解が難しい話ではありません。しっかりと説明を聞いて、丸暗記ではない本質的な理解をして頂きたいです。
また、否定語+比較級と聞いて、勉強が進んでおられる方なら「クジラ構文」を連想されるのではないでしょうか。確かにあれも否定語+比較級の形にはなっているのですが、やや特殊かつ難解なため、高校英語の比較のクジラ構文を解説!原級・比較級で最上級に書き換えも解説!【英文法】で専門的にわかりやすく解説しています。
クジラ構文の復習も併せてしておきたい、という方は是非ご一読ください。
さて、やや前置きが長くなってしまいましたが、ここからが今回の本題です。しっかりと集中してついてきてください。
「no more than」と「no less than」の違いについて~「no more than」編~
さて、本題に入っていきます。まずは「no more than」と「no less than」の違いからです。例文を確認していきましょう。
まずは、「no more than」の形からです。「more than」は「~より多い・~以上である」といったニュアンスなのは理解できると思います。
それが「no」で打ち消されて、「~より多いということはない・~以上ではない」というロジックになり、辞書的な意味で言うと、「~しかない」となります。少なさを強調しているのですね。
ですから先ほどの例文の訳は、「ジョンはたった20ドルしか持っていない」といったものになります。ジョンの経済的困窮を強調しています。
また「~しかない」といった少なさを強調する表現は、元来もっと平易な単語で表していました。「only」ですね。
以上の例文でも全く同じ意味になることは容易に理解が出来ると思われます。この言い換えは意外に盲点でありながら、テストなどにおいても頻出であるため、絶対に抑えておきましょう。
「no more than」と「no less than」の違いについて~「no less than」編~
次に「no less than」の表現を覚えておきましょう。
と言いたいところですが、先ほどの「no more than」が理解できている人にとっては、なんら難しい話ではありません。
「less」は「more」の対義語であり、意味としては「~より少ない・~以下である」となります。それを「no」で打ち消しているのだから、「~より少なくない・~以下ではない」というロジックになります。
額面上の意味で言うと、「何と~もの」といった意味で理解しておきましょう。「no more than」が少なさを強調したのに対し、「no less than」は多さを強調するのです。それに従って以下の例文をご覧ください。
ジョンが持っているお金の多さを強調しているのです。難しい話ではありませんね。
また、こちらもしっかりと言い換えを覚えておきましょう。多さを強調するのだから比較の単元で出てきた「as much as」というフレーズが使えます。
この言い換えも、同じ比較の単元ということで親和性が高く、非常にテストで狙われるところになってきます。併せて理解&暗記をしておきましょう。
「not more than」と「not less than」の違いについて~「not more than」編~
次に、「not」を使った表現について学習していきましょう。まずは「not more than」からです。「not more than」は学校などでも「多くとも~」という意味で暗記され、「no more than」とは別物として理解されている方も多くいらっしゃるでしょう。以下の例文をご覧ください。
「not more than」を「no more than」としっかりと区別して、明確に別物として把握されている方は、それはそれで殊勝な心がけだと感じます。
しかしながら、「多くとも20ドル」と「20ドルしかない」というのは、結局どちらも20ドルを超えることはないのであり、少なさを強調しているのです。
そのため、厳密に違いを覚えておくというより、どちらの表現も「20ドルを超えることはない」と大意把握すると、かなりスッキリしてわかりやすくなりますよ。
「no more than」と「not less than」は形が酷似しているため、特にこのようなざっくりとした理解をしておくことが有効です。木を見て森を見ず、といった風なマインドの勉強には別れを告げましょう。
「not more than」と「not less than」の違いについて~「not less than」編~
では「not less than」の表現はどのようになるのでしょうか。こちらも辞書的な意味で言うと、「少なくとも~」となります。
ここで注目したいのが「no less than」との違いです。「no less than」は「なんと~も」という意味で、「not less than」は「少なくとも~」となります。
もうお分かりですね。どちらも20ドル以上は持っていて、持っているお金の多さを強調しているのです。そのため「20ドルを超える」といった本質的な共通項で理解していきましょう。
「not」を使った表現の言い換え・覚え方のコツ
先ほどは「not」を使った比較級の否定についてお話ししました。意味としてはそこまで難解なものではないということが理解して頂けたと思います。
これらにも言い換えがあるので、最後にそれを覚えて本日の学びの締めくくりとしたいと思います。
・not more than→at most(多くとも~)
・not less than→at least(少なくとも~)
正直、意味の上から申し上げても理解はさして難しくはないと思われますが、一つテクニックのようなものをお教えします。「t」に着目してください。
・not more than→at most(多くとも~)
・not less than→at least(少なくとも~)
「not」の「t」は言い換え後も残る、とイメージしておけば簡単に言い換えが出来ると思います。
「no」を使った表現が、「as much as」や「only」などに変化しましたが、「t」の存在を意識しておくだけで、グッと覚えやすくなりますよ。
問題演習
Q.正しいものを選べ。
1.The painting cost him ( ) a million dollars.(その絵は彼に、100万円ものお金をかけた。)
①no more than ②no less than ③none more ④not more than
Q.先ほどの例文を言い換えよ。
2.He paid as ( ) as a million dollars for the paintings.
①many ②much ③little ④less
①no more than ②no less than ③not less than ④no more
Q.適語を挿入し先ほどの例文を言い換えよ。
4.I had ( ) two thousand yen when I arrived at the station.(駅に着いたとき、私はたった2000円しか持っていなかった。)
Q.適語を挿入し言い換えよ。
5.Taro has not less than 300 yen.
=Taro has ( ) 300 yen.
Q.適語を挿入し言い換えよ。
5.Taro has not more than 300 yen.
=Taro has ( ) 300 yen.
以上です。いかがでしたでしょうか。しっかりと根幹の意味を理解して、大意を掴む勉強をしていけば、そこまで苦労はしないのではないかと感じます。
また、言い換えは頻出中の頻出ですのでしっかりと理解しておいてください。
より詳しく、問題演習をしたい人は「全解説頻出英文法・語法問題1000 (大学受験スーパーゼミ)」か「Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服」をご利用ください。
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