英語は国語や数学などの他の教科に比べて、やればやった分結果がついてくる教科です。
特に、英文法の勉強についてはそれほど時間をかけずに「自分に合った問題集・参考書を選び、適切に勉強を実践する」これで、十分力がつきます。
私自身、英語教師として長年生徒に関わってきて、英文法をきちんと理解されないまま英語を苦手とする方を多く見てきました。
そこで今回は、今まで私が得てきた経験を下に適切な英文法の勉強方法について解説を行います。
また、自分のレベルに合った問題集を欲しいと思われる方のために記事の最後におすすめ問題集を用意しました。そちらも合わせてご参考にしてください。
英文法の重要性について
英文法とは、いわば英語を利用する「ルール」です。ルールに従って単語を並べることで、はじめて意味が成立します。
例えば、英語には「主語→動詞→目的語」の語順をとります。この形であるI(主語) love(動詞) you(目的語).だと「私はあなたを愛する」という意味になります。ここでIとyouの位置を逆にした「You love me」の場合、あなたは私を愛すると意味が変わってきます。
一方、日本語では「私はあなたを愛する」でも「あなたを私が愛する」でも目的語を文頭にもってきても意味は変わりません。
このように、言語によってルールが異なり、意味も異なってきます。意味を間違えると誤解も生じてしまいます。
今後、大学入試のみならず社会で日本人以外と触れ合う機会は確実に増えてきます。そこで、適切に英文法を学ぶことは必須と言えるでしょう。
英文法の学習方法
英文法を学習する上で効果的な学習方法を述べます。具体的には、以下の3ステップをこなすことが大事です。くれぐれも、問題集をひたすら解くという愚行はやめてくださいね。
文法書の各事項の内容を細部まで理解し説明する
英文法は文法の内容をただ丸暗記でなく、理解して初めて意味があります。
「理解する」とは、ルールの内容がわかるということです。知識をベタッと覚えるのではなく、そのルールがどういうものか内容の理解に努めましょう。
読む中で分からない用語等あった場合は必ずインターネット等で調べ、その都度理解するようにして下さい。「独立分詞構文」「複合関係副詞」「仮定法過去完了」など、一見耳慣れない言葉が出てきますがその場合も自分で調べることが必要です。
わからなければ、先生に聞いてもいいですが、常に先生がいるとは限らないので自分で調べる習慣をつけましょう。
そして、一通り理解しながら文法事項を読み終えたら、そこで簡単にその理解した内容を誰かに説明してみましょう。
一度自分でその理解した内容を説明できなければ、理解していないので得た知識はかならず振り返り説明しましょう。
生徒をみても英語が出来ない人は振り返り説明をしない人が本当に多いです。
理解した文法事項を使って、実際に文章を作成する
知識を説明するという箇所とも多少かぶりますが、実際に習得した知識を使って文章を作る作業を繰り返すと、実際に話したり書いたりするときに、よりスムーズに頭から出てくるようになります。
でも、いきなり文章を作るなんてムリ!と思われるかもしれませんが、自分が学習した文法書から持ってくると楽ですよ
例えば未来完了形の時制を例文で作りたいと思えば「キク英文法」というテキストでは以下の例文が紹介されています。
例文:I will have lived in Tokyo for 3years next year.
訳:私は来年で東京に三年済んでいることになる
そこで、この例文を主語や動詞を変えて
来月で、私はここで1年間働いていることになります。
のように、自分状況に合ったの英文を作ってみましょう。
臨場感が出ますし、頭にも残りやすく、実際にいざ使うとなったときもそのまま使えて便利です。
また、この例文を作る際にはnext yearは副詞だから前置詞は不要だなという知識を身に着けることができます。inなど前置詞を入れる人いますが間違いです。英作をする時、他の文法事項も頭に入るのでかなりおすすめです。
いきなり英文を作れなくても、最初はものすごくゆっくり行ってみたり、書いてみたりして構いません。
ちなみに「キク英文法」は短く文法ルールも簡素ですが例文もかなり多くあるので例文作成の際にはおすすめの1冊です。
作成した英文を実際に何度も口に出して言ってみる
文章が出来上がったら、それを何度も実際に口に出して言ってみましょう。
実際にその文法事項が使える状況に出合ったときに、自信を持って言えるようになります。入試での英作文を作る時などにも役に立ちます。
そして、この際に重要なのは、自分がその英文を実際に使っているシーンをイメージして言うようにしましょう。そうすると、実際に使うとき素早く、頭の中にその文法事項が浮かぶようになります。
英文法の勉強の注意点〜1冊を完璧に〜
英文法のテキストについて学習方法を上記で説明しました。
ただ、その際、気をつけるのが、複数の参考書を使用しないことです。
学習本・参考書を1冊決めて、徹底的にインプットすることが大事です。なぜなら、1冊1冊が中途半端になってしまい、かえって学習効果が薄れてしまうからです。
どんなに薄い参考書でも1冊にかかれている情報の内容は膨大です。1冊をきちんとこなさないと次の勉強をしても効果は上がらないでしょう。
「完璧に」という基準は、上記の勉強法であったように、全ての文法項目について自分で英作文をして喋れるという基準です。正直、1冊をきちんとこなせればかなりの力はついているでしょう。
その上で、どういう参考書や問題集を選んだらいいかわからない人もいると思うのでおすすめの参考書や問題集をあげたいと思います。
英語のおすすめの英文法の参考書・問題集について
英文法の問題集や参考書を購入の際、書店やインターネットで参考書や問題集を購入することがほとんどでしょう。
など、情報を知らずにカバーや表紙で選んでしまい、後悔する方が後にたちません。そこで、初学者から上級者を対象におすすめの参考書・問題集を紹介したいと思います。
中学英文法からやり直したい初学者
英語の初学者や学び直しを考えている方には、以下のうち1冊を選ぶといいでしょう。全部購入というのは絶対にしないでください。1冊を丁寧に学ぶという形でいいです。
そして、初学者用テキストは、説明がわかりやすい、テキストが薄いという2点で絞って選びました。
中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく
まずおすすめなのが、学研教育出版から出ている, 山田暢彦先生監修の「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく」がおすすめです。
このシリーズで中学1年、中学2年、中学3年もありますが、振り返りの1冊としてこれがおすすめです。大型版で持ち運びにくいという欠点はありますが、カラー印刷でページ数も多くないので薄くて見やすいというのが利点です。
しかも、解説がかなり丁寧になっているので、この文法事項を理解し、文を作成し、問題を解けるようになれば十分力がつくでしょう。
ただし、関係代名詞の所有格の解説がすこし薄かったりという欠点もあるのでこれだけでは不十分ですが、全く英語が出来ないという人には最初の入門書としていいと思います。
大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】
また、東進からでている大岩先生の著書「大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】」もおすすです。
この第24講までありますが、かなり本自体はかなり薄いです。説明が話し口調、図がふんだんにあるので簡単に進めて行ける形になっています。
ただ、本書の欠点としては簡単に理解した気になる可能性があるので例文を丁寧に暗記又は英作文をつくり自分のものにしていく必要があるでしょう。
大学入試 肘井学の ゼロから英文法が面白いほどわかる本
最後は「大学入試 肘井学の ゼロから英文法が面白いほどわかる本」がおすすめです。各章の最初に難しい文法用語を本当にゼロから説明してくれています。ここまで丁寧なのはびっくりです。
しかも、英文法の見取り図がついているので、英文法の全体像を把握することが出来、英文法の基礎固めに最適です。
さらに各講ごとに覚えるPOINT!があるので、復習をする際に効率的に復習を行えます。
テキストの構成として、左側に講義、右側に問題となっています。ただ、右側の問題は問題数も少なく比較的平易な問題で構成されています。
ちなみに、今紹介した初学者用テキストのなかで一番分量が多いですが、それでも理解しやすいテキストなので2〜3週間あれば終わるでしょう。
この問題だけでは力は難関大学の入試には対応出来ませんが、自分で文を作って説明という作業をいれてあげるだけでかなり力が向上し、基礎固めにおすすめの一冊です。
高校英文法を網羅的に行いたい中級者から上級者
まずは、中学英文法を基礎固めした人には演習が必須になってきます。
もちろん、初学者用の文法だけで基礎の理解は十分なのですが、難関大学だとその知識だけでは対応できない場合がでてきます。
そこで、基礎固めができた前提で演習系の問題を行っていく必要があります。
Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服
まず、受験生がほぼほぼ持っているのが「Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服」ですね。
『Next Stage 英文法・語法問題』の問題は、実際の入試に出題された試験問題が掲載されています。
そのため、大学入試レベル以上の難解な問題もなく、必要な文法事項を取りこぼすこともありません。
問題に対する解説も、最低限押さえておくべき事柄、発展的に覚えておくと得点に繋がりやすい知識も網羅しています。
ただ、解説は薄いので、基礎ができていないとしんどいと思います。数問解いてみて、よくわからない人は初学者のおすすめの参考書問題集に戻りましょう。
英文法・語法 Vintage
Next Stageと同様、語彙、英文法の総合的な問題集「英文法・語法 Vintage」があります。問題はNext Stageが1474問に対し、Vintageは1526問あるので、若干Vintageの方が50問程度多めです。
また、ポイントとしては、「覚えておきたい重要表現」が、設問のすぐ右に抜き出され整理されています。
とはいえ、解説もこれだけだと分からないので、基礎固めの一冊が出来た上でのものとなります。VintageとNext stageどちらがいいのかという質問がよくありますが、結論どちらでもいいので一冊きちんと解くことが大事といえます。
なお、同じ系統として「スクランブル英文法・語法」もありますが、これも結論一緒で学校か塾かで一冊購入すればその一冊をやればいいです。
一億人の英文法 すべての日本人に贈る「話すため」の英文法
次におすすめするのが「一億人の英文法 すべての日本人に贈る「話すため」の英文法」です。正直、大学受験においてはネクステ、ヴィンテージ、スクランブルのどれか1冊をすれば十分です。
ただ、英語という言語を面白く思ってより内容を理解したい人は読むと意外と頭に入ってきます。受験英語ばかりしているとひたすらシステマティックに考えてしまい、言語ということを忘れてしまいがちです。
そこで、ネイティブの感覚で英文法を解説している本書は英語への知的関心をより高めてくれるのでおすすめです。
英文法をより深く理解したい上級者
正直、GMARCHクラスであればネクステレベルのものを完璧にこなせば十分といえます。なので、ここから先は少し英語マニアの人向けの教材になります。
早慶上智を考えている人は読んでもいいでしょう。
英語の意味を極める
英文法の細かな解説といえば「英語の意味を極める I: 名詞・形容詞・副詞 編」です。類似表現の間に見られる意味やニュアンスの違いを確認しながら英語の理解を深める本です。
私自身、英語教師になってはじめて読んだ本で、受験生としては時間がとれないので難しいと思います。ただ、突き詰めて英語をあげたいという人にはおすすめの一冊です。
英文法の鬼100則
次にオススメしたいのが時吉先生の「英文法の鬼100則」です。
いきなり、英語の語順で疑問文の場合、倒置が起こるのかという疑問にも思わなかった疑問をすらっと解説をしておりなるほどと唸らせられる一冊です。
「英語は言いたいことから先に言う」や「文とはなにか」など基本的な概念をきちんと解説してくれてより深く勉強したい人にはもってこいです。
英文法の勉強及びおすすめ参考書のまとめ
いかがだったでしょうか?
繰り返しますが、英文法の勉強は「適切な本のもと適切な勉強方法で勉強する」というのが大事です。
是非とも参考にして今後の勉強に役立てください。
また、高校1年生から何を勉強すればいいの考える完全初学者向きには「英語の勉強法について受験に役立つおすすめ記事3選【高1の春休みからの勉強で必要なこと】」を書いてますのでそちらも合わせて読んでみてください。
コメント