みなさん、今回は英文法比較の単元の「原級」について例文とともに学習していきます。英語の原級とは2つのものを比較して同じレベルのものなら「as + 原級 + as」と表現します。
高校英語ではこの同等表現の他に強調のas 原級 as 表現についても学びます。今回の記事では原級の例文で意味や使い方の違いを感じましょう。比較の基本としてmoreの原級はmany, much、betterの原級はgood, wellなど不規則変化の形容詞・副詞や3倍などの倍数表現も確認します。
そもそも「as + 原級 + as」の最初のasと後ろのasの品詞は何か知っていますか?同じ「as」でも最初のasの品詞は副詞で、後ろのasは接続詞です。例文をまじえて詳しく解説します!
比較の基本や比較級について学びたい人は「 高校英語の比較級の問題を総合解説!(prefer toやsenior toなどの比較表現や倍数表現も含む)【英文法】」をみてください。
今回の記事を読んだらわかること・英語の原級とは何か構造から理解できる。
・原級のmanyやmuchなどの規則変化、不規則変化がわかる
・原級を使った同等表現、強調表現、倍数表現がわかる
英語の原級とは
原級とは形容詞・副詞のそのままのかたちの事です。比較級、最上級に対して、元のかたちを「原級」といいます。そして、「同程度」を意味します。
tall(原級)- taller(比較級)- tallest(最上級)
※原形とは区別しましょう。原形とは動詞の元のかたちを指します。過去形や過去分詞、進行形などとに変化する前の状態です。
さて、原級をつかった比較の説明について原級の例文を紹介します。英文法の比較というのは2つのものを比べています。その際2つの文をくっつけて表現しています。例文をみながら確認しましょう。
まず比較をしない2人の女の子について例文を作りました。
① Kathy is attractive.
キャシーは魅力的です。
②Alice is attractive.
アリスは魅力的です。
「キャシーもアリスも同じくらい魅力的」ということを比較文にして伝えたいとき、2人が同じくらい魅力的、すなわちattractiveだと伝えたいので、同じくらいのasをattractiveの前に置きます。
attractiveは形容詞なので形容詞を修飾するのは副詞です。同じくらいを意味する1つ目のasは副詞になります。
次に2つの文を1つにして比較の文を作りたいので文をくっつける接続詞が必要になります。文と文の境界線に接着剤の役割を果たす接続詞のasを置きます。
① Kathy is attractive. → Kathy is as attractive.(1つ目は副詞のas、形容詞attractiveを修飾)
②Alice is attractive. → as Alice is attractive.(2つ目は接続詞のas)
2つの文をつなげると… Kathy is as attractive as Alice (is) attractive.となります。この際、文の軸となるattractiveは重複しているので削除します。2つ目のbe動詞のisは省略できますが、しなくても構いません。こうして、同じくらいを意味する同等表現の文ができました。
原級を使った比較表現
原級を使った比較表現の代表的なものを原級の例文で確認しましょう。
◆[A…as + 原級 + as B] は「AはBと同じくらい~」という意味です。先ほどの2人の女の子の説明文で使われていました。
・Kathy is as attractive as Alice (is).
キャシーとアリスは同じくらい魅力的です。
この時、同じくらいと言っているので A = Bをあらわしますが、Aの方が少し強調されているのでニュアンスとしてはA ≧ Bとも言えます。
◆[A…not as + 原級 + as B] は「AはBほど~ではない」という意味になります。同じくらいという先ほどのas + 原級 + asをnotで否定にするとA < Bの関係になり、~ほどではないという表現になります。
・She is not as strong as she used to be.
彼女は以前ほど丈夫ではありません。
◆[as many + 複数名詞 + as B]は「(数は)Bと同じくらいの~」です。manyの後には複数名詞が来ます。不可算名詞の量の場合は[as much + 不可算名詞 + as B] 「(量が)Bと同じくらいの~」となります。
・I have as many books as my sister (does).
私は妹と同じくらいの本を持っています。(book 可算名詞)
・It is going to take as much time as I thought.
思っていたのと同じくらいの時間がかかりそうです。(time 不可算名詞)
◆[twice as + 原級 + as B]は「Bの2倍~」という意味です。BのX倍という倍数を表現したい場合、[as + 原級 + as]の前にhalf, X timesなどの倍数を置きます。[ X times as + 原級 + as B]は「BのX倍~」
・This room is three times as large as that one.
この部屋はあの部屋の3倍の大きさです。
倍数いろいろhalf(半分の、2分の1の) twice(2倍の) X times(X倍の) one-third(3分の1の)
one quarter [ one-fourth ](4分の1の) two-third(3分の2の)
比較 規則変化(er, est型)不規則変化(better, more など)
形容詞・副詞の原級+-erで比較級、原級+estで最上級を作ることができます。1音節(発音する母音の数が1つ)のものは原級の語尾に-er(比較級)、-est(最上級)をつけます。
また、2音節の語の一部(語尾が-er,-y, -le, owなどで終わる語)も-er型、-est型になります。
※音節とはひとまとまりに発音される最小の単位です。中心となる母音の前後に子音をともなうことが多いです。
①語尾が-eで終わる語は、その後に-r, -stをつけます。
large – larger– largest
wide – wider – widest
②語尾が、子音字 + y で終わる語は、yをiに変えて-er, -estをつける。
healthy – healthier– healthiest
easy – easier– easiest
③語尾が1母音字 + 1子音字で終わる語は、子音字を重ねて-er, -estをつける。
big – bigger– biggest
hot – hotter – hottest
規則変化 more, mostのつけ方
大多数の2音節の語と3音節の以上の語、語尾が-lyで終わる副詞は、原級の直前にmore(比較級)、most(最上級)をつけます。
※earlyは形容詞(早い)、副詞(早く)とも、early – earlier – earliest と変化します。
※2音節の語でer型もmore型も取れる語があります。
angry – angrier – angriest / angry – more angry – most angry
difficultも、3音節(dif・fi・cult)なのでmore difficult(比較級)、most difficult(最上級)が正解です。
不規則変化
次は不規則変化です。goodとwell(原級)の変化は同じかたちでbetter(比較級)、best(最上級)になります。manyとmuch(原級)はmore(比較級)most(最上級)です。このように原級とまったく違ったかたちになるものがあります。
例文を見てください。
・This is a very good car.
これはとてもよい車です。
・This car is better than that red one.
この車は、あの赤色のものよりよい。
・This is the best car in this store.
これがこの店で一番よい車です。
例文のように原級から比較級、最上級になる際、全く異なるかたちに変化するものが他にもあります。不規則変化の語は多くないので頑張って覚えてしまいましょう!
不規則変化の語の中で、意味によって比較級と最上級のかたちを2種類持つものがあります。
英文法比較の変化は基本となりますので頑張って覚えてしまいましょう。
as 形容詞 + a/an + 名詞 as(as asの中の名詞を伴う形容詞語順)
本来原級を使った表現でasとasの間には形容詞か副詞しか入ることができません。しかし、原級の比較表現で2つのasの間の形容詞が名詞を伴っている場合があります。原級の例文で確認しましょう。
①That house has a big garage.
あの家は大きなガレージ(車庫)を持っている。
②This house has a big garage.
この家は大きなガレージ(車庫)を持っている。
この時、a big garageは名詞です。2つの文を[as + 原級 + as]をつかって1つの文にすると…
・That house has as big a garage as this one (has).となります。
なぜas a big garage asの順番ではだめなのでしょうか。それは、はじめに説明しましたように1つ目のasは副詞である為、名詞を修飾できないからです。
ですからasの後ろには形容詞のbigがきてその後に残りのa garageが続くのでas big a garage asの順番になるのです。ここはテストの並び替え問題にも出やすいところですのでしっかり理解してくださいね。
比較 原級 強調表現
高校英語では[as + 原級 + as]に同じくらいの同等表現の他に、強調をあらわす表現も押さえましょう。
主に数値を含む語句がas 形容詞か副詞 asの後に続き、はさまれた形容詞・副詞を強調することができます。
・This park is visited by as many as 200 people a day.
この公園は1日に200人も(多く)の人が訪れます。※数の強調
強調表現いろいろas many as~((数を強調して)~もの) as much as~((量を強調して)~もの)
as early as~((時期の早さを強調して)早くも~には)
as recently as~((最近を強調して)つい~)
比較 原級 まとめ
今回は英文法 比較の原級について勉強しました。原級を使った比較表現は[as + 原級 + as]が基本となり、同じくらいをあらわす同等表現の他に、高校英語では強調表現も受験の為には押さえておきたいですね。
他には同じくらいの表現の前にnotを置けばそれほどではないという比較物の逆転の表現や数や量を具体的に表す表現、倍数をあらわす表現も学びました。
次はいよいよ比較の「比較級」「原級」「最上級」のうちの「最上級」を学びます。次も一緒に頑張りましょう!
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