2021年大学入試は、今までの入試と大きく異なります。それは新教育過程になった初めての世代が高校三年生になると同時に、センター試験の代わりの大学入学共通テストが実施されるためです。
大学入学共通テストは、センター試験の内容よりもより深い理解と同時に物理の場合は数値データや実験から的確な情報を読み取る力も要求されます。
今回は、理系の二次試験で物理を必ず使う人のために大学入学共通テストの対策に時間を割きつつも、二次試験の対策にもなる勉強法といった内容を重点的に紹介します。
物理が二次試験にある場合の大学入学共通テストの捉え方
大学入学共通テストは二次試験対策にもとても役に立ちます。記述とマークでは解答方法が異なるため、違うように思われがちです。しかし、物理の難関大学の問題の第1.2問目の難易度が大学入学共通テストでの大問の一番最後の問題の難易度と変わらないことがほとんどです。
難しい二次試験の問題も形式は大学入学共通テストと変わりなく最初は優しい難易度、その後段々細かい条件の設定や変更といった内容で難易度が増していきます。また、計算等で求めた数値を使うため、前問の内容がミスっていると満点が貰えないという形で変化をつけています。
そのため、大学入学共通テストは大学の教科書の巻末と二次試験の中間の難易度の橋渡しとして捉えて問題に取り組むことが大切です。
大学入学共通テストに必要な対策とは?
ですが、大学入学共通テストの物理対策を全くしないというのはNGです。対策をすべきは時間配分と解答形式です。物理は深く条件を考えて正解を出す出題が二次試験に対して、大学入学共通テストの場合は、60分という短時間で多くの分野の問題を解く必要があります。
また、大学入学共通テストの場合は、マークシート式なので計算過程が一切反映されることはありません。全くわからなくて間違った場合でも、ほんの少しの計算ミスで間違った場合でも同じ点数になります。
大学の二次試験の場合は、計算過程を書くため部分点をもらえるケースが殆どです。大学入学共通テストの場合は、正確に短時間で設問の状況を判断し、正確な解答力を出すことに重点を置いています。
そのため、記述対策ばかりに気を取られていると大問丸ごと不正解ということもあるので、時間配分と正確な計算力を短時間で身につける演習はとても大切になります。
融合分野に関しては、旧教育過程の場合はセンター試験と二次試験で出やすい分野が顕著のため別の対策をしすることがメインでした。しかし、大学入学共通テストの場合は、融合分野も出題しやすいため分野分け隔てなく学習することが大切です。
大学入学共通テストの物理学習をうまく二次試験に活かすには?
大学入学共通テストはうまく学習すれば、物理の解答力を格段にあげることができます。もし、大学でも物理を使う場合はこの大学入学共通テストで物理の知識の土台になります。
力学や電磁気学で点数が取れない場合は、早い段階で大学入学共通テストの難易度まで解けるように学習方法を見直すことが大切です。その理由は、この2つが二次試験の問題でほぼ必ずと言ってよい程、出題されます。加えて、融合出題も多い分野のため早急な対策が必要です。
また、力学や電磁気の対策ができていても取りこぼしが多い分野に、熱力学があります。熱力学の場合は二次試験でも基本的な公式や出題傾向が一番似ている分野のため、得点源になるまでの時間が比較的短い分野です。
波動は、屈折、回折、反射で空気中か水中か、有名な実験系の図表は必ずチェックし深く理解するようにします。教科書の図表レベルが大学入学共通テストで出題され、それを土台にした応用が二次試験で出題される傾向にあります。
物理は学校の正規のカリキュラムで学んだ後、大学入学共通テスト、二次試験レベルにあげようとするとかなり時間が足りないと悩む分野です。どこが苦手なのかを穴なのかも知る上で大学入学共通テストは非常に役立つのです。
物理の基本的な勉強法については「大学共通テストに向けた物理の基本的な勉強法〜センターとの比較も」に詳しく記載してあります。よければ一読してみてください。
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