志望理由書は総合型選抜と学校型選抜という、いわゆる推薦式の入試においてはきわめて重要な要素となります。
志望理由書が書き方をきちんと踏まえているかどうかは合格、不合格を左右する重大な要素となります。
早い段階で志望理由書の書き方を習得することが選抜入試においては非常に大事です。このように難しそうな志望理由書の書き方ですが、一定の決まりやチェックポイントがあります。
本記事では志望理由書がどのようなものかということやその書き方について説明していきます。また、実際に書いたら必ず周囲の先生にチェックしてもらいましょう。
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そもそも志望理由書とは?
推薦入試には基本的には総合型選抜、学校型選抜があります。そして、志望理由書も選抜のタイプによって違うので、総合型選抜と学校型選抜に分けて説明します。
総合型選抜
志望理由書は、大学側にとって最も重要な選抜の資料となります。
高校側の推薦をもらえる学校型選抜とは異なり、総合型選抜ではさらに、 なぜこの大学に入りたいのかに加えて、その目的や目標が大学の求める学生像であるアドミッションポリシーと合致しているかまでも判断されます。
総合型選抜では、高校時代の成績が良くても、部活動や社会貢献活動に取り組んでいたとしても、志望理由書にそれが書いてなければ、もう合格するチャンスはほとんどないといっても過言ではありません。
学校型選抜
学校型選抜においては、高校の推薦があるので、ある程度の学力や人柄などは保証されているという点で、 総合型選抜と比べると多少志望理由書についてはそれほど厳格に求められないという感じです。
それでも、興味、研究したいこと、将来像は明確にしておかなければなりません。
総合型選抜にしても学校型選抜にしても 、大学が一番重視しているのは、やはり受験生自身の言葉で書かれている志望理由書です。
大学側に自分というものをアピールするチャンスになるだけではなく、その後に行われる面接でも志望理由書の記述から尋ねられることが多いので、選抜型入試においては、志望理由書は合否を大きく左右する文書であるといえます。
志望理由書の内容のチェックポイント
大学側が選抜型試験で志望理由書によって把握したいのは、
- どうして勉強したいのか
- その勉強をすることで自分の将来や社会にどのような変化をもたらせるのか
- 多くの大学の中からなぜこの大学に入学したいと考えているのか
ということです。
つまり、学問を志すきっかけ、この大学での研究で達成できる成果と社会とのかかわり、なぜそれがこの大学でなければ実現できないのかということです。
大学側は志望理由書から「問題発見力」「主体性」「基礎学力」があるかどうかを判断し、大学が求めている人材かどうかを判断します。
問題意識をもって主体的に研究し、講義についていける能力があるかをチェックしています。そこで志望理由書には以下の3点は盛り込むように記述してみましょう。
- 志望のきっかけ
- 社会とのつながり
- その大学学部を志望する理由
以下、この三点について深堀りをしていきます。
志望のきっかけ・動機の記載
どのような学問に興味を持っていて、その中でも得意なものは何か、それを生かして未来をどのように切り開いていくのかということをよく考えてみてください。
志望理由書で重要なのは、過去・現在・未来のつながりを明確にすることです。そのためには現在からいったん過去を振り返ってみなければなりません。
過去の経験に基づいて現在興味のあることを考えてみるといろいろ出てくるかもしれません。
こうしたことを文章化していくには、時間をかけて今までの自分がやって来たことを振り返ってみる必要があります。
志望理由書は、自分を振り返り、現在の状況を分析し、これからの将来設計をして大学側にアピールする作業でもあります。
志望理由書で主体となるのは自分自身です。自分をテーマにして文章を書かなければなりません。一番最初は、自分というものを分析してみましょう。
志望動機を明確にした上で、特定の学問に興味を持つようになったきっかけを明確に表現しましょう。
このきっかけは一人一人違うものなので、書きようによっては志望理由書の中で最も差がつくところです。
自分なりの経験やエピソードを交えて深く踏み込んで書くようにしましょう。
学びたいことと社会とのかかわり
志望理由書では政治や社会の課題に言及するなど、実際に社会で起きているに問題に触れておくことも大事です。
問題を解決するための自分なりの構想を提起し、より深く問題解決の方法を志望大学で学びたいと書けるとよいです。
このためには、志望大学のホームページなどで情報を研究し、大学で専攻したい分野について読書するだけでなく、同じような学問のある他の大学を調べてみると自分の視野も広げられるのでおすすめです。
なぜその学校なのか
次に、志望する大学でどのようなことができ、それがその大学でしかできないことなのか志望動機を考えましょう。
漠然としたイメージではなく、箇条書きにして書き出してみると効果的です。
志望理由書では、「大学で○○の学問を研究したいので、そちらの大学を志望します。」ということを必ずチェックされるので、興味のある学問分野と、志望大学にあるカリキュラムとの関連づけはしておきましょう。
大学で行われている講義や教員の専門分野にマッチしたことを書くとポイントが高くなります。
志望理由書の形式的チェック事項
志望理由書の実質的な面について述べてきましたが、誤字脱字がないかなど形式面にも十分に注意を払わなければなりません。
読む相手のことを考えて、日本語として正しい表現になっているか、支離滅裂な表現になっていないかなどということにも気を配らなければなりません。
文体を統一して一貫した表現になっているか(「ですます調」から「〜だ」という形になっていないか)、丁寧に誤字脱字なく書いているかという点も当然のことながら注意しなければなりません。
さらに、段落の構成が論理的になっているか、矛盾した内容となっていないかなどの内容面にも気を付けましょう。
こうした形式的な面が整っていないと基礎学力を疑われ、非常にマイナスのイメージを大学側に与えてしまいます。普段から自分の書いた文章の見直しなどを習慣にするようにしましょう。
おすすめ問題集・参考書
ここでは、小論文についての参考書を紹介します。
神崎史彦著『ゼロから1カ月で受かる 大学入試 小論文のルールブック』
小論文の勉強をするといっても、大学入試において小論文を書いたことのない初心者にとっては何を書いたらいいのか頭の中が真っ白になりますし、具体的な手順があった方が他の教科と同じく学習を進めやすいでしょう。
この本は小論文というものはいったいどのようなものかということから始まり、してはいけないことや気を付けておくべき点について初心者でも分かるように解説してあります。
小論文対策の最初に読んでおきたい1冊です。
まとめ
ここまでをまとめると以下のようになります。
- 総合型選抜、学校型選抜ともに、受験生が自分の言葉で書いた志望理由書が最も合格を左右する要素です
- 何がきっかけである学問に興味を持ったのか、大学で何を研究したいのか、それはなぜ志望大学でしかできないのかを書き出してみるとよいです
- 実際の志望理由書では研究を志すきっかけ、社会とのかかわり、志望動機が最も厳しくチェックされます
- 誤字脱字など形式面にも注意を払いましょう
志望理由書は、先ほども述べましたように受験生が自分の言葉で書く文書として、大学側は非常に重視しています。
きっかけ、社会とのかかわり、志望動機を明確にして、書き方を踏まえたしっかりしたものを作りましょう。
ただ、実際に書くことが大事なので、書いた場合は必ず周囲の学校の先生や塾の先生などにみてもらいましょう。また、こちらに送っていただいてもコメントして返しますので、よければ送ってみてください。
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