みなさん、こんにちは。数学ⅡBのコーナーです。
今回のテーマは【点と直線の距離】です。
今回はこんな疑問にお答えします。
点と直線の距離は、座標平面上の図形問題を解くうえで、押さえておきたい重要なポイントです。
実は、点と直線の距離を求める公式があるのですが、なぜその公式が成り立つのかも勉強することで、公式をより覚えやすくなります。
また、もしも公式を忘れてしまっても、点と直線の距離を求められるように、公式が成り立つのはなぜかもあわせて覚えておきましょう。
ということで、今回は、点と直線の距離の求め方について解説していきます。
・点と直線の距離の求め方がわかる
・自分で実際に点と直線の距離を求められる
そもそも点と直線の距離とは?
そもそも点と直線の距離とは、直線のどこまでの距離なのでしょうか?
結論からいうと、点と直線の距離は「点から直線におろした垂線の足までの距離」のことを意味します。
すなわち、下の図で点Aと直線ℓの距離は、2点間AHの距離と言い換えることができます。
さて、求めるべきものが何か分かったところで、さっそく点と直線の距離の求め方を確認していきましょう。
点と直線の距離の求め方とは?
いきなりですが、点と直線の距離の公式を見てみましょう。
点A(x₁,y₁)と直線ℓ: ax+by+c=0の距離dは
$$d=\frac{|ax₁+by₁+c|}{\sqrt{a^{2}+b^{2}}}$$
複雑な式で覚えるのが大変そうですね…。
なぜこの式が成り立つのか確認していきましょう。
a=0、b=0のときの証明はかんたんなので、ここではa≠0かつb≠0の場合を考えます。
図のように、直線ℓ上に点Aとx座標が同じ点Pとy座標が同じ点Qをおきます。
先に証明の指針を述べておくと、△AQPの面積を2通りの方法で求めて、それらで方程式をつくるというものです。
それでは、以下が証明です。
AP=p, AQ=qとおくと、三平方の定理より$PQ=\sqrt{p^{2}+q^{2}}$なので、
△AQPの面積は
$△AQP=\frac{1}{2}pq$, $△AQP=\frac{1}{2}d\sqrt{p^{2}+q^{2}}$
と表せます。
よって、$d=\frac{pq}{\sqrt{p^{2}+q^{2}}}$となります。
ここで、点Pのy座標、点Qのx座標を求めておきます。
点Pのy座標は、
ax₁+by+c=0を整理して
$y=\frac{-ax₁-c}{b}$
点Qのx座標は、
ax+by₁+c=0を整理して
$x=\frac{-by₁-c}{a}$
よって、
$p=|y₁-(\frac{-ax₁-c}{b})|=\frac{1}{|b|}|ax₁+by₁+c|$
$q=|x₁-(\frac{-by₁-c}{a})|=\frac{1}{|a|}|ax₁+by₁+c|$
となります。
これを$d=\frac{pq}{\sqrt{p^{2}+q^{2}}}$に代入します。
そして、式を整理すると、
$$d=\frac{|ax₁+by₁+c|}{\sqrt{a^{2}+b^{2}}}$$
となります。
さて、次は実際に練習問題を解いてみましょう。
練習問題を解いてみよう
問題
①点(-1,4)と直線3x+4y+7=0の距離を求めよう。
解説
①点(-1,4)と直線3x+4y+7=0の距離を求めよう。
公式$d=\frac{|ax₁+by₁+c|}{\sqrt{a^{2}+b^{2}}}$に代入すると、
$d=\frac{|3\times (-1)+4\times 4+7|}{\sqrt{3^{2}+4^{2}}}$
$=\frac{-3+16+7}{\sqrt{25}}=\frac{20}{5}$
$d=4$…(答)
今回のまとめ
今回は、点と直線の距離について解説しました。
公式をつかうと、点と直線の距離はかんたんに求めることができましたね。
さらに、公式は三角形の面積を2通りの方法で求め、それらを等号でつなぐことで求められると確認しました。
はじめにも述べたように、点と直線の距離は図形問題を解くときに重要になります。
練習問題をたくさん解いて、公式を定着させましょう。
今回もおつかれさまでした。
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