みなさん、今回は英文法の完了形の受動態について学んでいきます。
完了形は日本語の概念にはないものなのでなかなか難しいですが、それだけ試験にも出やすい問題でもあります。特にならべかえの問題でねらわれやすいところです。
なかでも今回は完了形を用いた受動態について学んでいきます。現在完了形の受動態、過去完了形の受動態それぞれの受け身の表現を例文とイラストでわかりやすく解説しています。それぞれ、否定文、疑問文まで網羅しているのでこの記事だけで完了の受動態はわかるように作成しています。
また、読むだけでは力がつかないので、演習問題を作成しました。そちらもやってしっかりと力をつけていきましょう。
コツをつかめば完了系の受動態は簡単なのでぜひこの記事を参考にしてください。
今回の記事を読んだらわかること・英文法の完了形の受動態がわかる
・完了の受動態についての問題演習で力をつけられる
完了形の受動態とは?
完了形の代表格、現在完了の過去形とのちがいをおさらいしましょう。
現在完了形だとI have lived in Nagoya for five years.(私は名古屋に5年間住んでいます。)※5年前から今も住んでいる。
過去形はI lived in Nagoya five years ago.(私は名古屋に住んでいました。)※今はもう住んでいない。過去の時点。
このように過去から現在へとつながりをあらわすものが現在完了形です。
- 1.完了・結果「(今)~したところです」「~してしまって(今)」
- 2.経験「(今までに)~したことがある」
- 3.状態の継続「(今までずっと)~である」
次に受動態のおさらいです。この3点は必ず押さえてください。
①能動態で目的語だった単語を主語に持ってくる。(目的格を主格に持ってくる)
②能動態の動詞をbe動詞+過去分詞の形にする。(be動詞の時制は能動態の時制に合わせる)
③能動態で主語は、前置詞byをつけて最後に持ってくる(主にbyを持ってきて目的格にする)
The boss reprimanded his subordinate.(上司は部下を叱った。)という例文を上記の方法に照らし合わせて受動態にすると以下のようになります。
完了形 受動態の形と意味
完了形のおさらいと受動態のおさらいが済んだところで本題です。完了形の受動態はこの2つのあわせ技です。
完了形「have+過去分詞」と受動態の「be動詞+過去分詞」を合わせたもので、<have/has/had + been + 過去分詞>です。
例文を見てみましょう。
- 【能動態の過去形】He fixed my car.(彼は私の車を修理しました。)
- 【受動態過去形】My car was fixed by him.(私の車は彼に修理されました。)
- 【能動態の完了形】He has fixed my car.(彼は私の車を修理したところです。)
- 【完了形受動態】My car has been fixed by him.(私の車は彼に修理されたところです。)
現在完了の受動態の形
現在完了形を受動態にするには<have/has been +過去分詞(done)>のかたちにします。例文で確認しましょう。
Many people sang this song.(たくさんの人がこの歌を歌いました。)→This song hasbeen sung many people.(この歌はたくさんの人に歌われてきました。)
Please don’t sit on the bench, Someone just painted on the bench.(そのベンチに座らないでください。誰かがペンキを塗ったばかりです。)
→Please don’t sit on the bench, It has just been painted (by someone).(そのベンチに座らないでください。ペンキが塗られたばかりです。)
※誰か分からない場合や特定の人を指さない場合、by以降表現しないことも多いです。
現在完了の受動態の否定文
現在完了形の受動態の否定文の作り方は簡単です。have/has + been +過去分詞のhave/hasの後ろにnotをつけるだけです。つまり<have/has + not + been +過去分詞>となります。
- This project hasjust been finished by him.(このプロジェクトは彼によってちょうど終了されたところです。)→This project hasn’t been finishedby him yet.(このプロジェクトは彼によってまだ終了されていません。)
現在完了の受動態の疑問文
次に現在完了形の受動態の疑問文の作り方を解説します。基本のhave/has + been +過去分詞の公式からhave/hasを主語の前に出して文末にクエスチョンマーク「?」をつければ完成です。<Have/Has + 主語 + been +過去分詞~?>となります。
This project hasjust been finished by him.(このプロジェクトは彼によってちょうど終了されたところです。)→Has this project been finishedby him yet?(このプロジェクトは彼によってすでに終了されていますか。)
過去完了「had been(過去分詞)」の受動態の形
ではつぎに過去完了形の受動態について学びましょう。現在完了形は現在までずっとつながりのある状態を表していましたが、過去完了形は、過去のある時点までに事柄がつながった状態であったことをあらわします。例文で確認しましょう。現在完了形はhave/has + 過去分詞でした。過去完了形はhave/hasの部分をhad +過去分詞です。
- 【現在完了】The wedding ceremony has started.(結婚式はすでに始まっていました。)
- 【過去完了】The wedding ceremony had already started when I arrived.(私が到着した時、結婚式はすでに始まっていました。)
では、ここから過去完了形の受動態です。過去完了形はhad + 過去分詞でしたね。そして受動態はbe動詞 + 過去分詞、すなわち、過去完了形の受動態は<had + been + 過去分詞>となります。例文を見てみましょう。
My Classmates had called me “Sachi” until I was 18 years old.(クラスメイトは私が18歳になるまで「サチ」呼びました。)→I had been called “Sachi” by my classmates until I was 18 years old.(私は18歳になるまでクラスメイトに「サチ」と呼ばれました。)
過去完了の受動態の否定文
次に過去完了形の受動態の否定文です。こちらも現在完了形の否定文同様、had + been +過去分詞のhadの後ろにnotをつけるだけです。つまり<had + not + been +過去分詞>となります。例文を確認しましょう。
The building had been destroyed when we arrived there.(私たちがそこに着いたとき、その建物はこわされていました。)→The building had not been destroyed when we arrived there yet.(私たちがそこに着いたとき、その建物はまだこわされていませんでした。)
過去完了の受動態の疑問文
過去完了形の受動態の疑問文の公式をみてみましょう。
こちらもやはり、過去完了形の公式、had + been +過去分詞の公式からHadを主語の前に出して文末にクエスチョンマーク「?」をつければ完成です。<Had + 主語 + been +過去分詞~?>となります。例文でも確認しましょう。
The building had been destroyed when you arrived there.(あなたがそこに着いたとき、その建物はこわされていました。)→Had the building been destroyed when you arrived there?(あなたがそこに着いたとき、その建物はまだこわされていませんでしたか。)
未来完了「will have been(過去分詞)」の受動態
それでは最後に未来完了形の受動態について解説です。まず未来完了形とは今現在からはじまって未来の時点での状態をあらわします。
完了形なので今から未来のその時点までのつながりをまたあらわしています。かたちは<will + have + 過去分詞>であらわします。未来のある時点をあらわす<by+日時>や<by+the time S+V>などの語句をともないます。
- 【現在完了】The wedding ceremony has started.(結婚式はすでに始まっていました。)
- 【未来完了】The wedding ceremony will have started by the time I arrive.(私が到着するまでに結婚式は始まっているでしょう。)
未来完了形を理解したところで、受動態にうつりましょう。これまでのルール同様完了形の受動態は完了形と受動態のあわせ技でした。
未来完了形の受動態は<will + have + been + 過去分詞>です。willの後はhaveの原形しかきませんので、主語が三人称単数であってもhaveになります。
未来完了の受動態の否定文
未来完了の受動態の否定文の作り方を解説します。未来完了形の受動態の否定文は<will + not + have + been + 過去分詞>です。haveの後ではなく、willのあとにnotですのでしっかり覚えましょう。例文をみてみましょう。will notは短縮形でwon’tでもあらわせます。
The TV show will have been started by the time we get home. (私たちが家に着くまでにそのテレビ番組ははじまっているでしょう。)→The TV show will not have been started by the time we get home. (私たちが家に着くまでにそのテレビ番組ははじまらないでしょう。)
未来完了形の受動態の疑問文
未来完了形の受動態、最後は疑問文です。作り方はwillを文頭、主語の前に持っていき、文末にクエスチョンマーク「?」をつけます。
つまり未来完了形の疑問文は<Will + S(主語)+ have + been + 過去分詞 ~?>となります。それでは例文を見てみましょう。
Our dinner will have been cooked by the time we get home.(私たちが家に着くまでには夕食は料理されているでしょう。)→Will our dinner have been cooked by the time we get home?(私たちが家に着くまでには夕食は料理されているでしょうか。)
完了形 受動態の演習問題
今回勉強した完了形の受動態は現在完了形の受動態、過去完了形の受動態は入試問題はもとよりTOEICにも出題されやすい傾向があります。復習もかねて早速演習問題にチャレンジしましょう。
問題の日本語の意味に合うように答えを選択肢から選んでください。解答と解説はチェックボックスを開いたらでてきますよ。
1.That store has( )since last week.(あの店は先週から閉められています。)
(ア)closed (イ)be closed (ウ)was closed (エ)been closed
店が先週から現在もなお閉められた状態なので、現在完了形の受動態です。そのため、has+been+過去分詞closedのかたちになりますのでbeen closedが正解です。
2.My car has just ( )by my father.
(ア)wash (イ)be washed(ウ)been washed (エ)washing
ちょうど洗われたところ、なのでMy car三人称単数のhas+been+過去分詞washedが正解となります。完了形の受動態はhave/hasの後は必ずbeen+過去分詞ですので注意です。
3. They( )as a famous idol group.(彼らはとても有名なアイドルグループとして知られている。)
(ア)has been known (イ)have be known (ウ)have been knowing (エ)have been known
Theyが複数形なのでhasは間違いです。知られていると言いたい現在完了形の受動態はhaveの後はbeen、その後は過去分詞なのでknownです。knowはingをつけられませんのでknowingも間違いです。
4.My lunch ( ) by my mother yet.(私の昼食は母によってまだ料理されていません。)
(ア)hasn’t been coked(イ)has been not cooked(ウ)hasn’t been cooking(エ)haven’t been cooked
現在完了形の受動態の否定文はhave/hasの後ろにnotを置く決まりですのでこの場合My lunchが三人称単数なのでhasn’t been cookedが正解です。
5.I want to call the police because my computer ( ).(警察に通報したいです。なぜなら私のパソコンが盗まれたからです。)
(ア)has been stealing (イ)has stolen (ウ)has been stolen (エ)was being stolen
パソコンが盗まれてしまって今もない状態なので現在完了形の受動態です。そのため、三人称単数のhas+been+過去分詞stolenが正解です。
6.My computer ( )stolen when we arrive there.(私たちがそこに着いた時私のパソコンは盗まれていました。)
(ア)had been (イ)has been (ウ)had (エ)have been
過去の時点に盗まれていた状態なので、過去完了形の受動態です。そのため、had+been+過去分詞stolenが正解となります。
7.( ) the temple been restored when you visited there?(あなたがそこを訪れたとき寺院は修復されていましたか。)
(ア)Was (イ)Has (ウ)Have (エ)Had
過去の時点の状態で建物が修復されていたかを問われているので過去完了形の疑問文ですから、文頭にHadがきます。正解は(エ)Hadです。
8.The musical tickets will ( ) sold out by the time I get there.(私がそこにつくまでに、ミュージカルチケットは売り切れているでしょう。)
(ア)had been (イ)have been (ウ)not been (エ)has been
未来完了形の受動態ですので、will+have+been+過去分詞となります。そのため選択肢で当てはまるのは(イ)have beenです。
9.That problem ( )have been overlooked by the time we grow up.(私たちが大人になるまでにその問題は見過ごされないでしょう。)
(ア)will (イ)won’t (ウ)not will (エ)weren’t
未来完了形受動態の否定文になりますので、will+not+have+been+過去分詞、will notの短縮系でwon’tが正しいです。
10.Will the products have ( )to you by next month? (その製品は来月までにあなたに送られているでしょうか。)
(ア)send(イ)been send(ウ)be sent (エ)been sent
未来完了形受動態の疑問文ですので、will+S(主語)+have+been+過去分詞~?です。この場合、送るの過去分詞はsentですから(エ)been sentが正解です。
完了形 受動態の演習問題おすすめ参考書
完了形の受動態の演習問題を解くためにおすすめの参考書は、桐原書店のNextStage(ネクステージ)です。入試英語頻出のポイントを押さえた英文法、語法問題が豊富です。
他には旺文社のスクランブル英文法もおすすめです。
どちらも基礎から私大難関レベルまで網羅していますし、解説もわかりやすくきっと役立つことでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
受動態の基本と完了形の基本を理解していれば意外とすんなり納得できたのではないでしょうか。
あとは、現在完了形なのか、過去完了形なのか、未来完了形なのか見極めて公式をしっかり頭に入れて、演習問題で身につけましょう。これで完了形受動態はバッチリですね!
よければ「受動態の英文法問題(センター試験20年分から分析)」でセンター試験からの問題を実践的に解いていきましょう。
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