今回は否定語+比較の形が最上級になることについて学びます。
この形は、意外に知らない方が多いものなのですが、しっかりと覚えておいた方が良いものになります。慣用句的に使用されることも多く、知らないと手も足も出ないことが要因です。
しっかりと文章を構造立てて、ロジカルに説明していくので、二度と間違わない理解をしていきましょう。是非お付き合いください。
否定+比較(couldn’t be better)の意味
さて早速本題に入っていきます。否定語+比較級の形について説明していくのですが、まずは例文を確認してみましょう。
It couldn’t be better. (最高です。)
赤線で示したところがポイントです。この場合否定語は「couldn’t」を使用しますが、これは決まり事として覚えておく方が望ましいです。
その後ろにつく比較級は「better」を使用します。「couldn’t be better」というのを一つの慣用句的にまとまりで覚えておきましょう。日本語の意味としては「最高である」です。
これらに関しては、まずは覚えておく必要があるのですが、そうなるロジックについては以下で解説していきます。本質的な理解をしていきましょう。
なぜ「couldn’t be better」は「最高である」という意味になるの?
では、ここからは「couldn’t be better」が「最高である」というロジックについて解説していきます。先ほどの例文をもう一度扱います。
It couldn’t be better. (最高です。)
まずは「couldn’t」の本質的な意味です。少し英語を勉強してきた人ならわかると思いますが、「~出来ない」以外に「ありえない」という意味がありましたね。可能性がないという論理で否定的な推量になります。
そして「better」はご周知のとおり、肯定の「~より」なので「より良い」というニュアンスになりますね。
それらを有機的に連関させると「これ以上良くなることはありえない」となります。この根幹的な意味から派生して、「これ以上良くなることはありえない」→「とても良い」→「満点!最高!」という意味になり、「couldn’t be better」が「最高」という最上級のニュアンスになるのです。
It couldn’t be betterの主語は省略されやすい
ここまで「It couldn’t be better」が「最高」という意味になることと、その論理について解説してきました。
ですがこの形は主語の「It」が省略され、「Couldn’t be better」という使い方が多いです。
正直、その事実だけ覚えておいてくれれば良いのですが、一応ロジックで言うと、「It couldn’t be better」の「it」は仮主語であり、なんの意味もなしていません。
それでいながら、文章の構造上多用されるので、ネイティブが煩わしくなったという説が有力です。仮主語の「it」を簡略化し、より「最高だ」という表現をしやすくしたのですね。
先ほどの例文で言うと
Ⅽouldn’t be better. (最高です。)
という形が普遍的です。覚えておきましょう。
対義表現「could be better」は「あまり良くない」
最後に少し応用形で「could be better」という形を抑えておきましょう。
ここまで扱ってきた「couldn’t be better」は「couldn’t」が「可能性がない」「better」は「より良い」でしたので、それらを組み合わせて「これより良くなる可能性がない」→「最高だ」となるのでした。
では肯定形の「could」を使用する場合は「可能性がある」となります。「これより良くなる可能性がある」ということで、「あまり良くない」という日本語に意訳します。先ほどと逆のベクトルの頭の使い方をしていきましょう。
演習問題
それでは、演習問題を解いてみましょう。答えはチェックボックスを押すと出てきます。
Q.カッコに入る正しいものを選べ
1. A:How were your summer holidays? B:( ).
(ア)Nothing is particular
(イ)I have no idea what it is like
(ウ)Well, that depends on the season
(エ)Couldn’t have been better
夏休みの感想を聞かれて、「最高だった」と答えている。過去形なので「be」が変化しているところにも注意。
2.I couldn’t agree ( ).(大賛成だ)
(ア)most (イ)more (ウ)better (エ)best
否定形+比較(more)になっている。意味としては「最高だ」で、最高の賛成なので、異論のない大賛成となる。
3.The score of test ( ). My mother was shocked at it.
(ア)have been better
(イ)could be better
(ウ)could have been better
(エ)couldn’t have been better
お母さんがショックを受けているので、テストの点数は良くなかったと考える。肯定形+比較を選択。時制も考慮して「have been」とする。ックス内容
さいごに
ここまでお読みいただきありがとうございました。
鍵となるのは「could」の根幹的な意味です。「could」なら「可能性がある」「couldn’t」なら「可能性がない」。
それを「better/より良い」と組み合わせて、「より良くなる可能性がある」のか「より良くなる可能性がない」のか考えます。それを意訳するのです。
そこまで難しい話ではありませんが、意外に地味な単元でもあるので、しっかりと理解をして周りの人に差をつけていきましょう。
より詳しく、問題演習をしたい人は「全解説頻出英文法・語法問題1000 (大学受験スーパーゼミ)」か「Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服」をご利用ください。
コメント