みなさん、こんにちは。数学ⅡBのコーナーです。今回のテーマは、微分の基礎である【平均変化率】【極限値】です。
たかしくんのように、微分のやり方はなんとなくわかったけど、微分とは何かがわかっていないという人も多いのではないでしょうか?
今回は、微分の基礎であり、微分の単元で一番初めに勉強する「平均変化率」「極限値」についてわかりやすく解説していきます。
「平均変化率」「極限値」がわからないと微分を理解するのがむずかしくなってしまうので、しっかりと押さえておきましょう。
それでは、さっそく始めていきましょう。
・微分の基礎を理解できる
平均変化率とは?
平均変化率は、次の式で表されます。
関数$y=f(x)$において、xの値がaからbまで増加するとき
$$\frac{f(b)-f(a)}{b-a}$$
要するに、xの変化量「b-a」とyの変化量「$f(b)-f(a)$」との比が平均変化率です。
また、平均変化率のことを「変化の割合」とも言います。
平均変化率について、具体例を確認してみましょう。
$y=x^{2}$において、xが1から4まで増加するときの平均変化率を求めましょう。
まず、xの変化量は、4-1=3ですね。
そして、$f(x)=x^{2}$とすると、$f(1)=1^{2}=1$、$f(4)=4^{2}=16$なので、yの変化量は$16-1=15$だとわかります。
あとはこの比を求めるだけ。
$\frac{f(b)-f(a)}{b-a}=\frac{15}{3}=5$
よって、$y=x^{2}$において、xが1から4まで増加するときの平均変化率は5であると求められます。
平均変化率はかんたんでしたね。
続いて、極限値について解説していきます。
極限値とは?
極限値を一言で表すのはむずかしいので、いきなりですが、定義を確認しましょう。
関数$f(x)$において、xがaと異なる値をとりながら限りなくaに近づくとき
$f(x)$が一定の値$\alpha$に限りなく近づくならば
$x→a$のとき $f(x)→\alpha$ または $\lim_{x \to a}f(x)=\alpha$ とかき、
$\alpha$をxがaに限りなく近づくときの関数$f(x)$の極限値という
※limは極限を表す記号で、「リミット」と読みます。
定義が長く、むずかしそうですね…。
具体例を見ながら考えてみましょう。
$f(x)=x^{2}$について、$\lim_{x\to 2}f(x)$を求めましょう。
「x→2」は「xが2に限りなく近づく」という意味なので、$\lim_{x\to 2}f(x)$は、xが2に限りなく近づいたときに$f(x)$が限りなく近づく値を示しています。
ここまで理解できていますか?
上の定義とあわせて確認しておきましょう。
xが2に限りなく近づくとき、もちろん$f(x)=x^{2}$は$2^{2}=4$に限りなく近づきます。
よって、$\lim_{x\to 2}f(x)=4$となります。
まだ慣れない人も多いとは思いますが、考え方自体は理解できたのではないでしょうか?
練習問題を解いて、理解を定着させましょう。
練習問題を解いてみよう
問題
$y=2x^{2}+1$について。
①xが1から3まで増加するときの平均変化率を求めましょう。
②$f(x)=2x^{2}+1$とするとき、$\lim_{x\to 2}f(x)$を求めましょう。
解答
$y=2x^{2}+1$について。
①xが1から3まで増加するときの平均変化率を求めましょう。
$f(x)=2x^{2}+1$とすると、
$f(1)=2\times 1^{2}+1=3$、$f(3)=2\times 3^{2}+1=19$
よって、平均変化率は
$\frac{19-3}{3-1}=\frac{16}{2}=13$…(答)
②$f(x)=2x^{2}+1$とするとき、$\lim_{x\to 2}f(x)$を求めましょう。
xが2に限りなく近づくとき、$f(x)$が限りなく近づく値は$2\times 2^{2}+1=9$なので
$\lim_{x\to 2}f(x)=9$…(答)
今回のまとめ
今回は、微分の基礎となる「平均変化率」「極限値」について解説してきました。
とくに極限値は、はじめて出てくる概念で戸惑ったかもしれませんが、具体的な値で考えてみると、そこまでむずかしくないことがわかってもらえたのではないでしょうか?
次回以降は、今回勉強した「平均変化率」「極限値」の応用になります。
練習問題をたくさん解いて、「平均変化率」「極限値」の考え方に慣れておきましょう。
今回もおつかれさまでした。
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