今回は時制表現のひとつ「進行形」を見ていきます。「進行形」は「be動詞+~ing」の形をとり、「~をしている途中だ」という大きな意味を有します。
現在進行形、現在完了進行形、過去完了進行形、未来完了進行形など、さまざまな種類がありますが、活用のパターンさえわかれば応用しやすいです。ただ、文法の形だけを理解しても使えるようにならないのでこの記事の進行形の例文を使って覚えていきましょう。
まずは、『進行形とは、物事が途中である様子』を指す、ある動作が完了する点に向かって動いている視覚的なイメージを覚えてください。
進行形は、英語にとって極めて重要な「時制」を構成するものです。時制は受験でもかなり頻繁に問われますので、この記事の練習問題を利用してぜひ理解していきましょう。
進行形の6つのポイント・ 時制は全部で12種類
・ 「進行形」は「~している途中だ」ー「~している」/近未来の予定/繰り返し/強い気持ちを表す
・ 現在進行形、過去進行形、未来進行形、 現在完了進行形、過去完了進行形、未来完了進行形の違いを勉強する
時制は全部で12種類
まず、時制にはどんな種類があったでしょうか?日本語にはあまりなじみのない「完了形」などがあるせいで、時制を苦手だと感じている人は多いようです。
でも、実際はそう複雑に考えなくても大丈夫です。全部で12種類ありますが、基本は「現在形、過去形、未来形」の3つそれぞれに、「基本形・進行形・完了形・完了進行形」の4パターンが組み合わさるだけです。
現在形、過去形、未来形
現在進行形、過去進行形、未来進行形
現在完了形、過去完了形、未来完了形
現在完了進行形、過去完了進行形、未来完了進行形
今日は「進行形」がテーマですから、以下の6つだけを見ていきますよ。
現在形、過去形、未来形
現在進行形、過去進行形、未来進行形
現在完了形、過去完了形、未来完了形
現在完了進行形、過去完了進行形、未来完了進行形
これらはどうやって使い分けるといいでしょうか?
まずは基本の現在進行形を例にとりましょう。現在進行形は「be動詞+~ing」の形をとり、「~している途中だ」を意味します。まずはこれを丸暗記してください。
さて、次は現在・過去・未来(+それぞれの完了)の文をどうやって作るか。
これも簡単です。現在・過去・未来は、be動詞の変化だけで表すことができます。
- You are studying English. (あなたは英語を勉強しています。)
- “I`ve been feeling bored because you persisted in your homework.”(「私ずっと退屈してるのよ。お兄ちゃんずっと宿題してるんだもん。」)
それでは早速、「進行形」の用法をおさえていきましょう!
「進行形」の用法ー「~している」/近未来の予定/繰り返し/強い気持ちを表す
進行形は継続「~している途中だ」を表します。それも、「その行為が完了する点に向かっている」ことを言い表す表現です。これはさきほど念押ししましたね。
「進行形のbe動詞+~ing」には大きく分けて4つの用法がありますが、結局は「~している途中だ」の中に含まれています。本質はまったく同じです。例文を見ながら理解していきましょう。
進行形の意味①:「~している」
- He is watching TV.(彼はテレビを見ています。)
- The airplane is landing.(その飛行機はいま着陸するところだよ。)
- Erika seems to be looking at the contrails.(エリカは飛行機雲を眺めているみたいよ。)
これが基本の意味あい。例文を見ても、それぞれ「~している途中だ」が言い表されていますね。「watching 見ている/ landing まさに着陸しているところ/ looking 見ている」。
私たちが視覚で見て「動作」が感じられるもの。「~している最中です。」と訳することができる動詞に進行形が使えます。
ちなみに、同じ「見る」でも、「視線を向ける動作」であるwatchやlookは進行形で使いますが、「自然に目に入ったから見ている」see(状態動詞)は原則として現在形で使います。
進行形の意味②:近未来の予定
次に近未来の予定についての進行形の例文です。
- You are marrying him in October.(あなたは彼と10月に結婚する予定です。)
- I am having a lunch at 2.(2時にはランチを食べる予定です。)
- After school, Hiro and I will part and I`m taking bus.(放課後、ヒロと別れたら私はバスに乗ります。)
- I`m flying to Hong Kong this Monday.(月曜に私は飛行機で香港に行く予定だ。)
進行形は「予定」も表します。つまり、ある時点(上の例文なら、10月に/2時/ヒロと別れたとき/月曜に)に向かって、その動作を「している最中」(結婚する/ランチを食べる/バスに乗っている/飛行機で向かう)という形になります。
結婚するのにも、ランチを食べるのにも、「一歩動作を踏み出している」イメージを感じてみてください。
今はまだしてないけど、「ランチを食べるためにお店を決めたり、メニューを考えたりしている」「飛行機に乗るためにチケットや座席を予約している」、そうした「すでにその行為に向かっている最中である」イメージ。これこそが進行形です。
いわば、「手帳に書く予定」は進行形be+~ingで言い表すことができるのです。ちなみに、be going to~とのちがいは、
be going to ~=「~するつもりだ」←主観的な予定、主体者の意思
be ~ing =「~する予定だ」←手帳に書くような客観的事実としての予定
もし、学校の先生に「放課後に面談にいく予定です」と言いに行くなら、be ~ingが正解です。面談の予定は手帳に書いておくものですね。
そして、「面談が終わったら、河川敷で寝っ転がろうかな」と考えているなら、be going to~。わざわざ手帳に書くことではないですね。「そんな風にしようっと」という意思です。
進行形の意味③:繰り返し
進行形にすることで「さっきからずっと~している」ということを表現することも可能です。
この場合、それが繰り返し行われるせいで「少しイライラするなあ…」というニュアンスが含まれるので、使う際はご注意を!
- You`re always complaining!(君はいつも文句ばっかり言うよね!)
- My husband is always coming late.(私の夫ってば、いっつも遅刻してくるの。)
- She is coughing.(彼女、ずっと咳をしています。)
最後の例文に出てくる咳(cough)、くしゃみ(sneeze)、うなずく(nod)、しゃっくりする(hiccup)など、瞬発的な動作について進行形を使うと、それが何度も繰り返し続いていることを表します。
She is hiccuping.(彼女はしゃっくりが出ています。)も、しゃっくりが1回だけだったら、~ingの感じは出てきませんよね?
進行形の意味④:強い気持ちを表す
- I am loving it!(これが大好きなんだよ!)
- We are having a good time!(僕ら、最高の時間を楽しんでるよ!)
- He is being sticking. (あいつ、意地になってるんだ。)
「今まさにそれを愛している!」「今まさに楽しんでる!」このように、躍動感のある表現であれば、loveやhaveやthinkといった、普段は進行形にならない動詞もbe動詞+~ingにすることができます。
現在進行形、過去進行形、未来進行形
4つの用法を理解できましたか?それでは早速、「現在・過去・未来」の活用方法を見ていきましょう。
例文をたくさん読んで、音読するのが肝心です。ここは一気に覚えていきますよ!
現在進行形
- That boy is looking for a way to save his sister.(その少年は妹が助かる方法を探している。)
- He is running recklessly.(彼は猪突猛進に走り続けている。)
- Why is he screaming? (なぜ彼は泣き叫んでいるのですか?)
過去進行形
- “What were you doing when I called you?” “I was taking a bath.”「私が電話したとき、あなたは何をしていたのよ?」「風呂に入ってたんだよ。」
- In fact, I was meeting my ex-girlfriend. (実のところは元彼女に会っていた。)
- “That night I was waiting in front of your house.”「あの夜、私はあなたの家の前で待っていたのよ。」
未来進行形
- I will be lying on the bed in a hospital. (明日には病院のベッドに寝ているんだろう。)
- Don’t worry. You will be having a good time with me tomorrow.(心配しなくて大丈夫よ。明日、あなたと私は楽しく過ごしているんだから。)
- We will be seeing them soon.(近いうちに彼らに会うことになるでしょう。)
どうでしょうか?いずれもbe動詞が変化することで、時の変化を表せていますね。現在・過去・未来どの時点で使っても、進行形は、「~している途中だ」を言い表しています。
さて、ここで重要ポイントです。現在形と現在進行形のちがいは何でしょうか?
現在形=習慣・事実。「そういうもの」という納得・了解がある。
現在進行形=継続している出来事。「これまでは違ったかもしれないけど、とりあえず今はこう」。
例文を見てみましょう。「お酒を飲まない」を言い表すなら。
I don`t drink alcohol.
これは「私はお酒を飲みません(お酒を飲む習慣はありません、お酒は飲まないタイプです)」を意味します。
I am not drinking alcohol tonight.
こちらは「私は今夜はお酒を飲んでいません(とりあえず今夜は飲酒しませんよ)」を意味します。こちらは、普段はお酒を飲む習慣があるかもしれないという余地がありますね。
さらに、先ほど少し説明したように、「見える・聞こえる・持ってる・好きだ・信じてる・知っている・似ている・(建物が)立っている」といった状態動詞(see, hear, have, like, believe, know, resemble, standなど)は、基本的に現在形で使用します。
なぜなら、「好きである」「知っている」などは、変えようと思って1秒後に変えられる動作ではないからです。「今は知っているけど、1秒後には知っていない」というのは自然ではないですよね。
○ I know the secret of her.(私は彼女の秘密を知っています。)
× I`m knowing the secret of her.(私は彼女の秘密をいま知っているところです。)←こういう言葉づかいは日本語でもおかしいですよね?
「~している途中だ、~している最中だ」と和訳したときに「何だかへんだな…」と違和感を感じたら進行形にはなりません。
「私は犬が好きになっている最中だ」「私は祖母に似ている最中だ」おかしいですよね?そういう自然な違和感は正しいものです。大事にしてくださいね。
現在完了進行形、過去完了進行形、未来完了進行形
最後に覚えるのは「完了進行形」です!
「日本語にはなじみのない言葉だ…」と苦手に思う人もいるかもしれませんが、大丈夫。
英文を作るときは、完了形の have+been の後ろに進行形 ~ing をくっつけるだけでいいんです。
意味もそのままで、進行形の「~している途中だ」という感じと、完了形の「過去のある時点から現在に近づいてきている」感じを一緒にします。
「○○から、ずっと~し続けている」と訳せます。
現在完了進行形
- I have been waiting for you for 1 hours!(1時間ずっとあなたを待っていたんだけど!)
- Why have you been stopping the medicine since 3 months?(どうして3カ月前から薬を飲むことを止めてしまったの?)
- He has been working at the office for three years.(彼はその職場で働き始めてもう3年になる。)
現在完了形と現在完了進行形のちがいも説明しましょう。ちなみに、現在完了形の意味は「(今の時点から、過去のある時点を見つめて)~したところだ」というニュアンスがありますよね。
上の例文で言うと、現在完了形を使った He has worked at the office for three years. と、現在完了進行形を使った He has been working at the office for three years. は、いずれも「彼はその職場で3年働いている。」を意味するので、両方とも用法としては合っています。過去から現在までのことを言っていますから。
しかし、現在完了進行形のほうが、より『現在も続けているよ』ということを強調して伝えるようになっています。
そのため、現在完了進行形は、「最近」を表すrecently, lately などの副詞と相性がいいです。
- Recently, My back has been aching. (最近ずっと腰が痛いままなんだ。)
- I have been feeling happy lately.(ここのところ幸せな気持ちなんだよね。)
過去完了進行形
過去完了進行形は、大過去(過去のある時点よりも、もっと昔の時点を指す)をふまえた表現になります。
形は、had been + ~ingになります。
When she came back to Japan, her father had been hanging around in the terminal.(彼女が日本に戻ってきたとき、彼女の父はターミナル内をぶらぶら歩いてた。)
He had been playing soccer for three years when he graduated from college.(彼は大学を卒業するときまで、3年間サッカーを続けていた。)
現在完了進行形よりも時制がひとつ古くなることが特徴です。
未来完了進行形
未来完了進行形は、未来のある時点まで、今やっている動作は続けられているだろう、ということを意味します。
形は、 will have been + ~ing です。
- He will have been playing the game until his mother picks him up.(母親がむかえに来るまで、彼はゲームをしているんだろうな。)
- How long will you have been studying English till then?(あなたはその時までどれくらいの時間、英語を勉強しているでしょうか?)
- She will has been trusting him till he tells the truth. (彼女は、彼が本当のことを言うまで彼を信じているのだろう。)
このとき、until, till, when, before といった「時を表す接続詞」に続く文章は、たとえ未来のことであっても、動詞は現在形になります。
練習問題
それでは、練習問題をやってみましょう!かっこの中を埋めてみてくださいね。
- I( ) a career consultation after school. (私は放課後に進路相談を受ける予定です。)
- I( ) lie down on the riverbed after the career consultation.(面談が終わったら、河川敷で寝っ転がろうかな。)
- She ( )to New York this weekend.(彼女は今週末にはニューヨークまでフライトしている予定だよ。)
- When I came home, she ( )packing up her luggage.(僕が帰宅したとき、彼女は荷物をまとめているところだった。)
- I feel exhausted because I ( )since this morning.(朝からずっと仕事してるんだ。疲れたよ。)
- When he came home, his brother ( )his car.(彼が帰宅したとき、彼の兄は車を洗い続けていた。)
- He ( )reading the book until he ( ) the question. (その問題が解けるまで、彼は本を読んでいるんだろうな。)
練習問題の解答はこちらです。
(1)am taking:これは、be ~ing =「~している」←「そのときには確実にそうなっている」という、客観的事実としての予定
(2)am going to:be going to ~=「~するつもりでいる」←「~する気だよ」程度の、主体者の意思
(3)is flying
(4)was
(5)have been working:過去のある時点から現在まで続いているので、現在完了進行形
(6)had been washing
(7)will have been、solves:時を表す接続詞以降の文章は現在形です
(2)am going to:be going to ~=「~するつもりでいる」←「~する気だよ」程度の、主体者の意思
(3)is flying
(4)was
(5)have been working:過去のある時点から現在まで続いているので、現在完了進行形
(6)had been washing
(7)will have been、solves:時を表す接続詞以降の文章は現在形です
今回の進行形のまとめ
進行形は『~している途中だ』ということを、例文などで理解できましたでしょうか?
ころころ変化することのない「状態」love, like, believe, stand(※建物)などは、進行形を使うことはあまりないのでしたね。
「動作」の躍動感を感じるときは、進行形をよく使いますので、ぜひ自分でも文章をつくってみてください。
普段何気なくやっていることーーー勉強、朝ご飯を食べる、サッカーをする、楽器を弾く、おしゃべりをするーーーこうしたことも英語の進行形にすることができますよ。
現在進行形のほか、過去進行形、未来進行形、現在完了進行形なども、実際に英文を作ってみることをおすすめします!
より詳しい現在進行形の説明については「カラー改訂版 世界一わかりやすい英文法の授業」を読んでみてください。今回の説明がよりリアルに理解できる形になります。
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