みなさんこんにちは。
突然ですが皆さんは日常生活の中でエネルギーをものすごい使っています。
このページを見るにも電力が必要ですし、煮炊きをするにはガスを使いますし、車やバスで移動する場合にはガソリンなどの石油資源を使いますね。
このように、皆さんはエネルギーを非常に多く利用しているのです。
今回の記事では、皆さんが利用しているエネルギーの供給、エネルギー供給について主要国がどのようにエネルギーを確保し、消費しているかについて解説したいと思います。
この記事を読んで理解できること・エネルギーの供給とその動向について理解できる
・エネルギーの種類について理解できる
エネルギー消費について
世界のエネルギー消費量は増加しています。基本的にどこの地域も押しなべて消費量が増加傾向にあるものの、とくにアジアにおいてその傾向は顕著です。これは、中国やインドの経済成長に伴うエネルギー消費量の増加が原因です。
世界のエネルギー消費量の推移は次の通りとなっています。
1965年と比較すると、エネルギー消費量は3倍近くにも膨れ上がっていることが理解できます。
特にアジア大洋州(大洋州はオーストラリア・ニュージーランドなどの地域)においては、1990年代以降エネルギー消費量が非常に増えているということが理解できます。
一方で、北米や欧州などではエネルギー消費量がおおむね安定している状態にあるということも理解できます。
主要国の一次エネルギー供給構成
一次エネルギーとは、自然界から得られた変換加工しないエネルギーのことを指します。具体的には石油・石炭・天然ガスなどです。
石炭は中国やインド、オーストラリアで消費の割合が高く、天然ガスはロシア、イギリス、オランダで、石油は日本、イタリア、韓国などで消費割合が高くなります。
これは、中国やインド、オーストラリアは石炭が資源として取れるため、発電などを中心に石炭が用いられるため、ロシアは天然ガスが産出され、イギリス、オランダはロシアやノルウェーなどの産出国からパイプラインを通して供給されているため、日本やイタリア、韓国は資源鉱物にあまり恵まれないことから、比較的様々ものへと作り変えることのできる石油に頼らざるを得ないことが理由として挙げられます。
主要国の一次エネルギー供給構成は次の通りになります。
これを見ると、中国のエネルギー消費量がとても多く、特に石炭の消費量が圧倒的であることが理解できます。
このほかにも特徴的なのが、フランスの原子力エネルギーへの依存度の高さ、ロシア・カナダ・アメリカ・イギリスを中心に天然ガスへの依存度の高さ、日本・韓国・イタリアのように、鉱物資源に乏しい国における石油資源の依存度の高さがこのグラフから読み取れます。
主要国のエネルギー自給率
主要国のエネルギー自給率は次の通りです。これによると、日本のエネルギー自給率が非常に低いことが理解できます。
また、先進国の多くがエネルギーを100%自給できていない状況にあることが理解できます。
一次エネルギーの種類について
石油
石油とは鉱物資源の一種で、炭化水素を主な成分としつつ少量の硫黄・酸素・窒素などさまざまな物質を含む液状の油のことです。
新期造山帯の周辺から多く産出されており、中東諸国やアメリカを中心に産出されています。
石炭
石炭とは古代の植物が完全に腐敗分解する前に地中に埋もれ、そこで長い期間地熱や地圧を受けて変質したことによって生成された物質のことを指します。
古期造山帯で多く産出されており、中国、アメリカ、インドなどを中心に産出されています。
天然ガス
天然ガスは、天然に産する化石燃料としての炭化水素ガスのことで、メタンやエタンといった軽い炭素化合物を多く含み、その他の炭素化合物も含んでいます。
油田や炭田などからも産出することが可能です。ロシアやアメリカが代表的な産出国です。
エネルギーの問題の出題例
エネルギーの問題に関する入試問題
では、実際にエネルギー問題に関する入試問題を解いてみましょう。
これは、2017年度に成城大学文芸学部で出題された入試問題を一部改変したものです。ここでは、主要国の一次エネルギー供給構成について問われています。
問題の解答及び解説
この問題では、この記事で解説した主要国の一次エネルギー供給構成について問われています。
Bの国は石油に依存していることから、エネルギー資源に乏しい国であるということが予想されます。選択肢の中でエネルギー資源に乏しい国はイギリス、日本があげられますが、イギリスは天然ガスの依存度が高いので、Bには当てはまりません。
よって、Bは日本であり、選択肢は (e)となります。
まとめ
ここまでエネルギー供給について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ここで、もう一度おさらいしておきましょう。
エネルギー消費
増加傾向にある。特にアジア大洋州の消費量が90年代以降増えている。
石油依存、石炭依存、天然ガス依存など、国ごとに種類は異なるものの、特定の一次エネルギーへの依存が目立つ。
主要国ではエネルギー自給率が低い、特に日本は10%以下にとどまる
一次エネルギーの種類
石油・石炭・天然ガスが代表的
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