みなさん、今回は英文法の知覚動詞について勉強します。
知覚動詞とはその名のとおり see, feel, hearのように知覚や感覚をあらわす動詞のことをいいます。知覚動詞はto不定詞ではなく原形不定詞をとるのですが、同様に使役動詞も原形不定詞をとりますのでこの機会に一緒に理解しましょう。
また、知覚動詞の発展的な学習内容として知覚動詞と動詞の能動態、受動態をどのようにあらわすのか、現在分詞 (ing)、受動態(-ed)についてもしっかり学びましょう。
知覚動詞は他の動詞とは使い方が少し異なりますが、数が限られていますので問題に知覚動詞が登場したらバッチリ答えられるように覚えてしまうことが大切です。頻出の知覚動詞の一覧もありますのでしっかりチェックしてくださいね。
ではさっそくはじめましょう。
今回の記事を読んだらわかること・英文法 知覚動詞とは何かがわかる
・知覚動詞と合わせた現在分詞、過去分詞の使い方がわかる
・知覚動詞を使って文を受動態であらわす方法がわかる
・知覚動詞と使役動詞がわかる
英文法 知覚動詞とは(知覚動詞の一覧)
知覚動詞とは前にも書いてあるとおり知覚や感覚をあらわす動詞です。感覚動詞とも呼ばれます。
知覚動詞 + O(目的語) + do(原形不定詞)の形で「O(目的語)が〜する(原形不定詞)のを…する(知覚動詞)」という意味でよく使われます。
この場合のO(目的語)がdo(原形不定詞)の意味上の主語になります。
なんだか言葉で見ると難しそうに思えてきますが、例文をみて確認してみましょう。
一匹の猫が塀に飛び乗るのを見た。
この場合のsawは知覚動詞で、a catはO(目的語)、jumpは原形不定詞です。
過去の話なのでseeは過去形sawになっていますね。
O(目的語)の一匹の猫が原形不定詞のjumpの意味上の主語になっています。
かんたんにいうとOと原形不定詞が S + V の関係になっているということです。
そして意味上の主語が三人称単数だったとしても語尾に s をつけないようにしましょう。要注意です!
知覚動詞は知覚、感覚などの五感の動作をあらわします。
see | 〜が見える |
look at | 〜を見る |
watch | 〜をじっくり見る |
hear | 〜が聞こえる |
listen to | 〜を聞く |
feel | 〜を感じる |
notice | 〜に気付く |
observe | 〜に気付く |
smell | 〜のにおいがする |
taste | 〜の味がする |
私たちの基本の動作に関わるものばかりです。知覚動詞の一覧を思い出せるように繰り返し
みてくださいね。
例文をみてみましょう。
私は足になにかが触れるのを感じた。
知覚動詞 + O(目的語) + 原形不定詞の形をしっかり覚えていきましょう。
知覚動詞と現在分詞(〜ing)
ここまで知覚動詞 + O(目的語)のうしろは原形不定詞と学んできました。
しかし原形不定詞のところに現在分詞が入ることがあります。
私はジョンが電車を待っているのを見かけた。
現在分詞の入る知覚動詞の文は S V O Cの形になります。(C補語:現在分詞)
see以外にも上の五感動作の表に載っている知覚動詞を使って「知覚動詞+O(目的語)+現在分詞」で「Oが〜しているのを…する」とあらわすことができます。
もうひとつ注目すべき点は、例文の場合 O(目的語)のJohnと C(補語:現在分詞)のwaitingの間にJohn is waiting.というJohnが自発的に待っているという能動の文が成り立つ関係があります。
「see+O(目的語)+現在分詞」で「Oが〜しているのが見える」という意味をあらわします。
「知覚動詞と目的語のうしろは原形不定詞しかこれないんじゃなかったの?」
「そもそも原形不定詞であらわす文と現在分詞であらわす文はどうちがうの?」と
疑問に思った方もいると思います。
では原形不定詞と現在分詞(ing)であらわす知覚動詞の文に、いったいどのような違いがあるのかを
みていきましょう。
さきほどの例文 I saw John waiting for a train. (私はジョンが電車を待っているのを見かけた。)を原形不定詞で書き換えるとこうなります。
I saw John wait for a train.
私はジョンが電車を待つのを見かけた。
訳し方も少し異なっていますが、大きな違いは現在分詞を使った場合、動作の一時点を見たことをあらわし、原形を使った場合は動作の始まりから終わりまでの一部始終すべてを見たことをあらわすということです。
上の現在分詞であらわした例文 I saw John waiting for a train. はジョンが電車を待っている「途中」をチラリと見ていて、原形不定詞の文I saw John wait for a train.はジョンが電車を待つのを「最初から最後まで」見たということをあらわしているのです。時々によって使い分けてみましょう。
知覚動詞と過去分詞(~ed)
知覚動詞は現在分詞を使ってS V O C (C補語:現在分詞)の形をとれることがわかりました。
現在分詞が使えるという事は…。
そうです、知覚動詞は過去分詞を使って表現することもできるのです。
「知覚動詞 + O + 過去分詞」で「Oが 〜される(過去分詞)のが…する(知覚動詞)」とあらわします。
例文を見てみてください。
私は自分の名前が呼ばれるのが聞こえた。
「hear+O(目的語)+過去分詞」で「Oが〜されるのが聞こえる」という意味になります。
O(目的語)と過去分詞の間に my name was called. という文が成り立つ受動の関係があります。
知覚動詞の受動態
「S(主語)+see/hear+O(目的語)+原形不定詞」を受動態で表現するときは原形不定詞の部分はto不定詞を使います。
彼女は1時にその家を出発するところを目撃された。
なお、hearやsee以外のlisten to や watchなどの知覚動詞は受動態にしないのが普通です。
知覚動詞の受動態は本来、原形不定詞を使う部分をto不定詞を用いるとわかりました。
しかし能動のときと同じように動作の途中をチラリと見られていた(一時点の)場合はto不定詞ではなく現在分詞を使ったほうが適切です。
彼女は通りを横切っているのを見られた。
例文の中で彼女を見かけた人はチラリと通りを横切っているのを見たということになります。
知覚動詞と使役動詞
知覚動詞と似た文の形をとる使役動詞というものがあります。
使役動詞について詳しく勉強したい方、もう一度復習したい方は「英文法の使役動詞(make have letの違い、動詞getとhelp、使役動詞の受動態、使役動詞と過去分詞)が10分で理解できる【大学受験の英文法】」をチェックしてみてくださいね。
ここでは知覚動詞と似た使役動詞について少しだけ説明していきたいと思います。
まず使役動詞とは「(人)に〜させる」という意味をあらわします。
使役動詞はmake、have、let、getがあります。
使役動詞も「S + 使役動詞 + O + 原形不定詞」という知覚動詞と似た形をとります。
例外としてgetは後ろに原形不定詞の形をとることができません。
getはほかの三つの使役動詞がとれない to 不定詞の形をとることができます。
例文をみてみましょう。
She made him carry the box.
彼女は彼にその箱を運ばせた。
この場合もO(目的語)のhimが原形不定詞のcarryの意味上の主語になっています。
知覚動詞のときと同じですね。
原形不定詞の代わりに現在分詞・過去分詞を使うこともできますが、使える知覚動詞の種類が決まっています。
do(原形不定詞) | to do(to不定詞) | done(過去分詞) | doing(現在分詞) | |
make | ○ | × | ○ | × |
have | ○ | × | ○ | ○ |
get | × | ○ | ○ | ○ |
let | ○ | × | × | × |
使役動詞と過去分詞を使った文の意味はとくに「使役」と「被害」の二つがあります。
例文をみてみましょう。
I had my hair cut.
私は髪を切ってもらった。
このcutは過去分詞です。訳からもわかるように主語に意志がある場合は「O(目的語)を〜させる」や「O(目的語)を〜してもらう」というような「使役」の意味をあらわしています。
つづいてこの文をみてください。
He had his bag stolen.
彼はバッグを盗まれた。
この文は主語のHeの意志と関係なくバッグが盗まれていますので「使役」の意味をあらわしているわけではありません。
この場合も訳からわかるように「O(目的語)を〜される」という「被害」の意味をあらわしています。
注意しなければならないのは使役動詞を使った使役、被害の意味をあらわす文は受動態であらわすことはできないということです。
× I was cut my hair. / He was stolen his bag.
今回の学習した知覚動詞のまとめ
いかがでしたか。
see や feel、hearなど知覚や感覚をあらわす動詞のことを知覚動詞と呼び、「知覚動詞 + O(目的語) + 原形不定詞」で文をつくることができました。
そして原形不定詞の部分を現在分詞や過去分詞にかえることで動作についてをよりくわしく表現できたり、原形不定詞の部分をto不定詞にかえて知覚動詞を使いながら文を受動態の形にできたりすることがわかりました。
知覚動詞と似た形で使われる使役動詞についても学びました。使役動詞にはルールがあるので文の形によって使える使役動詞をそれぞれ覚えてしまいましょう。
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