気圧帯(熱帯低圧帯、中緯度高圧帯、亜寒帯低圧帯、極高圧帯)を徹底解説!【系統地理B】

今回は地理の「気圧帯」について解説します。気圧帯は気温と違って体感しにくく、実感がわきにくい分野だと思います。

 

そのため、学習する際にイメージが湧かなくてうまく内容をつかめない、ということもあるのではないでしょうか。

 

今回は「気圧帯って何?」と思っている方にもわかりやすく解説していきます。具体的には熱帯低圧帯、中緯度高圧帯、亜寒帯低圧帯、極高圧帯などについて説明していきます。

 

ところで、気圧帯を学習する意味は何なのでしょうか。気圧帯を学習することで、のちに学ぶ気候分布や風を論理的に理解できるようになります。

 

また、気圧帯の範囲は大学入試にも出やすいです。

これは2019年度の(一番最近です)センター試験第一問に出題された問題です。今回の解説で理解すれば簡単にとけるようになります!

では、順に解説していきます。

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高圧帯と低気圧の違いについて

気圧帯についてお話しする前に、まずは高気圧と低気圧の違いについて解説します。

 

高気圧

高気圧とは、その名の通り「大気からの圧力が大きい」ことをいいます。上空から吹いてくる下降気流によって圧力が増したところを「高気圧」とよんでいる、というわけです。

 

その高気圧が連なったところがこれから出てくる「高圧帯」です。

 

ちなみに、下降気流が生じるところ(高圧帯)は晴れます。

というのも、上空からの空気がおりてくるだけなので、雲ができたりしないからです。

低気圧

低気圧は高気圧の逆です。「大気からの圧力が小さい」ことをいいます。下空から上空へと吹く上昇気流によって圧力が減少したところを「低気圧」とよんでいます。

 

さっきと同じように、その低気圧部分が連なったところを「低圧帯」といいます。

 

また、上昇気流が生じるところ(低圧帯)には雨が降ります。

 

なぜでしょうか?

  • ①空気が上昇する際に、水分を含んで湿気を帯びる
  • ②上昇すると同時に気温は低くなる(気温の逓減)
  • ③湿気を帯びた空気が上昇しながら冷やされて、雲ができる

というプロセスによって雨が降るのです。

 

S先生
S先生

高圧帯=晴れ

低圧帯=雨

という考え方は今後気候分布の範囲でも役立ってくるわ!

 

ぜひ覚えておくようにね!

赤道低圧帯

まずは赤道低圧帯についてです。

 

赤道低圧帯は上の画像の赤斜線部分、「赤道付近」に位置しています。

緯度でいうとだいたい0~10度の場所です。

 

突然ですが、小学校の理科の内容の話をします。

暖房をつけた部屋は天井のあたりと床のあたりのどちらの温度が高かったでしょうか。

また、湯船の湯は表面と湯船の底のほうではどちらの方が熱かったでしょうか。

 

正解は、、

どちらも上側(天井のあたり、湯船の水表あたり)です!これは「暖かい空気(水)は軽いため、上昇する」という原理に基づいています。

 

地球上でも同じことが言えます。

 

赤道付近は太陽の光がたくさん当たるので暑いですよね。なので、空気が温まり、上昇します。上昇気流が生じるということです。

 

先ほども言ったように、上昇気流が生じると大気から受ける圧力が小さくなります。低圧帯ができあがりますね。

 

そして、上昇気流が雲を作り雨を降らします。赤道付近は温度が高いので急に大きな雲ができます。そのため、スコールがよく見られたりするのです。

 

ちなみに、赤道低圧帯は熱帯収束帯と呼ばれることもあります。後に学習すると思いますが、赤道低圧帯が分布するところは熱帯雨林気候(Af)であることが多いです。

 

ぜひ頭の片隅に入れておいてください!

中緯度高圧帯

次は中緯度高圧帯についてです。

 

中緯度高圧帯は上の画像のオレンジ色の斜線部分、「赤道低圧帯の上下」に位置します。緯度でいうとだいたい20~30度の場所です。

 

なぜ赤道低圧帯の上下に位置するのでしょうか。

それは、赤道低圧帯で生じた上昇気流がちょうど下降してきて、下降気流が生じるからです。下降気流が生じるということは大気からの圧力が大きくなります。高圧帯が出来上がるというわけです。

 

ちなみに、中緯度高圧帯は別名を「亜熱帯高圧帯」ともいいます。

中緯度(亜熱帯)高圧帯が分布するところは弱い乾季のある熱帯雨林気候(Am)、サバナ気候(Aw)であることが多いです。

 

亜寒帯低圧帯

次は亜寒帯低圧帯についてです。

 

亜寒帯低圧帯は青色の斜線部分、「中緯度高圧帯の極側」に位置しています。

緯度でいうとだいたい40~60度のあたりです。

 

亜寒帯低圧帯は中緯度高圧帯の下降気流がこんどは上昇するところにあります。

上昇気流が生まれることによって、低圧帯になるのでしたね。

 

亜寒帯低圧帯ですが、ほかの気圧帯に比べて出現率は低く、範囲も一定していません。

 

極高圧帯

最期に極高圧帯についてです。

 

極高圧帯は上の図の紫色の部分、「南極と北極のあたり」に位置しています。

緯度でいうと、だいたい60度以上の場所です。

 

南極、北極のあたりは寒いですよね。

気温が低いので、空気は重くなります。

すると、大気から受ける圧力が大きくなる=高圧帯になるのでしたね。

 

極高圧帯はももちろん雨が少ないですが、南極、北極付近はお気温が低いため、蒸発をあまりしません。

なので乾燥はしません。覚えておきましょう!

 

まとめ

今までの内容をざっとおさらいします。

 

 

・高圧帯:上昇気流が生じた場所にできる。雨が降る

・低圧帯:下降気流が生じた場所にできる。晴れる

・赤道低圧帯(熱帯収束帯):赤道付近に分布。雨がよく降る(スコールが生じやすい)。熱帯雨林気候(Af)の分布とほぼ同じ

・中緯度高圧帯(亜熱帯高圧帯):緯度20~30度に分布。晴れる。弱い乾季のある熱帯雨林気候(Am)、サバナ気候(Aw)の分布と一致していることが多い。

・亜寒帯低圧帯:緯度40~60度に分布。雨が降る。出現率低い、範囲は一定しない

・極高圧帯:緯度60度以上。晴れるけれど乾燥しない

 

気圧帯の範囲は何度も見直して完璧にしておきましょう!

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