みなさんは「受動態」という言葉を聞いたことがありますが?英語の英文法の授業で最初の方に出てくる単元ですね。
そうですね。受動態とは、行為者が主語にならずに、行為を受ける対象が主語となる形を指します。主語が「〜する」のと反対で主語が「〜される」という意味になります。
英語の受動態は、動作の主体を明確にしたくなかったりとか物が主体になる時などに使用されます。古文でも出てきたりしますが、英文法での受動態のポイントは主語が通常の「〜する」という文と変わるという点です。
受動態の「〜される」という文では通常の「〜する」という文との主語が異なります。これができず受動態を敬遠してしまう生徒が結構います。受動態は受験では最重要項目の一つですので、大学受験の勉強の第一歩としてしっかりと受動態を理解していきましょう。
ちなみにYoutubeでも私が受動態について解説をしていますのでよければ見てください。
そもそも受動態とは?
で、早速ですが以下の例文を見てください。
The boss reprimanded his subordinate.(上司は部下を叱った)
「subordinate」=部下、「reprimand」=立場が上にある人が「叱る」
日本語を見ると「上司は部下を叱った」ですね。このS(主体)がO(目的物)を〜する(V=動詞)という形を能動態と言います。「上司(S)は部下(O)を叱った(V)」というのが能動態です。
そして、受動態とは能動態でOを主語に持ってくる話です。つまり、「部下は上司によって叱られた」という形になります。この〜されたというのが受動態と覚えておきましょう。
能動態から受動態への文の作り方
そして、英語で受動態の作成方法は以下の方法になります。この3点は必ず押さえてください。
①能動態で目的語だった単語を主語に持ってくる。(目的格を主格に持ってくる)
②能動態の動詞をbe動詞+過去分詞の形にする。(be動詞の時制は能動態の時制に合わせる)
③能動態で主語は、前置詞byをつけて最後に持ってくる(主にbyを持ってきて目的格にする)
The boss reprimanded his subordinate.を上記方法に照らし合わせて受動態にすると以下のようになります。
つまり以下の形に文ができます。
His subordinate was reprimanded by the boss. (部下は上司によって叱られた。)
より正確に言うなら I was reprimanded by the boss as my work speed is slow. (私は仕事のスピードが遅いために上司に叱られた)ですね。
格の変化に注意!
ちなみに、この受動態を作るときに気をつけないといけないのは、能動態の主語は前置詞の後に目的格へ、目的格が主格へ変わると言うことです。
今回の” subordinate”も”boss”も普通名詞のため、主格も目的格も変化はありません。しかし、I やheなど人称代名詞が使用される場合には変化するので注意が必要です。
I reprimand him.と言う文ならば、主格のIはbyの後にmeが、himは主語になるのでHeになります。
人称代名詞については「英語教員の教える最初から学べる英文法(人称代名詞について)」に詳しく記載してますのでよくわからない人は是非とも一読してみてください。
ちなみに、they(一般的な人々)が最後に来る場合、by themという形になりますがby them は省略するということを覚えておいてください。つまり、受動態の文でby~がない文を見かけたらby themが省略されていると考えてください。
受動態にできない場合
そうですね。ここで注意して欲しいのは、I am sleeping.と言うのは第一文型と言います。目的語がきません。受動態は能動態の目的語を主語にするので目的語がない以上受動態が出来ません。
このように自動詞の場合目的語をとることが出来ないので、受動態にそもそも出来ません。繰り返しになりますが、第一文型と第二文型は受動態にそもそもとることが出来ない、と言うことを知っておいてください。
なお、第4、5文系については応用的な話が入ってくるので応用編でお話しします。今回は、あくまでも受動態は第3文型を念頭においての話と理解してください。
受動態の時制について
この状況を英文にするなら、
He is tearing up a sheet of paper. (彼は紙を破いている)
【完了形と進行形の受動態の形】
進行形の受動態: be動詞+being+過去分詞
完了形の受動態: have +been+過去分詞
つまり、先ほどの文だと”A sheet of paper is being torn by him.”と言う形になります。なぜ、このような形になるかと言うと進行形は(be動詞+Ving)になり受動態は(be動詞+過去分詞)という形で進行形に受動態を混ぜたらbe動詞+being+過去分詞と言う形になります。
(進行形+受動態)
完了形も同じですね、完了形は(have+過去分詞)で受動態は(be+過去分詞)なので、完了形に無理やり合わせるとhave been 過去分詞と言う形になります。
(完了形+受動態)
by以外の前置詞をとる受動態
そう!よく気がつきました。受動態でby以外の前置詞がくる場合があります。今回は、それをまとめて理解しましょう。
by以外の前置詞を使う受動態の慣用表現はこちら
by以外の慣用表現 | 日本語の意味 | 例文 |
be interested in | ~に興味がある | I am interested in his story. (私は彼の話に興味がある) |
be caught in | (雨や渋滞など)あう | I am caught in the trouble.(私はトラブルにあう) |
be satisfied with | 満足している | They were satisfied with the result. (彼らは、その結果に満足しました) |
be pleased with | 喜ぶ | He was pleased with the present. (彼は、そのプレゼントを喜んだ) |
be filled with | 満たされてる | The cup is filled with water. (コップは水で満たされている。) |
be covered with | 覆われている | The mountain is covered with snow.(山は雪で覆われている) |
be shocked at | ショックを受ける | I was shocked at the news.(私は、そのニュースにショックを受けた) |
be disappointed at | 失望する | They were disappointed at the result.(彼らは、その結果にがっかりした。) |
be surprised at | 驚く | We were surprised at the news. (私達は、その知らせに驚かされた) |
be excited about | 興奮する | I was excited about the movie.(私は、その映画に興奮した。) |
be worried about | 心配する | She is worried about her son. (彼女は、彼女の息子のことを心配している) |
be known to | 〜に知られている | This song is known to all Japanese. (その歌は全ての日本人に知られている) |
be known for | 〜で知られている | British people are known for their love of nature.(イギリス人は自然を愛することで知られている。) |
be known by | 〜によって見分けられている | A tree is known by its fruit. (果実を見れば木の良し悪しが分かる。) |
まとめ
基本編は以上です。どうですか?簡単ですか?全くの初心者でもわかりやすくするために表現をあえてくどい形にもしていますが、きちんと読んでくれれば理解は出来たと思います。
今回は受動態の基本的な考え方を書きました。次回は、受動態の第4、第5文型での使用方法について詳しくみていくつもりです。是非とも読んでください。詳しくは「英語教員の教える最初から学べる英文法【受動態(応用編)】」です。
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