みなさんこんにちは。今回は地層の形成と堆積岩について講義します。地学分野は他の物理や化学と比較して計算問題は少なく、しくみの理解や用語の暗記が試験で点数を得るためのコツとなります。
センター試験においてこのテーマは2015年に出題されており、今後も出題の可能性がありますのでしっかり勉強していきましょう。
今回の分野で押さえておきたいポイント・地層が形成されるしくみ(風化、運搬、侵食、堆積)
・地層の特徴(しゅう曲、断層)
・堆積岩の分類(粒の大きさの分類:泥岩・砂岩・れき岩)(成分の分類:チャート、石灰岩、凝灰岩)
地層の形成と堆積岩の出題の特徴
このテーマでは以下の3点を理解し覚えることがポイントとなります。キーワードを含めしっかりと覚えておきましょう。
地層とは土砂や火山灰が堆積してできたもの
地層とは川から流れてきた土砂や火山灰が堆積(たいせき)してできた「層」です。ここでは地層のでき方と、その特徴について説明します。
地層のでき方
地層は風化、浸食、運搬、堆積といった4つの作用でできます。これらの作用はどのようなものか見ていきましょう。
- 風化:気温の変化や風雨で岩石がもろくなることです。
- 浸食:川の流水の影響で岩石が削られることです。
- 運搬:流水で土砂が下流に運ばれることをいいます。
- 堆積:流水で運ばれた土砂が積もったり、火山灰が積もることをいいます。
地層は、これらの作用で長い年月をかけてできます。
地層の特徴と観察
地層にいろいろな条件の力が加わり、しゅう曲や断層といった特徴が見られます。しゅう曲とは、地層に横方向から力がかかり、波のように曲がることをいいます。
地表プレートが移動しているため、横方向から力がかかります。
断層とは地層に力がかかってずれが生じたところをいいます。
地震の振動で断層ができることがあります。
堆積岩とは土砂が押し固められたもの
堆積岩(たいせきがん)とは土砂が積もりその重みで押し固められたもので、土砂の粒の大きさによって泥岩(でいがん)、砂岩(さがん)、れき岩があります。
泥岩・砂岩・れき岩
泥岩、砂岩、れき岩のもとになる土砂のそれぞれの特徴を見てみましょう。
土砂 | 泥 | 砂 | れき |
粒の大きさ | 0.06mm未満 | 0.06~2mm | 2mm~ |
土砂は川の上流から下流へ、そして河口から海へ運ばれますが、海の底では河口から近く浅いところから遠く深い方に向かうにつれて れき、砂、泥 の順に積もります。
粒の大きいものが下になるんですね。
堆積岩を成分で分類する ~チャート、石灰岩、凝灰岩~
堆積岩は生成のもとになったものによってチャート、石灰岩、凝灰岩に分類でき、それぞれの成分をもちます。
分類 | チャート | 石灰岩 | 凝灰岩 |
成分 | 生物の死骸 放散虫など微生物塩酸をかけても 二酸化炭素は発生しない | 生物の死骸 サンゴやプランクトン薄い塩酸をかけると 二酸化炭素が発生する | 火山灰 マグマが冷えて結晶になった鉱物を含んでいる |
チャートはガラス質を含み、石灰岩はカルシウムを含んでいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回説明したことをまとめますので、しくみや現象をイメージしながら用語を覚えてください。
地層 川から流れてきた土砂や火山灰が堆積してできた層
浸食 川の流水の影響で岩石が削られること
運搬 流水で土砂が下流に運ばれること
堆積 流水で運ばれた土砂が積もったり、火山灰が積もること
断層 地層に力がかかってずれが生じたところ
堆積岩 土砂が積もりその重みで押し固められたもの
粒の大きさによる分類 泥岩 砂岩 れき岩
堆積岩を成分で分類チャート 生物の死骸 塩酸をかけても二酸化炭素は発生しない
石灰岩 生物の死骸 薄い塩酸をかけると二酸化炭素が発生する
凝灰岩 火山灰 マグマが冷えてできた鉱物を含む
以上、地層の形成と堆積岩の講義でした。
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