みなさん、こんにちは。
今回は、経済とは何かという基本的な部分から会社の種類までを解説します。
この記事を読めば、生産財と消費財の判別方法や、合同会社と株式会社の違いを理解できるようになるでしょう。
また、最後には復習に役立つ入試問題も用意しているので、ぜひ最後までお読みください。
この記事からわかること
・経済活動の流れや構成要素
・会社の種類(合同会社・合名会社・合資会社の違いなど)
・株式会社の特徴
経済とは
(フリー素材)
経済とは、財やサービスを生産・分配・消費する活動です。
あぁ…腹減ったなぁ。菓子パンでも買って帰ろっと。
やばい!スマホの料金払わなきゃ…
このように、私たちは、普段の生活でたくさんの財やサービスを消費しています。
じゃあ、財・サービスって何?
財とは、テレビや自動車のような形のある生産物のことです。一方、サービスは代金を払って受け取る無形の経済活動を指します。医療・教育・旅行・レンタル・通信・美容などが代表例です。
(財の種類:オリジナル)
一口に財といってもその種類はさまざまです。
まず、財は、自由財と経済財にわかれます。自由財とは、空気や日光のように、誰もが無償で自由に利用できる財です。経済財は、数量が限られていて、市場でお金を払って買わないと手に入れられない有償の財を指します。
また経済財は、生産財と消費財にわけられます。
生産財は、工場・機械のように企業が生産活動に投入する財です。
消費財は、消費者によって消費される財を指す用語です。
消費財は、自家用車・家電などのような耐久消費財と、食料品などの非耐久消費財に分けられます。
経済活動は、企業・政府・家計という3つの経済主体によって行われています。
(経済循環:オリジナル)
上の図のように、3つの経済主体が相互に取引を行い、経済が回っているというわけです。
企業は、利潤の最大化を目的に生産活動を行っており、家計は、効用(満足感)の最大化を目的に消費活動を行っています。政府は、家計や企業から租税を徴収し、道路や学校などの社会資本(インフラ)や警察・消防といった公共サービスを提供しています。また、経済政策を行い、経済全体の安定を図るのも政府の重要な役割です。
また、家計の消費支出に占める割合をエンゲル係数といいます。低所得層ほど大きく、高所得層ほど小さくなる傾向があります。
会社の種類
(企業の種類:オリジナル)
会社の種類
企業の種類は、大きく3つあります。民間人が経営する私企業・政府と民間が共同で出資する公私混合企業・国や自治体が出資&経営する公企業です。
また、会社企業の形態にも複数の種類があり、合名会社・合資会社・合同会社・株式会社の4つが認められています。
合名会社とは、経営に参加する無限責任社員のみで構成されている会社です。ちなみに、ここでの「社員」は、会社に資金を提供した出資者を指します。
なぜ、「合名」かというと、もともと家族の名前が合わさって結成される団結力が強い団体を指したことに由来します。
合資会社は、無限責任社員と経営に参加しない有限責任社員の両方で構成されている会社です。
2005年に複数あった会社に関する法律が、会社法に統合され、2006年に施行されると、株式会社の設立に必要だった最低資本金が廃止され、資本金1円からでも株式会社を設立できるようになりました。
また、合同会社の新設が可能になります。合同会社とは、有限責任社員のみで構成されている会社です。株式会社よりも設立手続きが簡素で、組織の構成を柔軟に決定できるメリットがあります。
逆に無限責任は、会社の負債全額に対して責任を負うことです。すなわち、自分の財産を使ってでもすべての借金を返済しなければなりません。
株式会社の特徴
株式会社は、有限責任社員のみで構成されている会社です。この点は合同会社と同じですが、株式会社は証券会社を通じて発行される株式により、資本金を集め、設立・運営されています。
株主には有限責任しか負わせず、個人でも気軽に出資できるようにしていることに加え、株式の自由譲渡を認め、いつでも現金化できるようにした点が特徴です。
株式会社には、会社の基本事項を決定する場として株主総会があり、株主は一株一票の原則に従い、持株数に応じて議決権を行使します。
また、株主総会にて選任された取締役で構成される機関が取締役会です。ここでは、経営の具体的な方針を決定するほか、会社を代表して業務を行う代表取締役が選任されます。
株主総会ではほかにも、会社の会計が適正になされているかのチェックを行う監査役が選任されることもおさえておきましょう。
最近では、会社の所有者(株主)と経営者(取締役)が異なる状態(所有と経営の分離)が深刻化し、企業の不祥事も相次いでいます。その対策として、社外取締役を登用し、経営の透明性を確保しようとする企業も出てきました。このように社外の管理者によって経営を監視する仕組みを、コーポレートガバナンスといいます。
また近年では、企業の社会的責任(CSR=Corporate Social Responsibility)が叫ばれており、企業はさまざまな取り組みを行ってきました。
主な取り組みは以下のとおりです。
①メセナ:文化・芸術団体の活動を支援
②フィランソロピー:教育・研究・福祉などへの寄付やボランティア
③コンプライアンス:法令遵守
④ディスクロージャー:企業情報の公開
合同会社と株式会社の違い
合同会社 | 株式会社 | |
意思決定の方法 | 総社員の同意 | 株主総会 |
メリット | 株式会社よりも設立手続きが簡素で、組織の構成を柔軟に決定できる | 株式の発行により、多数の出資者から資金調達できる |
今回の範囲はここまでです。続いて入試問題を用意しているので、ぜひチェックしてみてください。
入試問題にチャレンジ
問 下線部ⓐ(経済主体)に関連して、次の図は、三つの経済主体による国民経済の循環を表している。Xには政府あるいは家計のいずれか一方が、Yには他の一方が入るものとする。図中のA~Cとその内容ア~ウとの組合せとして正しいものを、下の①~⑥のうちから一つ選べ。
ア 賃金、地代、配当、利子
イ 賃金、社会保障給付、サービス
ウ 補助金、財・サービス代金
① Aーア Bーイ Cーウ
② Aーア Bーウ Cーイ
③ Aーイ Bーア Cーウ
④ Aーイ Bーウ Cーア
⑤ Aーウ Bーア Cーイ
⑥ Aーウ Bーイ Cーア
まとめ
今回は経済の大まかな流れと会社の種類について見てまいりました。
この記事を読んで、企業・家計・政府という3つの経済主体が作り出す経済の循環や合名会社・合資会社・合同会社の違い、株式会社の特徴を理解していただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の記事「市場のメカニズム・需給曲線についてわかりやすく解説【経済第2回】」をご覧ください。
政治経済を理解するには「蔭山の共通テスト政治・経済」がおすすめです。政治経済の細かいところまで解説してくれるので、受験生はぜひとも一読をするとよいでしょう。
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