自由民権運動(明治十四年の政変)について問題つき解説【日本史第64回】

今回は自由民権運動が起きたきっかけから、西南戦争・明治十四年の政変まで解説します。

 

最後には語呂合わせや入試問題も用意しているので、ぜひ最後までお読みください。

 

この記事からわかること

・自由民権運動が盛り上がったきっかけ

・明治十四年の政変が起きた流れ

スポンサーリンク
スポンサーリンク

自由民権運動の始まり

(板垣退助:wikiより)

征韓論が大久保利通・木戸孝允らの反対により否決されたため、征韓論を唱えていた西郷隆盛・板垣退助らが一斉に辞職しました。これが明治六年の政変です。ここを境に政府批判の運動が始まりました。

 

まずは1874年に、板垣退助・後藤象二郎らが民撰議院設立の建白書で国会の開設を要求します。政府には無視されたものの、建白書の内容が新聞に掲載され、自由民権運動が盛り上がるきっかけとなりました。

 

また同年に板垣は、土佐に帰って立志社を設立し、翌1875年には全国の有志とともに大阪で愛国社をおこします。

 

一方政府は民権派の参議が次々と下野(辞職)したため、政局運営に困難が生じていました。そこで民権派の参議を呼び戻すために、政府側の大久保利通と台湾出兵に反対して下野していた木戸孝允、板垣退助の三者で大阪会議を開きます。

 

その結果政府側が妥協し、天皇の名のもとで漸次立憲政体樹立の詔を出しました。「漸次」とは「だんだん」の意味で、段階的に憲法のある政治体制にしていくことを宣言した詔書です。あわせて元老院(立法機関)・大審院(のちの最高裁判所)が設置されました。

 

政府側の説得もあり、板垣・木戸はいったん政府へ復帰します。板垣が政府へ復帰したことに伴い、愛国社は事実上の解散状態になりました。

 

こうして政府はできるだけ妥協をしたにもかかわらず、それでも新聞や雑誌で政府を攻撃する民権運動家がいるわけです。そこで讒謗律(政府の悪口を禁止)・新聞紙条例(メディアで政府の悪口NG)を制定して、言論弾圧を行いました。

 

ここまでが1870年代前半、初期の自由民権運動に関する内容です。

西南戦争

(西郷隆盛:wikiより)

1870年代は自由民権運動が盛んになるともに、士族による反乱が勃発した時代でもありました。1874年に江藤新平(佐賀)が政府に対して起こした佐賀の乱もその一つです。

 

1876年には秩禄処分が実施されたうえ、廃刀令により武士の特権が奪われると、武士の不満がさらに爆発し、翌1877年最後にして最大規模の士族反乱が起きます。これが西南戦争です。しかし政府軍に鎮圧され、西郷隆盛は自害に追い込まれました。ここに不平士族による反乱は終わりを告げました。

S先生
S先生
秩禄とは、簡単にいうと年金のようなものです。武士に対して支払われていましたが、秩禄が国家財政の30%を占めており、政府の負担となっていました。そこでまず1873年、希望者に対して秩禄の代わりに一時金を出す秩禄奉還の法を定めました。しかし効果が出なかったため、秩禄処分へとつながったわけです。

国会期成同盟の誕生

(片岡健吉:wikiより)

西南戦争が起きたのと同じ1877年、片岡健吉らは国会開設を求める意見書(立志社建白)を天皇に提出します。

 

こうした流れのなか、1878年に愛国社が復活しました。さらに1880年愛国社から国会期成同盟へ改称すると、国会をいつ作るのかはっきり約束するよう政府に要求します。

 

それに対して政府は集会条例を出して、政社の活動を厳しく制限しました。

明治十四年の政変

(大隈重信:wikiより)

当時大蔵卿だった大隈重信は、議会開設を巡って岩倉具視・伊藤博文と対立していました。

 

そんな中、黒田清隆が、政府が北海道で開発した土地を不当に安い価格で払い下げようとして問題になります。これが開拓使官有物払い下げ事件です。

 

この事件により、民権派による政府攻撃が激化しました。世論の動向を察知した政府は、国会開設の勅諭を発して1890年に国会を開設すると公約するとともに、大隈重信を罷免しました

 

なぜ大隈重信は罷免されたのでしょうか?彼が民権派と結託して政府を攻撃しているとみなされたからです。当初から大隈と対立していた伊藤博文が、開拓使官有物払い下げ事件を利用して大隈を追放したというわけですね。

S先生
S先生
ちなみに黒田清隆が払い下げしようとしていた相手は、同じ薩摩藩出身の五代友厚の会社でした。連続テレビ小説「あさが来た」でディーン・フジオカさんが演じていましたね。

 

今回の範囲はここまでです。続いて語呂合わせ・入試問題を用意しているので、ぜひチェックしてみてください。

語呂合わせ

ここでは今回登場した重要なキーワードにまつわる語呂合わせを紹介しています。年号の暗記にお役立てください。

集会条例:国会開くのいややわ(1880)~

国会開設の勅諭:いややとい(1881)っても国会開設

入試問題にチャレンジ

憲法制定と国会開設を柱に立憲制の樹立を求めた自由民権運動は、1880年に入って急速な盛り上がりをみせる。この年3月に組織された【ア】は、11月、東京で開催した第2回大会において、翌年の大会までに憲法草案を作成して持ち寄ることを決定した。その結果、翌年までに多くの私擬憲法が起草された。

自由民権運動の高揚に対して、政府は、1880年4月に【イ】を定めて弾圧を強化する一方、翌1881年10月には、1890年の国会開設を約した勅諭を発布して、危機を乗り切った。

ついで政府は、1885年、内閣制度を創設し、翌年から憲法の起草に着手した。そうして1889年2月には大日本帝国憲法を発布して、近代国家としての体制を整えた。

空欄【ア】【イ】に入る語句の組合せとして正しいものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

① ア 国会期成同盟 イ 集会条例

② ア 国会期成同盟 イ 保安条例

③ ア 愛国社 イ 集会条例

④ ア 愛国社 イ 保安条例

2008年 センター試験 本試験 日本史B 第5問 問1より)

まとめ

今回は自由民権運動が盛んになった契機から、明治十四年の政変までをみてまいりました。

 

本記事を読んで大まかな流れを把握していただければ幸いです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

前回の記事「明治初期の外交(不平等条約改正など)入試問題つき【日本史第63回】」ですのでよければ読んでください。

明治初期の外交(不平等条約改正など)入試問題つき【日本史第63回】
今回は明治初期の外交について解説します。 同時期の外交における最大の課題は、不平等条約の改正でした。そこで日本がどのようにこの難題に取り組んだのか、また近隣諸国との関係はどうだったのかを中心にわかりやすく説明しています。 最後には語呂合わせ...

 

次回の記事「自由民権運動について解説(後編)(大同団結運動まで)【日本史第65回】

松方財政・大同団結運動について解説【日本史第65回】
今回は、松方正義が行ったデフレ政策から大同団結運動までを解説します。 松方の施策により困窮した農民が、自由党の急進派と結びついて起こした激化事件についても詳しく説明しました。 後半には語呂合わせや入試問題も用意しているので、ぜひ最後までお読...

 

日本史全体像を理解するには「一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書 公立高校教師YouTuberが書いた」がおすすめです。全体の流れが頭に入ってくるおすすめの一冊です。ぜひとも一読をおすすめします。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

にほんブログ村 受験ブログ 大学受験(本人・親)へ
にほんブログ村

コメント

");const o=ie?ie.createHTML(e):e;if(nt===tt)try{t=(new W).parseFromString(o,at)}catch(e){}if(!t||!t.documentElement){t=le.createDocument(nt,"template",null);try{t.documentElement.innerHTML=ot?ae:o}catch(e){}}const i=t.body||t.documentElement;return e&&n&&i.insertBefore(r.createTextNode(n),i.childNodes[0]||null),nt===tt?ue.call(t,Ie?"html":"body")[0]:Ie?t.documentElement:i},bt=function(e){return ce.call(e.ownerDocument||e,e,H.SHOW_ELEMENT|H.SHOW_COMMENT|H.SHOW_TEXT|H.SHOW_PROCESSING_INSTRUCTION|H.SHOW_CDATA_SECTION,null)},St=function(e){return e instanceof B&&("string"!=typeof e.nodeName||"string"!=typeof e.textContent||"function"!=typeof e.removeChild||!(e.attributes instanceof z)||"function"!=typeof e.removeAttribute||"function"!=typeof e.setAttribute||"string"!=typeof e.namespaceURI||"function"!=typeof e.insertBefore||"function"!=typeof e.hasChildNodes)},Rt=function(e){return"function"==typeof b&&e instanceof b},wt=function(e,t,n){pe[e]&&u(pe[e],(e=>{e.call(o,t,n,ut)}))},Ct=function(e){let t=null;if(wt("beforeSanitizeElements",e,null),St(e))return _t(e),!0;const n=st(e.nodeName);if(wt("uponSanitizeElement",e,{tagName:n,allowedTags:Ne}),e.hasChildNodes()&&!Rt(e.firstElementChild)&&_(/<[/\w]/g,e.innerHTML)&&_(/<[/\w]/g,e.textContent))return _t(e),!0;if(e.nodeType===J)return _t(e),!0;if(Me&&e.nodeType===Q&&_(/<[/\w]/g,e.data))return _t(e),!0;if(!Ne[n]||Ce[n]){if(!Ce[n]&&Dt(n)){if(we.tagNameCheck instanceof RegExp&&_(we.tagNameCheck,n))return!1;if(we.tagNameCheck instanceof Function&&we.tagNameCheck(n))return!1}if(Ye&&!qe[n]){const t=re(e)||e.parentNode,n=oe(e)||e.childNodes;if(n&&t){for(let o=n.length-1;o>=0;--o){const r=X(n[o],!0);r.__removalCount=(e.__removalCount||0)+1,t.insertBefore(r,$(e))}}}return _t(e),!0}return e instanceof R&&!Et(e)?(_t(e),!0):"noscript"!==n&&"noembed"!==n&&"noframes"!==n||!_(/<\/no(script|embed|frames)/i,e.innerHTML)?(ke&&e.nodeType===Z&&(t=e.textContent,u([fe,de,he],(e=>{t=g(t,e," ")})),e.textContent!==t&&(p(o.removed,{element:e.cloneNode()}),e.textContent=t)),wt("afterSanitizeElements",e,null),!1):(_t(e),!0)},Lt=function(e,t,n){if(Be&&("id"===t||"name"===t)&&(n in r||n in mt))return!1;if(ve&&!Le[t]&&_(ge,t));else if(De&&_(Te,t));else if(!Se[t]||Le[t]){if(!(Dt(e)&&(we.tagNameCheck instanceof RegExp&&_(we.tagNameCheck,e)||we.tagNameCheck instanceof Function&&we.tagNameCheck(e))&&(we.attributeNameCheck instanceof RegExp&&_(we.attributeNameCheck,t)||we.attributeNameCheck instanceof Function&&we.attributeNameCheck(t))||"is"===t&&we.allowCustomizedBuiltInElements&&(we.tagNameCheck instanceof RegExp&&_(we.tagNameCheck,n)||we.tagNameCheck instanceof Function&&we.tagNameCheck(n))))return!1}else if(Ze[t]);else if(_(Ae,g(n,Ee,"")));else if("src"!==t&&"xlink:href"!==t&&"href"!==t||"script"===e||0!==T(n,"data:")||!Ke[e]){if(Oe&&!_(ye,g(n,Ee,"")));else if(n)return!1}return!0},Dt=function(e){return"annotation-xml"!==e&&h(e,_e)},vt=function(e){wt("beforeSanitizeAttributes",e,null);const{attributes:t}=e;if(!t)return;const n={attrName:"",attrValue:"",keepAttr:!0,allowedAttributes:Se};let r=t.length;for(;r--;){const i=t[r],{name:a,namespaceURI:l,value:c}=i,s=st(a);let p="value"===a?c:y(c);if(n.attrName=s,n.attrValue=p,n.keepAttr=!0,n.forceKeepAttr=void 0,wt("uponSanitizeAttribute",e,n),p=n.attrValue,n.forceKeepAttr)continue;if(At(a,e),!n.keepAttr)continue;if(!xe&&_(/\/>/i,p)){At(a,e);continue}if(Me&&_(/((--!?|])>)|<\/(style|title)/i,p)){At(a,e);continue}ke&&u([fe,de,he],(e=>{p=g(p,e," ")}));const f=st(e.nodeName);if(Lt(f,s,p)){if(!We||"id"!==s&&"name"!==s||(At(a,e),p=Ge+p),ie&&"object"==typeof G&&"function"==typeof G.getAttributeType)if(l);else switch(G.getAttributeType(f,s)){case"TrustedHTML":p=ie.createHTML(p);break;case"TrustedScriptURL":p=ie.createScriptURL(p)}try{l?e.setAttributeNS(l,a,p):e.setAttribute(a,p),St(e)?_t(e):m(o.removed)}catch(e){}}}wt("afterSanitizeAttributes",e,null)},Ot=function e(t){let n=null;const o=bt(t);for(wt("beforeSanitizeShadowDOM",t,null);n=o.nextNode();)wt("uponSanitizeShadowNode",n,null),Ct(n)||(n.content instanceof s&&e(n.content),vt(n));wt("afterSanitizeShadowDOM",t,null)};return o.sanitize=function(e){let t=arguments.length>1&&void 0!==arguments[1]?arguments[1]:{},n=null,r=null,i=null,l=null;if(ot=!e,ot&&(e="\x3c!--\x3e"),"string"!=typeof e&&!Rt(e)){if("function"!=typeof e.toString)throw A("toString is not a function");if("string"!=typeof(e=e.toString()))throw A("dirty is not a string, aborting")}if(!o.isSupported)return e;if(Ue||ft(t),o.removed=[],"string"==typeof e&&(je=!1),je){if(e.nodeName){const t=st(e.nodeName);if(!Ne[t]||Ce[t])throw A("root node is forbidden and cannot be sanitized in-place")}}else if(e instanceof b)n=Nt("\x3c!----\x3e"),r=n.ownerDocument.importNode(e,!0),r.nodeType===V&&"BODY"===r.nodeName||"HTML"===r.nodeName?n=r:n.appendChild(r);else{if(!Fe&&!ke&&!Ie&&-1===e.indexOf("<"))return ie&&ze?ie.createHTML(e):e;if(n=Nt(e),!n)return Fe?null:ze?ae:""}n&&Pe&&_t(n.firstChild);const c=bt(je?e:n);for(;i=c.nextNode();)Ct(i)||(i.content instanceof s&&Ot(i.content),vt(i));if(je)return e;if(Fe){if(He)for(l=se.call(n.ownerDocument);n.firstChild;)l.appendChild(n.firstChild);else l=n;return(Se.shadowroot||Se.shadowrootmode)&&(l=me.call(a,l,!0)),l}let m=Ie?n.outerHTML:n.innerHTML;return Ie&&Ne["!doctype"]&&n.ownerDocument&&n.ownerDocument.doctype&&n.ownerDocument.doctype.name&&_(q,n.ownerDocument.doctype.name)&&(m="\n"+m),ke&&u([fe,de,he],(e=>{m=g(m,e," ")})),ie&&ze?ie.createHTML(m):m},o.setConfig=function(){let e=arguments.length>0&&void 0!==arguments[0]?arguments[0]:{};ft(e),Ue=!0},o.clearConfig=function(){ut=null,Ue=!1},o.isValidAttribute=function(e,t,n){ut||ft({});const o=st(e),r=st(t);return Lt(o,r,n)},o.addHook=function(e,t){"function"==typeof t&&(pe[e]=pe[e]||[],p(pe[e],t))},o.removeHook=function(e){if(pe[e])return m(pe[e])},o.removeHooks=function(e){pe[e]&&(pe[e]=[])},o.removeAllHooks=function(){pe={}},o}();return oe}))
タイトルとURLをコピーしました