みなさん、こんにちは。数学ⅡBのコーナーです。今回のテーマは【関数の極値】です。
微分の基礎として習った「極限値」とこれから勉強する「極値」、たしかに似ていますね。
しかし、「極値」と「極限値」はまったく違うものを意味しています。
今回は、「極限値」ではなく、「極値」について勉強します。
いまの時点で「極値」とはなにかわからない人も安心してください。
極値とはなにか、そして極値の求め方について、丁寧に解説していくので、この記事を読み終えたときには、極値の問題が解けるようになっていますよ。
それでは、さっそく始めていきましょう。
・極値の求め方がわかる
・自分で実際に極値を求められる
そもそも極値とは?
いきなりですが、極値についてのまとめを見てみましょう。
関数$y=f(x)$において。
$x=a$の前後で$f(x)$の値が増加から減少となるとき、$f(x)$は$x=a$において極大になるという
そのとき、$y=f(x)$上の点を極大点といい、値$f(a)$を極大値という
$x=a$の前後で$f(x)$の値が減少から増加となるとき、$f(x)$は$x=a$において極小になるという
そのとき、$y=f(x)$上の点を極大点といい、値$f(a)$を極小値という
また、極大値・極小値をあわせて極値という
極値とはなにか、理解できましたか?
グラフで確認しておきましょう。
このグラフにおいては、点Aの前後で値が増加から減少に、点Bの前後で減少から増加になっていますね。
つまり、点Aで極大値をとり、点Bで極小値をとるといえます。
導関数の符号と関数の増減
実は、導関数の符号から、関数の増減を知ることができます。
なにか思い出した人もいるのではないでしょうか?
そうです、微分係数が接線の傾きでしたよね。
これでわかりましたか?
接線の傾きが正であれば、そのとき関数は増加しています。
つまり、導関数の符号と関数の増減について、次のようにまとめられます。
関数$y=f(x)$の値の増減は次のようになる
$f'(x)>0$ならば、その区間で$y=f(x)$は増加する
$f'(x)<0$ならば、その区間で$y=f(x)$は減少する
高次の関数のグラフの概形を把握するときに、導関数の符号と関数の増減の関係を使うので、きちんと覚えておきましょう。
また、$f'(x)=0$のときに極値をとることも押さえておきましょう。
練習問題を解いてみよう
問題
$y=x^{3}+3x^{2}-9x$の極大値、極小値を求めましょう。
解答
$y=x^{3}+3x^{2}-9x$の極大値、極小値を求めましょう。
$y=f(x)$とすると
$f'(x)=3x^{2}+6x-9$
$f'(x)=0$のとき、$y=f(x)$は極値をとる
$f'(x)=3x^{2}+6x-9=0$
$x^{2}+2x-3=0$
$(x+3)(x-1)=0$
$x=-3, 1$
$f(-3)=(-3)^{3}+3\times (-3)^{2}-9\times (-3)$
$=-27+27+27=27$
$f(1)=1^{3}+3\times 1^{2}-9\times 1$
$=1+3-9=-5$
$f(-3)>f(1)$なので
$y=x^{3}+3x^{2}-9x$は$x=-3$のとき極大値27、$x=1$のとき極小値-5をとる…(答)
今回のまとめ
今回は、極値について勉強してきました。
どうして微分の単元なのに接線の方程式の求め方を勉強するの?と疑問に思っていた人は、今日ですっきりしたのではないでしょうか??
バラバラだった知識がつながると楽しくなってきますね。
微分の勉強も残すところあと少しです。
今回もおつかれさまでした。
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