みなさん、こんにちは。数学ⅡBのコーナーです。今回のテーマは【円の方程式】です。
これまで直線の方程式、放物線の方程式のついて勉強してきましたね。
では、円はどのような方程式で表されるのでしょうか?
今回はこんな疑問にお答えします。
今回勉強する【円の方程式】は、このあと勉強する「接線の公式」や「2つの円の位置関係」の基礎となるものです。
丁寧に解説していきますので、しっかりと理解しておきましょう。
それでは、さっそく始めていきましょう。
・円の方程式の求め方がわかる
・自分で実際に円の方程式が求められる
中心が原点の円の方程式
まずは、中心が原点、半径rの円を考えてみましょう。
この円周上の点P(x, y)について必ず成り立つ式が、この円の方程式です。
では、円周上の点に共通することとはなんでしょうか?
答えは…
「中心(原点)からの距離」です。
このことを踏まえて方程式をたててみましょう。
中心(原点)をOとすると、OPはどのようにして求められるでしょうか?
この図を見てピンとくる人も多いでしょう。
「三平方の定理」を使うと、OPの大きさを求めることができますね。
実際に△OQPにおいて三平方の定理を使うと、
$OQ^{2}+PQ^{2}=OP^{2}$
すなわち、$x^{2}+y^{2}=r^{2}$
$x^{2}+y^{2}=r^{2}$
中心が原点でない円の方程式
続いて、中心が原点でない円の方程式について勉強していきましょう。
中心が原点でなくなったとしても、やることは何も変わりません。
先ほどと同様に△OQPにおいて三平方の定理を使います。
$OQ=x-a$, $PQ=y-b$なので、
$OQ^{2}+PQ^{2}=OP^{2}$は
$(x-a)^{2}+(y-b)^{2}=r^{2}$と置き換えられます。
$(x-a)^{2}+(y-b)^{2}=r^{2}$
この式からわかるように、円の方程式は円の中心と半径がわかれば求めることができます。
また、$(x-a)^{2}+(y-b)^{2}=r^{2}$という形に変形できる式を図示すると円になるということもできます。
練習問題を解いてみよう
問題
①中心が(3,7)、半径が$\sqrt{5}$の円の方程式を求めよう。
②中心が(3,2)で、点(7,5)を通る円の方程式を求めよう。
③中心が(-1,2)で、点(2,6)を通る円の方程式を求めよう。
解答
①中心が(3,7)、半径が$\sqrt{5}$の円の方程式を求めよう。
$(x-a)^{2}+(y-b)^{2}=r^{2}$にそれぞれの値を代入して、
$(x-3)^{2}+(y-7)^{2}=(\sqrt{5})^{2}$
整理すると、
$(x-3)^{2}+(y-7)^{2}=5$…(答)
②中心が(3,2)で、点(7,5)を通る円の方程式を求めよう。
円の方程式は、円の中心と半径(の2乗)がわかれば求められましたね。
中心はわかっているので、半径の2乗を求めましょう。
$r^{2}=(7-3)^{2}+(5-2)^{2}=16+9=25$
$(x-a)^{2}+(y-b)^{2}=r^{2}$にそれぞれの値を代入して、
$(x-3)^{2}+(y-2)^{2}=25$…(答)
③中心が(-1,2)で、点(2,6)を通る円の方程式を求めよう。
②と同様の手順で解きます。
$r^{2}=(2+1)^{2}+(6-2)^{2}=9+16=25$
$(x-a)^{2}+(y-b)^{2}=r^{2}$にそれぞれの値を代入して、
$(x+1)^{2}+(y-2)^{2}=25$…(答)
今回のまとめ
今回は、円の方程式について解説しました。
一見むずかしそうな円の方程式も、三平方の定理を使うとかんたんに求めることができましたね。はじめに述べたように、円の方程式はこれから勉強する図形の問題を解くにあたって必要不可欠なものです。
繰り返し練習問題を解いて、応用問題に対応できるようにしておきましょう。
今回もおつかれさまでした。
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