みなさんこんにちは。地学における宇宙の分野は、太陽系、恒星、銀河系と宇宙に大きく分類されます。今回は、銀河系と宇宙の分野に関して解説します。
銀河系と宇宙の分野はセンター入試でも頻出の分野でして、近年は毎年出題されていました。また、地学の新教育課程では、宇宙に関する分野は必修となりました。その結果、2021年に行われる大学入学共通テストの範囲も同じになり、選択問題で済んだ範囲が必答問題になるため、負担が増えることになりました。
そこで、宇宙分野について入試での出題の特徴や対策を解説するとともに、星団や宇宙の姿についてハッブルの法則など簡単に解説していきます。
宇宙と銀河分野の出題の特徴
恒星に関して押さえておきたいポイントは以下の4つです。
・銀河系の構造と名称
・銀河の形状、種類
・宇宙の姿や形状、宇宙の誕生
・宇宙膨張論
天体の名称や構造に関する暗記要素が多いのが特徴で、宇宙の誕生や宇宙膨張論に関しては、二次試験で記述、計算が出やすい箇所になります。
図表を普段から見ることが大切な分野で、代表的な天体は写真やネットで見ておくとかなり暗記の手助けになる分野です。
銀河系と銀河・星団の種類とは?
銀河は、宇宙の中で、特に星(恒星や惑星全て)や星間ガス含めたものが密集している天体です。この中で、私達太陽系がある銀河を天の川銀河と呼ばれており、形状はどら焼きのような形をしています。こんな形ですね。
天の川銀河は、中心から五万光年の半径を持っています。天の川銀河を取り囲むような球状星団が多く存在する領域、ハローが存在します。ハローは天の川銀河から半径7万5千光年という半径があり、球の様にすっぽりと天の川銀河を取り囲んでいます。この天の川銀河とハロー全体を銀河系といいます。
銀河の中心部をバルジといい、ハローに存在する球状星団と同じ老齢の星が多く存在しています。一方、銀河の中心から離れている円盤部(ディスク)の箇所はガスが多く集うため、若い星が多いのが特徴です。
地球から見える、星が密集した天体を星団といいます。先程紹介した球状星団は星が密集して円状に見える星団で、星の数が数万個〜数百万個集まっている天体です。老年齢の星が集まった星団です。バルジやハローに存在している星団です。
対して、散開星団と呼ばれる星の数を数えることができ、明るい星団を指します。星の数は、数十個〜数百ほどしかなく、青白い若い星で形成されています。若い星が多い円盤部(ディスク)に分布しています。
銀河の形状も、楕円銀河、レンズ銀河、不規則銀河、棒渦巻銀河、渦巻銀河が代表的な分類です。不規則銀河以外は中心部分が老齢の星が多く、楕円銀河やレンズ状銀河はほぼ全て老齢の星になります。
宇宙の姿と宇宙論
宇宙は均一ではありません。天体があるところとないところがあります。そのため、銀河も密集している箇所とそうでない箇所があります。数十個銀河が集まったものを銀河群と呼び、大きな宇宙はその銀河群がいくつも存在しています。宇宙の大規模構造は、泡構造(バブル構造)と呼ばれています。
大きな宇宙を断面に切った時、地球から見て多くの天体が観測できる、3億光年までの箇所をグレートウォール(超密集)と呼びます、天体があまり存在しない場所をボイド(空洞)とよび、銀河が多く存在している場所を密集ゾーンと呼びます。
現在の宇宙論の根本になっている、膨張する宇宙モデルの立証するきっかけになったのは天文学者ハッブルです。
波動を発している対象が、測定者への距離が変動することによって変化するドップラー効果によってより遠くの天体ほど波長が赤色にシフト(赤方遍移)することを発見しました。これをハッブルの法則といいます。
ハッブルの法則は現在の宇宙の膨張速度を決めるそうです
この発見により、宇宙は常に膨張しているため、地球からは測定できない範囲と測定できる範囲の境界を宇宙の地平線と呼びます。また、この膨張の事実から逆算すると、一つの点から現在の宇宙ができたという説がビックバン理論で、138億年前に一点の火の玉が巨大な爆発に寄って膨張し、冷えた状態が現代の宇宙と考えられています。
今回は以上です。お疲れ様でした。前回は恒星についてのお話「【地学】受験に役立つ地学(恒星について)」はこちら
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