マグマと火山の構造と火成岩について(火山岩と深成岩の種類も図とともに解説)【地学】

みなさんこんにちは。今回はマグマと火山、火成岩についての講義です。火成岩とは火山岩と深成岩からなるのですが、普段の生活ではなかなか聞き慣れない言葉も多いかもしれません。

 

S先生
S先生

いきなりですが、火山岩、深成岩の違いとかわかりますか。

たかし君
たかし君

いやそもそも火山岩、深成岩という言葉すら知らないですよ。

地学では用語の定義などの意味がわかっていないと問題すら解けません。今回の「マグマ」みたいな用語はともかく今出てきた火山岩、深成岩など馴染みない用語も今回の記事で解説しているのでしっかりと理解していきましょう。

 

2016年実施のセンター試験では火山災害が出題され、2017年には自然と環境に関する問題が全体の3分の1を占める出題となりました。つまり、今回のテーマ「マグマと火山、火成岩」については今後も出題可能性の高い分野と言えます。

 

火山岩、深成岩などの語句を丸暗記するだけでなく、図の意味を理解することも重要になりますので、しっかり学習しておきましょう。

 

この記事を読んでわかること・マグマと火山について構造がわかる。

・火成岩についてわかる

・火山岩と深成岩についてわかる

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マグマと火山

地下のマグマが地上や水中に噴出することを噴火といいます。噴火によってできた地形を火山といいます。地球の内部は高温で、その熱でドロドロに溶けた岩石をマグマといいます。マグマだまりにマグマが溜まりすぎ、圧力が高まると火道を通り噴火口から噴出します。

 

活動度

  • 活火山      過去1万年以内に噴火したことがある火山をいいます。
  • それ以外の火山  過去1万年以内に噴火していない火山をいいます。

 

以前は「休火山」や「死火山」という言われ方もありましたが、突然噴火したこともあり、これらの言い方は使われなくなりました

 

S先生
S先生

私が学生の頃は「死火山」という言葉が使われていました。

たかしくん
たかしくん

年齢ばれますよ。

S先生
S先生

ぐはっ。

噴火による被害

噴火によって、どのような被害が生じるのか、噴火によって生じる被害の現象について以下述べていきます。用語は基本となるのでしっかりと理解し暗記してください。

火山灰

火山灰とは、火山の噴出物(火山砕屑物)の一つで、主にマグマが発泡してできる細かい破片で直径2ミリメートル以下の砂や灰を指します。

 

木や紙を燃やしてできる灰とは成分も性質も異なり、人間の呼吸に悪影響を与えたり、農作物や洗濯物を汚染するなどの被害があります。

土石流

土石流とは、土砂が水と混合して流下する現象のことを指します。火山では噴火によって崩れた斜面に雨が降り、岩や土砂を含んだ水が流れて生活地域の建物を壊すなどの被害をもたらします。

火砕流

ガスを含む高温の火山灰で、最も生活圏への被害が大きいものです。斜面を流れる速度は時速100キロを超え、広範囲にわたって広がります。高温と有毒ガスで人が亡くなったり、建物を壊します。

溶岩流

1000℃以上の高温の溶岩(マグマ)の流れを溶岩流といいます。流れる速度は遅く、草や木を燃やしたり、川や沼などに流れ込むと水蒸気爆発を起こします。

噴火の時期

(富士山の観測所)

火山を観測することで、噴火を知ることができます。小さな地震が起きたり、マグマが噴出しようとすると地面が盛り上がったするのを観測し、噴火を予測することで避難を促し、人的被害を防ぎます。

火成岩とは ~マグマが冷えて固まった岩石~

火山が噴火すると、溶岩が固まって火成岩(かせいがん)が生成されます。その火成岩には火山岩(かざんがん)と深成岩(しんせいがん)があります。

火成岩は火山岩と深成岩に分けられる

S先生
S先生

冒頭での話ですが、マグマが冷えて固まった岩石を火成岩といいます。火山岩、深成岩ともに火成岩のことです。

たかしくん
たかしくん

では、火山岩、深成岩…いったいどう違うんでしょうか?

火山岩と深成岩の違いは、できる場所とできる過程の違いです。詳しく見ていきましょう。

火山岩

火山岩とは、地表に出てきたマグマが急に冷えて固まった火成岩です。

火山岩のつくり

火山岩を拡大してみると、大きな粒状の鉱石形が決まっていない鉱物の部分があります。この大きな粒状の鉱石を斑晶(はんしょう)といい、形が決まっていない鉱物の部分を石基(せっき)といいます。また、斑晶と石基で構成されるつくりを斑状組織(はんじょうそしき)といいます。

火山岩の種類

火山岩の種類としては主に、玄武岩、安山岩、流紋岩があります。簡単に玄武岩、安山岩、流紋岩について解説を加えていきます。

 

玄武岩とは火山活動により,それが地表付近で急に冷えて固まってできる岩で全体的に暗色の岩です。斑状組織で石英を含まないのも特徴です。

(玄武岩:wikiより)

安山岩とは斜長石、輝石、角せん石、黒雲母などを含む岩です。暗灰色で板状・柱状の割れ目があり硬く、耐久力が強い石です。土木・建築石材や墓石に用いられています。

(安山岩)

流紋岩は、マグマの流動時に形成される斑晶の配列などによる流れ模様(流理構造)がしばしば見られることに起因します。石英、長石類、黒雲母が含まれています。

(流紋岩:wikiより)

深成岩

深成岩とは、マグマが地表に出ずに地下でゆっくり冷えて固まった火成岩です。

深成岩のつくり

深成岩を拡大してみると、同じくらいの大きさの鉱物の粒が集まってできているのがわかります。このつくりを等粒状組織(とうりゅうじょうそしき)といいます。

深成岩の種類

深成岩は主には斑れい岩、閃緑岩、花こう岩があります。

斑れい岩は、深成岩の一種で 火山岩の玄武岩が地表でゆっくりと固まったもの。

(斑れい岩:wikiより)

閃緑岩とは無色鉱物が斜長石で、輝石、角閃石などの有色鉱物を比較的多く含むものを指します。火山岩の安山岩に対応します。

(閃緑岩)

花こう岩とは火成岩の一種で流紋岩に対応する成分の深成岩です。石材としては御影石(みかげいし)とも呼ばれます。

(花崗岩:wikiより)

火山岩、深成岩の違いのまとめ

いかがだったでしょうか?火山岩、深成岩の違いについて少しはイメージできたでしょうか?以下、簡単に火山岩、深成岩の違いについて表にしてみました。火山岩、深成岩の違いについてきちんと覚えておきましょう。

火成岩の名前でき方組織種類
火山岩マグマが急に冷えて固まる斑状組織玄武岩、安山岩、流紋岩
深成岩マグマが地下でゆっくり冷えて固まる等粒状組織斑れい岩、閃緑岩、花こう岩

 

マグマと火山、火成岩のまとめ

いかがだったでしょうか?今回述べた内容をもう一度まとめてみます。しっかりと暗記してください。わからなければもう一度上の解説を読みましょう。

 

用語の確認噴火:地下のマグマが地上や水中に噴出することを噴火という

火山:噴火によってできた地形を火山という

マグマ:熱でドロドロに溶けた岩石マグマという

噴火の被害 火山灰 土石流 火砕流 溶岩流

噴火の時期 小さな地震地面の隆起(盛り上がり)で噴火を予測する

火山岩と深成岩は火成岩に含まれる

  • 火山岩とは、地表に出てきたマグマが急に冷えて固まった火成岩、斑晶石基で構成される斑状組織
  • 深成岩とは、マグマが地表に出ずに地下でゆっくり冷えて固まった火成岩、同じくらいの鉱物の粒でできている等粒状組織

 

以上、マグマと火山、火成岩についての講義でした。しっかりと理解して暗記しましょう。ちなみに鉱物については「【地学】受験に役立つ地学(鉱物について)」に詳しいのでまだ読んでいない人は是非とも読んでください。

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