自然界では、色々な生物がいます。
生物は環境と関係を持ちながら、生態系を作っています。
この記事では、生態系の成り立ちや生態系における生物の繋がりを解説します。
この記事の最後には、入試問題がついてきます。
是非最後まで読んで、理解したかを入試問題で確認してみてください。
生態系とは
ある空間で生活する全ての生物を、生物群衆といいます。
また生物を取り巻く環境を、非生物的環境といいます。
生物群衆と非生物的環境を合わせて生態系(エコシステム)と呼びます。
生態系には、草原や森林、湖畔、海洋、それから地球と言った大きなものまであります。
生態系の構成要素
生態系は、非生物的環境と生物群集からなります。
非生物的環境は、気候要因(光・温度・大気・水)や、土壌などからなります。
生物群衆を構成する生物の役割は、生産者・消費者・分解者にわけられます。
生産者
水や二酸化炭素などの無機物を取り込んで有機物を合成する生物を、生産者といいます。
光合成を行う植物などです。
消費者
生産者が生産した有機物を、栄養源にする生物を消費者といいます。
消費者のうち、直接植物を食べる植物食性動物を一次消費者といいます。
また、消費者のうち、植物食性動物を食べる動物食性動物を二次消費者といいます。
自然界には、さらに二次消費者を食べる三次消費者、四次消費者などの高次消費者がいます。
分解者
生物が出した死骸や糞尿を分解する生物を分解者といいます。
分解者は、菌類や細菌などです。
環境と生物のはたらきあい
生物が非生物的環境から受ける様々な影響を作用といいます。
生物が生活することによって、非生物的環境に影響を与えることを環境形成作用といいます。
食物連鎖と食物網
生態系を構成する生物には、食うものと食われるものの関係があります。
食う方の生物を捕食者、食われる方の生物を被食者といいます。
この捕食者と被食者の関係は、食う食われるの関係です(被食者ー捕食者相互関係)。
このような食う食われるの関係は、ひとつながりの鎖に例えることができます。
これを食物連鎖といいます。
食物連鎖は、生物全体を見ると網目状に絡み合うようになります。
この関係ような網目状に絡み合う複雑な関係を、食物網といいます。
生態ピラミッド
食うものと食われるものの量を、生産者から積み上げて棒グラフで表したものを生態ピラミッドといいます。
生産者を第一段階として、食物連鎖にそって食べる側を食べられる側の一段階として数えた段階を栄養段階といいます。
生態ピラミッドは栄養段階の順に、棒グラフを積み重ねます。
個体数ピラミッド
各栄養段階に存在する個体数を棒グラフで表して、積み重ねたものを個体数ピラミッドといいます。
生産量ピラミッド
その場所に存在する生物の総量を、生物量(バイオマス)といいます。
各栄養段階の生物量を棒グラフにして表したものを、生物量ピラミッドといいます。
地球温暖化
大気中の水蒸気や二酸化炭素は、地表から放射される赤外線を吸収します。
そして、その一部を地表に再放射して大気の温度を上昇させます。
このような、大気の温度が上昇する効果を、温室効果といいます。
温室効果を引き起こす、大気中の水蒸気・二酸化炭素・メタン・フロンなどは、温室効果ガスといいます。
温室効果ガスによって、地球温暖化が起きると環境が変化してしまいます。
このまま地球温暖化が進むと、環境の変化に適応できなかった生き物が大量絶滅してしまう恐れがあります。
生態系のバランスが壊れてしまうので、地球温暖化は防がないといけません。
入試問題にチャレンジ
【問題】
上の図は、生産者、一次消費者、二次消費者の個体数または生物量を下から積み上げたものである。
これらをまとめて( ア )という。
この図の縦軸は、生産者を出発点とした( イ )段階を表している。
〔語群ア〕
- (a) 生態ピラミッド
- (b) 変異ピラミッド
- (c) 齢構成図
- (d) 生産構造図
- (e) 方形わく
〔語群イ〕
- (a) 栄 養
- (b) 成 長
- (c) 発 達
- (d) 食 物
- (e) 捕 食
- (f) 被 食
栄養段階ごとの量を、棒グラフにして積み上げたものを生態ピラミッドといいます。
(2) 上の図において、生態系で最も一般的に見られる形は5つのうちどれか。図中の(A)~(E)から1つ選び、記号で答えよ。
個体数ピラミッドや生物量ピラミッドでは、栄養段階が上位になるほどグラフが小さくなるのが一般的です。個体数ピラミッドが逆転する例としては、一匹の木にたくさんの虫がいる場合などです。
まとめ
・ 生態系(エコシステム)とは、生物群衆と非生物的環境を合わせたもの。
・ 作用とは、生物が非生物的環境から受ける様々な影響のこと。
・ 環境形成作用とは、生物が生活することによって、非生物的環境に影響を与えること。
・ 個体数ピラミッドとは、各栄養段階に存在する個体数を棒グラフで表して、積み重ねたもの。
・ 生物量ピラミッドとは、各栄養段階の生物量を棒グラフにして表したもの。
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