みなさん、こんにちは。数学ⅡBのコーナーです。今回のテーマは【三次関数のグラフ】です。
今回はとても頼もしいですね。
極大値・極小値を求めることができたら、三次関数のグラフはもう書けるといっても過言ではありません。
(極大値・極小値について不安な方はこちら→極値についてわかりやすく解説【受験に役立つ数学ⅡB】)
どんな問題であっても、グラフの概形をスムーズに書けることは非常に大切です。
今回で三次関数のグラフの書き方をマスターしてしまいましょう。
それでは、さっそく始めていきます。
・三次関数のグラフの書き方がわかる
・自分で実際に三次関数のグラフを書ける
三次関数のグラフは全部で4パターン
見出しのとおり、三次関数のグラフは全部で4パターンあります。
2パターンはすぐに思いつくのではないでしょうか?
この2つですね。
両者の違いは、三次関数\(y=ax^{3}+bx^{2}+cx+d\)における係数aの符号です。
\(0<a\)のとき、左図のように最後に右上がりに、\(a<0\) のとき、右図のように最後に右下がりになります。
では、他の2つはどのような場合でしょうか?これは少しむずかしい質問だったかもしれません。
実は、三次関数が極値を持たない場合です。
「そんなことあるの?」と驚いている人もいるかもしれませんが、極値の求め方を思い出してみてください。
極値をとるのは、xが\(f'(x)=0\)を満たすときでしたね。
つまり、極値が存在するのは\(f'(x)=0\)が2つの異なる実数解を持つとき、逆に\(f'(x)=0\)が2つの異なる実数解を持たない場合には極値が存在しないということです。
極値が存在しない場合のグラフが上図です。
\(0<a\)ならば \(f'(x)\ge 0\)より\(f(x)\)は単調に増加します。
反対に\(a<0\)ならば\(f'(x)\le 0\)より\(f(x)\)は単調に減少します。
練習問題を解いてみよう
問題
次の三次関数のグラフの概形を次の図の中かから選びましょう。
また、極値をもつ場合は、その値を求めましょう。
①\(y=x^{3}-6x^{2}-15x\)
②\(y=-x^{3}-3x^{2}-12x\)
解答
①の解答解説
\(y=x^{3}-6x^{2}-15x\)
\(y=f(x)\)とすると
\(f'(x)=3x^{2}-12x-15\)
\(=3(x^{2}-4x-5)=(x+1)(x-5)\)
\(f'(x)=0\)を解くと、\(x=-1, 5\)
\(x^{3}\)の係数が正なので、グラフの概形はA
極大値は、\(x=-1\)のとき
\(f(-1)=(-1)^{3}-6\times (-1)^{2}-15\times (-1)\)
\(=-1-6+15=8\)
極小値は、\(x=5\)のとき
\(f(5)=5^{3}-6\times 5^{2}-15\times 5\)
\(=125-150-75=-100\)
以上より、概形はA。
極大値は\(x=-1\)のとき8、極小値は\(x=5\)のとき-100…(答)
②\(y=-x^{3}-3x^{2}-12x\)
\(y=f(x)\)とすると
\(f'(x)=-3x^{2}-6x-12\)
\(=-3(x^{2}+2x+4)\)$$
\(x^{2}+2x+4=0\)の判別式をDとすると
\(D=4-16<0\)なので\(f'(x)=0\)は実数解をもたない
極値を持たず、\(x^{3}\)の係数が負なので、三次関数$y=-x^{3}-3x^{2}-12x$のグラフは単調に減少する
以上より、概形はD…(答)
今回のまとめ
今回は、三次関数のグラフの書き方について解説してきました。
繰り返しになりますが、とくに関数や図形の問題では、グラフの概形を書くことが必要不可欠です。
グラフの大まかな形と極値はぱっとわかるようにしておきましょう。
今回もおつかれさまでした。
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