みなさん、こんにちは。数学ⅡBのコーナーです。今回のテーマは【高次不等式】です。
大正解です!
高次不等式は、式を見るととても難しそうですが、グラフを使うとかんたんに解くことができます。今回は、グラフを使って、高次不等式の解き方をわかりやすく解説していきます。
まずは、高次不等式って何?という基本からおさらいしていくので安心してください。
それでは、さっそく始めていきましょう。
・高次不等式の解き方がわかる
・自分で実際に高次不等式を解ける
そもそも高次不等式とは?
そもそも高次不等式とは、「次数が3以上の不等式のこと」です。
これまで習ってきた$x^{2}-4x+3\lt 0$は二次不等式でしたね。今回勉強する高次不等式とは、$x^{3}+3x^{2}+2x-9\lt 0$のような三次不等式や$5x^{4}-9x+3\ge 0$のような四次不等式などです。
さて、高次不等式とは何かがわかったところで、三次関数のグラフの概形をおさらいしておきましょう。
三次関数のグラフの概形のおさらい
疑問はごもっともですが言っていたことを思い出してみてください。
「高次不等式にはグラフを使おう」でしたね。
というわけで、高次不等式の解き方の前に、三次関数のグラフの概形のおさらいをしましょう。
まずは、$x^{3}$の係数が正のとき。
グラフは下のような形になります。
一方、$x^{3}$の係数が負のとき。
グラフは下のように、最後が右下がりになります。
三次関数のグラフのこと、思い出せましたか?
それでは本題、高次不等式の解き方を勉強していきましょう。
例題で高次不等式の解き方を確認しよう
$x^{3}-2x^{2}-x+2\le 0$を解こう。
①まずは左辺を因数分解してみましょう。
$f\left(x\right)=x^{3}-2x^{2}-x+2$とおくと、
$f\left(1\right)=1-2-1+2=0$なので、因数定理よりf(x)はx-1で割り切れる。
よって、与式は
$\left(x-1\right)\left(x^{2}-x-2\right)=\left(x-1\right)\left(x-2\right)\left(x+1\right)\le 0$
と表せる。
②y=f(x)のグラフとx軸の交点を求めましょう。
x軸はy=0なので、求めるのは$\left(x-1\right)\left(x-2\right)\left(x+1\right)=0$の解。
よって、x=-1, 1, 2
③グラフの概形から答えを導きましょう。
先ほどおさらいしたとおり、$x^{3}$の係数が正のときのグラフは上のような形になります。
このグラフにおいて、yの値が$y\le 0$となるのは、$x\le -1$, $1\le x\le 2$のときです。
よって、答えは$x\le -1$, $1\le x\le 2$となります。
実際に高次不等式を解いてみよう
さぁ、いよいよ自分で高次不等式を解いてみましょう。
「グラフを書く」ことを忘れずに!
問題
①$-2x^{3}-2x^{2}+8x+8\ge 0$を解こう。
②$x^{3}-3x+2\lt 0$を解こう。
解答
-2でくくれるので、$f\left(x\right)=-2\left(x^{3}+x^{2}-4x-4\right)$と整理できる。 $f(-1)=-2\left(-1+1+4-4\right)=0$なので、因数定理よりf(x)はx+1で割り切れる。
よって、$f\left(x\right)=-2\left(x+1\right)\left(x^{2}-4\right)=\left(x+1\right)\left(x+2\right)\left(x-2\right)$
②y=f(x)のグラフとx軸の交点を求める f(x)=0を解くと、x=-2, -1, 2
③グラフの概形から答えを導く
グラフにおいて、$y\ge 0$となるのは、$x\le-2$, $-1\le x\le 2$…(答)
f(1)=1-3+2=0なので、因数定理よりf(x)はx-1で割り切れる。
よって、$f(x)=\left(x-1\right)\left(x^{2}+x-2\right)=\left(x-1\right)\left(x-1\right)\left(x+2\right)=\left(x-1\right)^{2}\left(x+2\right)$
②y=f(x)のグラフとx軸の交点を求める f(x)=0を解くと、x=-2, 1(1は重解)
③グラフの概形から答えを導く
グラフにおいて、$y\lt 0$となるのは、$x\lt -2$…(答)
今回のまとめ
今回は、高次不等式の解き方を解説しました。
グラフの概形さえわかっていれば、かんたんに解くことができると実感してもらえたでしょう。
高次不等式をはやく解くためには、高次方程式をはやく解けることが重要です。高次方程式もあわせて復習しておきましょう。
今回もおつかれさまでした。
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