みなさん、こんにちは。数学ⅡBのコーナーです。今回のテーマは【複素数】です。
これまで$x^{2}=-1$は解なしとならってきたでしょう。
しかし、高校数学では$x^{2}=-1$を解くことができます。
そのときに使うのが「複素数」です。
複素数ははじめて扱うものなので、まずはそもそも複素数とは何なのか、複素数の計算はどうすればいいのかという基本から確認していきましょう。
それでは、さっそく複素数についての解説を始めていきます。
・複素数の計算の解き方がわかる
・自分で実際に複素数の計算を解ける
そもそも複素数とは?
そもそも複素数とは、2つの実数a,bと虚数単位$i=\sqrt{-1}$を用いて、$a+bi$と表すことのできる数のことです。
このとき、aを実部、bを虚部といいます。
bが0のとき$a+bi$は実数、0でないとき$a+bi$は虚数となります。
複素数$a+bi$という数を考えることで、実数も虚数も一体的に扱うことができます。
複素数の計算のやり方
複素数の計算のときは、次の3つのポイントを押さえておきましょう。
①$\sqrt{-a}$は直ちに$\sqrt{a} i$とする
このルールを忘れていると、$\left(\sqrt{-2}\right)^{2}=\sqrt{-2}\sqrt{-2}=\sqrt{\left(-2\right)\left(-2\right)} =-\sqrt{4}=2$
というミスをしてしまいます。
正しくは、$\left(\sqrt{-2}\right)^{2}=\left(\sqrt{2}i\right)^{2}=2\times i^{2}=-2$です。
②虚数単位$i$は文字と同じように扱う
$a+a=2a$のように、$i+i=2i$と計算します。
ただし、$i^{2}=-1$とすることを忘れないように気を付けましょう。
③分母に$i$があるときは、分母を実数にする
$\frac{1}{\sqrt{-2}}$のように、分母が虚数のときは分母分子ともに共役な複素数をかけることで、分母を実数にしましょう。
共役な複素数とは、$a+bi$に対して$a-bi$のように、虚部の符号のみを変えたもののことです。
$\frac{1}{\sqrt{-2}}$の場合、分母が$\sqrt{-2}=\sqrt{2} i$なので$-\sqrt{2} i$をかけましょう。
$\frac{1}{\sqrt{-2}}=\frac{1}{\sqrt{2} i}=\frac{-\sqrt{2} i}{\sqrt{2} i\times \left(-\sqrt{2} i\right)}$
$=\frac{-\sqrt{2} i}{2\left(-1\right)\left(-1\right)}=\frac{-\sqrt{2} i}{2}$
このようにすると、分母を実数にすることができます。
練習問題を解いてみよう
問題
①$\sqrt{-5}$
②$\left(2+3i\right)^{2}$
③$i+i^{2}+i^{3}+i^{4}+i^{5}$
解答
$=2^{2}+2\times 2\times 3i+3^{2}i^{2}$
$=4+12i+9\times\left(-1\right)=-5+12i$
$i^{2}$から$i^{5}$の値をそれぞれ考えていきましょう。
定義より、$i^{2}=-1$
$i^{3}=i^{2}\times i$なので$i^{3}=-1\times i=-i$
同様に$i^{4}=i^{3}\times i=-i\times i=-i^{2}=-\left(-1\right)=1$
同様に$i^{5}=i^{4}\times i=1\times i=i$
以上より、
$i+i^{2}+i^{3}+i^{4}+i^{5}=i-1-i+1+i=i$
今回のまとめ
今回は、複素数について解説してきました。
複素数は、はじめて扱うもので、まだまだ慣れていない人もいるでしょう。
文字の計算もそうであったように、はじめは難しくても練習問題を繰り返すことで、他の計算と同じスピードで解けるようになります。
練習問題をたくさん解いて、複素数に慣れていきましょう。「複素数と複素数平面 (数学のかんどころ)」がおすすめです。
今回もおつかれさまでした。
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