みなさん、こんにちは。数学ⅡBのコーナーです。今回のテーマは【円と直線の位置関係】です。
図形の問題を解くにあたって、図を書く人がほとんどでしょう。
その際、それぞれの図形の位置関係を把握することが必要になります。
そこで、今回はこんな疑問にお答えします。
今回あつかうのは、図形の位置関係のなかでも【円と直線の位置関係】です。
円と直線の位置関係の求め方を2通り勉強し、その後練習問題を解くことで理解を定着させましょう。
それでは、さっそく始めていきましょう。
・円と直線の位置関係の求め方がわかる
・自分で実際に円と直線の位置関係が求められる
円と直線の位置関係の求め方
まず円と直線の位置関係の求め方について解説していきます。
さて、円と直線の位置関係には、いくつのパターンがあるでしょうか?
正解は… 3つです。
図を見てみましょう。
これらの位置関係はそれぞれ次のように表すことができます。
A:円と直線が交わらない
B:円と直線が1点で交わる(接する)
C:円と直線が異なる2点で交わる
円と直線の位置関係のパターンがわかったところで、この位置関係をどのようにして見極めるかについて解説していきます。
円と直線の位置関係の求め方① 円と直線の距離を使う方法
円と直線の位置関係を見極める方法、1つ目は「円と直線の距離」を使うものです。
例えば、円と直線の位置関係がAである場合、「円と直線の距離」は半径よりも大きくなります。
同様に考えていくと、次のようにまとめることができます。
半径rの円と直線ℓの距離をdとすると
d>rのとき 円と直線が交わらない
d=rのとき 円と直線が1点で交わる(接する)
d<rのとき 円と直線が異なる2点で交わる
円と直線の位置関係の求め方② 判別式を使う方法
円と直線の位置関係を見極める方法、1つ目は「判別式」を使うものです。
二次方程式の判別式から、その方程式の実数解が求めることができましたね。
ここでは、どのような方程式をたてればよいでしょうか?
円:$x^{2}+y^{2}=9$、直線:$2x+y=1$を例に考えてみましょう。
求めるべきは、円と直線の交点の個数です。
つまり、$x^{2}+y^{2}=9$…①、$2x+y=1$…②の連立方程式の解の個数がわかればよいことになります。
②を①に代入すると、
$x^{2}+(-2x+1)^{2}=9$というxについての2次方程式になります。
この形にすると、判別式を使うことができますね。
今回は、判別式$D=b^{2}-4ac=176>0$なので、
円と直線は異なる2点で交わることがわかります。
同様に考えていくと、次のようにまとめることができます。
判別式をDとすると
D<0のとき 円と直線が交わらない
D=0のとき 円と直線が1点で交わる(接する)
D>0のとき 円と直線が異なる2点で交わる
練習問題を解いてみよう
問題
①円:$x^{2}+y^{2}=5$と直線:$x-y+1=0$の位置関係を求めよう。
②円:$x^{2}+y^{2}=1$と直線:$2x+y-4=0$の位置関係を求めよう。
解答
①円:$x^{2}+y^{2}=5$と直線;$x-y+1=0$の位置関係を求めよう。
[円と直線の距離を使う方法]
円と直線の距離をdとすると、
$d=\frac{|1|}{\sqrt{1^{2}+1^{2}}}=\frac{1}{\sqrt{2}}$
$d^{2}=\frac{1}{2}$, $r^{2}=5$
$d^{2}<r^{2}$, d>0, r>0より、2乗しても大小関係は変わらないため、
d<r
したがって、異なる2点で交わる…(答)
②円:$x^{2}+y^{2}=1$と直線:$2x+y-4=0$の位置関係を求めよう。
[判別式を使う方法]
$x^{2}+y^{2}=1$に$2x+y-4=0$を代入すると、
$x^{2}+(-2x+4)^{2}=1$
整理すると、
$5x^{2}-16x+15=0$
判別式をDとすると、
$\frac{D}{4}=64-75<0$
よって、円と直線は交わらない…(答)
今回のまとめ
今回は、円と直線の位置関係について解説しました。
円と直線の距離を使う方法、判別式を使う方法の2通りを紹介しましたが、どちらのほうがやりやすかったでしょうか。
問題によって解きやすさは変わるかもしれませんが、自分のやりやすい方法で解くのが良いでしょう。
また、円と直線の距離や判別式について不安が残る人は、いまのうちにしっかりと復習しておきましょう。
今回もおつかれさまでした。
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