みなさん、こんにちは。数学ⅠAのコーナーです。今回のテーマは【ド・モルガンの法則】です。
集合の問題を解くのに時間がかかるという悩みを抱えている人も多いでしょう。ド・モルガンの法則を使えるようになると、集合の問題をかんたんに解くことができます。
そこで今回は、ド・モルガンの法則について解説します。また、インプットだけでは身につかないのでド・モルガンの法則にちなんだ実践問題も用意したので、実際に解いてみてこれにを機に、ド・モルガンの法則を習得しましょう。
・ド・モルガンの法則の使い方がわかる
・自分で実際にド・モルガンの法則を使える
ド・モルガンの法則とは?
ド・モルガンの法則は、集合に関する法則であり、次の式で表されます。
$$\overline{A \cup B}=\overline{A}\cap\overline{B}$$
$$\overline{A \cap B}=\overline{A}\cup\overline{B}$$ド・モルガンの法則をベン図で証明
ド・モルガンの法則をベン図を用いて証明していきましょう。
まず、$\overline{A \cup B}=\overline{A}\cap\overline{B}$の右辺を見ていきましょう。
$\overline{A}$は上の図の青色の部分、$\overline{B}$は下の図のオレンジ色の部分です。
これを重ね合わせると、$\overline{A}$かつ$\overline{B}$は次の図の黄色の部分だと分かります。
ここで、左辺を見てみましょう。
左辺は、$\overline{A \cup B}$でしたね。これは図の黄色の部分と一致しています。
このことから、$\overline{A \cup B}=\overline{A}\cap\overline{B}$が成り立つといえます。
ベン図によるメリット
ベン図を書けば、ぱっと一目で答えが分かります。
集合の問題で困ったときは、ベン図を書いてみるのが一番!頭で考えても分からなかったことが、図にすることで理解しやすくなりますよ。
ベン図によるデメリット
理解を助けてくれるベン図ですが、いつでも使えるというわけではありません。
「ベン図が使えるのは集合が3つ以下のとき」と覚えておきましょう。
ド・モルガンの法則を真理値表で証明
次は、ド・モルガンの法則を真理値表を使って証明しましょう。
真理値表とは、ある要素が集合Aに属しているかどうか、集合Bに属しているか、…によって場合分けするものです。
A | B | $\overline{A \cup B}$ |
〇 | 〇 | × |
〇 | × | × |
× | 〇 | × |
× | × | 〇 |
このようにありうる全ての場合を真理値表で確かめることで、$\overline{A \cup B}=\overline{A}\cap\overline{B}$の証明ができます。
真理値表によるメリット
論理式は数学的に厳密であり、どんな等式にも対応できるのが強みです。
ベン図では対応できないときには、真理値表が書けるように、練習しておくのがいいでしょう。
真理値表によるデメリット
もちろんベン図が使えるときはベン図のほうがかんたんです。
論理式では、集合がn個のとき$2^{n}$通りのパターンを調べなくてはなりません。
ド・モルガンの法則を例題で確認
ド・モルガンの法則を使う問題を練習してみましょう。
問題
全体集合U={x|$1\le x\le 7$}、
A={1, 2, 4, 7}
B={2, 3, 5, 7}
のとき、$\overline{A}\cap\overline{B}$、$\overline{A}\cup\overline{B}$を求めなさい。
解答
A={1, 2, 4, 7}、B={2, 3, 5, 7}より
$A\cap B$={2, 7}、$A\cup B$={1, 2, 3, 4, 5, 7}
ド・モルガンの法則より
$\overline{A}\cap\overline{B}=\overline{A \cup B}$
={6}
$\overline{A}\cup\overline{B}=\overline{A \cap B}$
={1, 3, 4, 5, 6}
今回のまとめ
今回は、ド・モルガンの法則について解説しました。
ド・モルガンの法則を使いこなせるようになりましたか?使えることで問題を解くスピードがぐんと伸びるド・モルガンの法則、しっかりと復習してマスターしましょう。
今回もおつかれさまでした。
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