みなさんこんにちは。
今日は順列の中の円順列について学習します。円順列とは、人やものを円形に並べる順列をいいます。
また、円順列と似ている概念として数珠(じゅず)順列というのがあり、その違いも解説します。
さらに、実際の大学入試の問題演習もでき、おすすめの参考書もあるので最後まで読んでください。
円順列とは
円順列とは、異なるn個のものを円形に並べたものを指します。
つまり、回転して、同じの場合、同じ並べ方として同じ通りとします。
意味がわからないかもしれませんが、下図の左右の並びは回転しても「赤→青→黄」と同じなので、同じとみなします。
一方、下図にある左右の円は時計回りに「赤→青→黄」「赤→黄→青」と異なる色の並びなので違う場合として扱います。
よって、この場合、並び方は2通りとなります。
円順列の公式について
円順列の公式ですが、
異なる𝑛個のものを円形に並べるときの並べ方の総数
𝑛−1!
となります。上記例では、玉が3つあるので\((3ー1)!=2!=2\)となります。
円順列の公式の意味〜なぜn-1とするのか
そもそも、順列とはn個の中から異なるr個を取り出して並べる並べ方でした。
そして、円順列のようにn個全てを取り出す場合は、nPn=n!という形で計算します。詳しいことは「順列とは?公式と計算を組み合わせの違いとともに解説(入試問題つき)」で解説があるので読んでください。
そして順列の場合、同じ座り方を何度も数えてしまいます。例えば「赤→青→黄」と「青→黄→赤」は別の組み合わせと考えます。
しかし、円順列では、回転した組み合わせは同一とみなします。「赤→青→黄」と「青→黄→赤」とは同一の組み合わせとするのです。
そこで、同一の組み合わせを排除する必要するがあります。そこで、回転する中で一つを固定し、残りの組み合わせで考えていきます。
例えば、上の例でしたら、「赤」を固定したら「黄」と「青」の組み合わせのみを考えればよくなります。
とすると、円順列では本来の組み合わせの中で一つを固定し、残りの部分での組み合わせを考えるので「n-1」と考えます。
数珠順列とは?円順列との違いについて
数珠(じゅず)順列とは、異なるn個のものの円順列のうち、裏返して一致するものは同じものとみる場合の順列と言います。
円順列の中の特別なパターンでその違いがよく問題になります。
上記図では、「赤→黄→青→緑」と「赤→緑→青→黄」は並びが異なるので、円順列としては異なる組み合わせです。
一方、両者は裏返しをした場合、同一の並びとなります。よって数珠順列の場合、同じ組み合わせとなります。
問題文に「首飾り」や「数珠」という単語があれば、数珠順列を疑うといいでしょう。
数珠順列の公式について
数珠順列では2つの異なる円順列(裏表が同一であるパターン)を同一のものとします。
そこで、そのパターンを円順列の中から除いてやる必要があります。具体的には円順列から同じとするパターンが2つあるので、2で割ります。
公式は以下の通りです。
演習問題について
男子 4 人と女子 2 人が輸の形に並ぶとき,女子 2 人が隣り合わないような並び方は
通りである.(19 京都産大 理・情報理工 1(4))
(解説)6人の円順列から女子が隣り合ったものを除く。
6人の円順列は
(6 − 1)! = 5 · 4 · 3 · 2 · 1 = 120 (通り)
このうち,女子 2 人が隣り合う並び方は,隣り合う女子を 1 人とみなし,男子 4 人とあ
わせた 5 人の円順列を数えればよい.女子 2 人の並び方は 2 通りあるから
2 × (5 − 1)! = 2 × 4 · 3 · 2 · 1 = 48 (通り)
よって,求める場合の数は
120 − 48 = 72
おすすめの参考書
順列ですがこの記事を書くに当たっておすすめの参考書を紹介します。
「ホントはやさしいセンター・中堅私大の場合の数と確率 (シグマベスト)」
これは薄い割にかなり細かく順列のことが書かれています。基本を抑えたい人、初学者はこれからやるといいと思います。しかも、値段がかなり安いお手頃価格の書籍です。
「難しい数式はまったくわかりませんが、確率・統計を教えてください!」
これも基本をおさえるのにおすすめの本です。たくみさんの本は初学者が理解をする上ではかなり理解しやすい構成になっています。
ただ、これらは理解するのに役立ちますが演習面では不安です。そこで
「数学I・A基礎問題精講」を合わせてやるといいかと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
円順列は
一歩づつやっていきましょう!
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