みなさんこんにちは!
今回は高校地理の人口問題について解説していきます。
今回は人口問題の中でも「人口ピラミッド」と「人口移動」に焦点を絞って解説します。
実はマーク試験では人口ピラミッドの問題がよく出題されるので、得点源にできるようにしましょう。
「どこをどう理解して覚えればいいの?」という方も多いと思うので、入試や定期テストで狙われやすいところを重点的に解説していきたいと思います。
では、順に見ていきましょう。
人口ピラミッドについて
人口ピラミッドとは
まずは基本的事項からです。
人口ピラミッドとは、「男女別にこの年齢にはどれだけの人口がいるか」を表したグラフです。
出典:国立社会保障・人口問題研究所
上のグラフを見てみましょう。
縦軸に年齢、横軸に人口をとっているので、15歳前後の人口がとても多いことがわかります。
このグラフは横軸が人口(万人)ですが、グラフによっては人口の割合を表していることもあるので注意してくださいね!
人口ピラミッドの読み方
では次に、見たこともない人口ピラミッドが出題されたときの読み方をお伝えします。
一番大切なのは、人口ピラミッドの大まかな形です。
人口ピラミッドには、①富士山型 ②釣鐘型 ③つぼ型 の三種類があります。
①富士山型
富士山型のグラフはその名の通り、富士山のように上方(先)がとがっていて、下方にいくにつれて広がっているような形をしています。この形は、発展途上国の人口を表していることが多いです。
出典:PopulationPyramid.net
このグラフを読み取ると、子供が多く、高齢者が少ないというのが特徴です。この段階を「多産少死(人口爆発)の段階」といいます。
子供が多いということは、出生率が高いということ。これは小さい子供であっても仕事をさせ、少しでも生活費を稼ぎたいという、発展途上国によくみられる傾向です。
また、高齢者が少ないということは、長生きができないということ。まだまだ医療の発達が進んでいなかったり、衛生的にもよい状態ではなかったりという特徴も読み取れます。
②釣鐘型
釣鐘型のグラフは大みそかにつく除夜の鐘のような形をしています。上方はとがっていますが、下方に行くにつれて人口が増えていき、途中からはその幅のままになります。この形は、アメリカやヨーロッパなど、ほとんどの先進国、新興工業国の人口を表していることが多いです。
出典:PopulationPyramid.net
このグラフを見ると、子供の数はそれほど多くなく、高齢者の数が多くなっているという特徴が読みとれます。この段階は「少産少死の段階」といい、人口の増減が停滞している状態なので「人口停滞型」ともいわれます。
先進国では、子供一人当たりを育てるのに教育費など多額のお金が必要です。また、大人が働くことで家族の生活費をまかなえるため、労働力として子供を働かせなくてすみます。だから出生率=子供の人口は低くなります。
また、医療の発展や衛生的に良い環境が整うことによって、長生きができます。なので、高齢者の人口は増加しています。
③つぼ型
つぼ型のグラフは釣鐘型のグラフとよく似ています。上方はとがっていますが、下方の人口の幅が極端に少なくなっています。この形は韓国、日本などの一部の先進国でみられます。
出典:PopulationPyramid.net
このグラフを見ると、釣鐘型のグラフとそれほど特徴に変わりがありませんが、見落としてはならないのが、子供の人口がより少ないということです。この段階は「少産少死の段階」といわれており、人口が減少しているので「人口減少型」ともいわれます。
日本の平均出生率(女性一人当たりが生涯で産む子供の数の平均)は1.43人、韓国の平均出生率は1.05人と、とても少ないですよね。
それに対して高齢者は長生きができる環境なので、このようなグラフになります。
グラフの変化について
人口ピラミッドには大きく分けて3つの形がありましたね。
この形ですが、①富士山型→②釣鐘型→③つぼ型 という風に変化していきます。
発展途上国から先進国へと成長するにつれて、人口のグラフも富士山型からつぼ型へと変化します。
グラフと国名を一致させる問題はよく出題されますが、まずグラフの形を判断し、国名と結び付けていくといいと思います!
人口移動について
では人口移動について簡単に解説します。
まず、人口が移動する、つまり国・地域から別の国・地域に移動する」という行動には何かしらの理由があります。
ある国を出ようとさせる理由・原因のことを「プッシュ要因」
ある国に入ろうとする理由・要因のことを「プル要因」 といいます。
プッシュ要因は有害なものであることが多いです。
例えば、食料や住居、仕事が不足していると、まかなえない人口は外に出さざるを得ません。また、政治的・宗教的問題や環境問題で移住を迫られることもあるでしょう。
マイナスな環境下からは出たくなりますよね。
それに対して、プル要因はプラスに働くものであることが多いです。
例えば、豊富な食料、安価で住みやすい土地、いい条件の仕事があることなどがあげられます。政治的・宗教的に安定していることもプル要因になるでしょう。
利益をもたらしてくれる場所へは、だれもが惹きつけられますよね。
最後に
今回は人口ピラミッドと人口移動について解説しました!
どちらの内容も重要ですが、特に人口ピラミッドに関する問題は頻出なので、マスターするようにしましょう!
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