みなさんこんにちは!
今回は地理の「砂漠化」についてわかりやすく解説していきます。
砂漠化ですが、環境問題のひとつとしてよく知られていますよね。何度も耳にしたことがあるのではないでしょうか。
なんと、1991年の国連環境計画の報告書によると、地球の陸地全体の約1/4が砂漠化の影響を受けているといわれています。思っていたよりも深刻な問題だった、と思いましたか?
今回の記事は、砂漠化について「聞いたことはあるけど、詳しくは知らない」という方や、「まったく聞いた覚えがないな」という方は必読です!
砂漠化とは
では、さっそく砂漠化とはどういうものなのか説明していこうと思います。
砂漠化の定義は「乾燥地帯、半乾燥地帯、及び乾燥半湿潤地域における種々の要因(気候の変動及び人間活動を含む。)による土地の劣化」とされています。
少し難しいので簡単に言うと、「乾燥した地域で、気候が変化したり私たちが生活を営んだりすることによって、植物が育ちにくくなること」です。
砂漠化の要因
砂漠化の要因は大きく分けて二つがあります。ひとつは気候的要因、もう一つは人為的要因です。
以下、詳しく見ていきましょう。
①気候的要因
文字の通り、地球規模の気候変動によって砂漠化が進行しています。
主に、地球温暖化に伴って気温が上昇し、降水量が減少していることが原因だと考えられています。
アフリカ大陸のサハラ砂漠は気候的要因によってできた砂漠の代表例です。
②人為的要因
人為的とは、人のせいで砂漠化が進行しているということです。
例えば、森林伐採や放牧、農業などがあげられます。
木材を得たり農地を得るために過剰量の木を伐採し、放牧でヤギが草を食べつくし、焼き畑農業で更地にされることで砂漠化が進行します。
また、酸性雨によって土壌が汚染され、砂漠化が進んでしまっています。
人間活動による砂漠化の進行は努力すれば阻止できるものです。なんとかして防いでいかなければならないですよね。
砂漠化防止の取り組み
砂漠化を防止するために、どんな取り組みがなされているのでしょうか。
いくつか例を挙げていこうと思います。
植林、緑化運動
世界規模で緑を取り戻そうと、ボランティアによる植林、緑化運動が行われています。
インドでは、2016年にボランティアによって4930万本もの苗木が植えられました。これは、ギネス記録をはるかに上回る数だったそうです。
灌漑
灌漑とは、作物に水を与えることです。
乾燥地では、作物を育てるための水が少ししかありません。
そこで、チューブなどで土壌表面に直接水や肥料を与えることで、少ない量の水でも作物をつくることができるようになりました。
この灌漑方法を「点滴灌漑」といいます。
また、「センターピボット」と呼ばれる灌漑法も大切で、よく試験に出題されます。
センターピボットでは、くみ上げた地下水をスプリンクラーでまき散らします。
このように、航空写真では緑の円がぽつぽつと見えるのが特徴です。
主な砂漠地域
ではこれから、主要な、出題されやすい砂漠地域を紹介していきたいと思います。
どれも重要ですので、地図帳で場所を確認しておくことをおすすめします!
サハラ砂漠
(サハラ砂漠:wikiより)
世界最大の砂漠ですね。その広さはアフリカ大陸の1/3を占めます。
先ほども言いましたが、気候的要因でできた砂漠です。年中、中緯度高圧帯に支配されるため、乾燥しています。
サハラ砂漠南縁部は「サヘル」と呼ばれています。
タクラマカン砂漠
ユーラシア大陸内陸に位置します。
こちらも気候的要因でできた砂漠です。隔海度(海からの距離)が大きく、湿った空気が届かず乾燥してしまいます。
アタカマ砂漠・ナミブ砂漠
(アカタマ砂漠:wikiより)
これらの砂漠はそれぞれ、南アメリカ大陸・アフリカ大陸に存在します。
低緯度地域の寒流(アタカマ砂漠はペルー海流、ナミブ砂漠はベンゲラ海流)によって空気が冷やされて安定し、降雨が少なくことでできます。
アルゼンチンのパタゴニア地域
偏西風、貿易風、季節風が山地を上ると風上では雨を降らします。
しかし、山地を越えた風下では乾燥をもたらします。この現象を「フェーン現象」といいます。
入試問題に挑戦!
では、今までの内容を思い出しながら、実際の入試問題を解いてみましょう!
以下の①〜④のうち適切でないものを選びなさい。
(2018年のセンター試験地理B本試)
②は適当ですね。干ばつ(気候的要因)によって砂漠化が進行しています。
③も適当です。この場合の環境難民とは、砂漠化によって生活することが困難になり、やむを得ず居住地を離れた人のことを言います。
④は適当ではありません。農地を拡大すると、草木を刈らざるを得なくなります。また、家畜が増加するとエサの量も増え、牧草の食べすぎにつながります。よって砂漠化は進行しますよね。
今回の内容を理解していると消去法で④が選べると思います。
この問題で正解した人も、残念ながら不正解だった人も、この範囲の内容を何度も復習して定着
させましょう!
まとめ
いかがだったでしょうか?
砂漠化の内容はそれほど出題されないとはいえ、出題されると差がつく範囲ではあります。
より詳しく内容を理解したい人は「村瀬のゼロからわかる地理B 系統地理編 (大学受験プライムゼミブックス)」がおすすめです。本記事の参考にさせてもらっています。
コメント