「数学は苦手・・・」「高校に入ってから数学の授業についていけなくなった」
そのように思っている人は多いのではないでしょうか。
この記事では、数学に対して苦手意識がある人、数学をどうやって勉強すればよいのかわからない・高校数学の勉強法に悩んでいる人のために、数学とうまく向き合う方法について解説します。
特に大学受験を控えている高校生は、早い段階で適切な数学の勉強法を身に着けることが重要です。
受験本番までそんなに時間がないのに偏差値50を切っている・・・
大丈夫です。数学は少ない時間でも、努力さえすれば結果を出すことができます。勉強次第では、偏差値50どころか、60を狙うことも可能です。指導をしている中で実際に効果があった方法について解説していきます。
自分の数学勉強法を見直し、今日からでも適切な勉強方法を始めましょう。
数学とは?高校での数学の勉強法は?
「高校に入ってから、数学が苦手になってしまった・・・」
そう感じる人は多いはずです。なぜなら、高校数学は中学数学より圧倒的に難易度が高くなります。高校3年間で学ばなければいけない数学の範囲は非常に広いため、覚えることも多いのです。
中学数学までは公式丸暗記・問題丸暗記などのやり方が、ある程度のレベルまでは通用しました。
しかし、高校数学では物理的に範囲が広いので、丸暗記するだけではテストや受験で高得点を取ることができません。
では具体的にどうすれば良いのか?それについて解説していきます。
まず最初にやること:自己暗示をかけよう「数学が苦手です」を禁止
数学を苦手とする人は
「数学が苦手だ・・・」「自分には数学の才能がない」
という強い意識があり、数学を勉強すること自体苦痛・生理的に数式を受け付けない、と感じていることが多いです。
まず、その意識を改めましょう。
大学受験の数学に、数学の才能は必要ありません。
ただ単純に、勉強が足りていないか、勉強法に問題があるかのどちらかです。数学ができないという思い込みこそ、数学が伸びない一番の理由です。
自分に暗示をかけて、「数学ができるようになる!」と思い込みましょう。まずそれが最初の一歩です。
短期間で数学の基礎を勉強して苦手分野を潰していく
意識の面を変えられたら、次のステップに進みましょう。
高校数学全体像の把握
高校数学の範囲は1A、2B、3です。人によっては受験で使わない範囲もありますので、まずは自分が勉強しなければならない範囲を確認しましょう。
ほとんどの受験生が受ける、センター試験(2021年度からは大学入学共通テスト)の範囲をみてみましょう。
数学1A:数と式、集合と命題、二次関数、図形と計量、データと分析、場合の数と確率、整数の性質、図形の性質
数学2B:三角関数、指数関数・対数関数、微分法・積分法、数列、ベクトル、確率分布と統計的な推測
これだけでも範囲が広いことがわかりますね。
自分の高校数学理解度の把握
大学受験に必要な範囲を把握できたら、次に把握しなければならないのは「各分野における、自分の理解度はどの程度か」です。
これは数学を勉強するにおいて、一番重要なことで、言い換えれば「自分の苦手分野はどこか?」を把握することです。
「理解度」というものがうまくイメージできないならば、以下のように考えてみてください。(レベルの概念は適当です。)
高校で使用している教科書を開いてみましょう。
- レベル0:教科書の内容がわからない(未習レベル)
- レベル1:.教科書の説明文、出てくる法則・公式・定理などの基本的な内容は理解しており、それを利用した計算ができる
- レベル2:教科書の例題をみて、解法がすぐに頭に浮かぶ
- レベル3:教科書の応用問題をみて、解法がすぐに頭に浮かぶ
- レベルX:マスターしている
レベル3に至っていない分野がどれくらいあったでしょうか?
大学受験数学は、受験で使用する全ての範囲を網羅的に理解する必要がありますので、最終的には全ての分野をレベル3以上にする必要があります。
各分野における「理解度」は、数学の勉強をする上で重要な感覚です。常に意識するようにしましょう。
効率よい数学の勉強法とは
効率よい数学の勉強法とは、
「自分の理解度が低い範囲を、理解度が高くなるまでしっかり勉強する」
これに尽きます。
そんなことは当たり前なのでは?と思いますが、
解ける問題を何回も解いて、時間を浪費していることに気が付かず、数学の勉強をしたつもりになっている
こういう受験生が多いのです。
数学の問題が解けるのは楽しいので、つい自分の得意分野に逃げ、知らないうちに不得意分野を作ってしまう。
数学ができると思っている人にもありがちな失敗です。
不得意分野をなくす作業、これが本当の勉強です。
そのために自分の理解度の把握が必要になります。
先程の理解度チェックで、全てレベル3以上ならば、基礎的な学習は不要です。応用問題にとりかかるようにしましょう。
一方、レベル3に至っていない分野がある人は、その分野の理解度を上げるための、基礎的な学習が必要になります。
その分野の基礎的な学習からはじめ、応用問題の解法が頭にすぐ浮かぶようになるまで、繰り返し問題を解くようにしましょう。
おすすめの数学の参考書や問題集
次に、参考書と問題集について解説します。まずは、基礎固めの問題集と参考書です。
おすすめの数学の基礎固め用の問題集・参考書
理系文系どちらにでも応用できるのは、通称青チャート=「新課程チャート式解法と演習数学シリーズ(チャート研究所)」です。
青チャートは基礎から応用までの問題が網羅されているので、問題集は1冊だけで行きたいという人に特におすすめです。問題量も多く、解説も詳しいです。別解についても記載があるのもポイントです。応用問題も充実しているので、東大志望の受験生もこの問題集を極めれば、二次試験対策まで対応できます。
文系でもう少し難易度を落としたい人には、基礎的な参考書兼問題集である、通称黄チャート=「新課程チャート式解法と演習数学シリーズ(チャート研究所)」や、「数学基礎問題精講シリーズ(旺文社)」が良いでしょう。
おすすめの数学の応用の問題集・参考
難関大学を受験する方は「1対1対応の演習 新訂版 (大学への数学 1対1シリーズ)(東京出版編集部)」がおすすめです。
難関大学の数学は通常の問題集レベルより趣向を凝らした問題が出るため、上記で紹介した青チャートに加え、プラスαの対応をした方が良いです。
1対1対応の演習は趣向を凝らした良問が多く、ひとつの問題で複数の数学分野の知識を使わなければならない問題などが数多く出題されています。
上記問題集がおすすめではありますが、どの問題集・参考書を選択しても間違いではありません。大事なことは、自分が使う問題集・参考書を理解できるまでやりきること、間違えた問題は何度も復習して解けるようになることです。
数学の問題を解く時のポイント
次に、実際に数学問題を解く時のポイントについて解説します。
数学の問題の軸を理解する
高校数学は、大きくは「数式」、「グラフ(座標)」、「図形」の概念に大分されます。そして、「数式」⇔「グラフ(座標)」⇔「図形」は互換性があります。
例えば、二次関数において$y =ax^2+bx+c$と表される数式は、xy座標上では放物線として表されす。問題でこのような数式が出題された場合、数式のまま解くことができる問題もありますが、受験で出題されるような問題は座標に変換した方が解きやすい・早く解ける場合が多いです。
問題を数式のまま解くのが良いのか、座標に変換した方が良いか、さらに図形にまで変換させるか。問題が、「数式」、「グラフ(座標)」、「図形」のどれを軸にしたものであるのかを理解したうえで、問題の本質を見抜き、その切り替えをする能力を身に付けることが大事です。
どうしても解けない数学の問題はこうしよう
難関大学の二次試験などの問題では、どうしても解けないとケースはあります。しかしそういったケースを除き、あきらめずに泥臭くチャレンジすることで、解答が見いだせる場合もあります。
例えば、センター試験(2021年度からは大学入学共通テスト)は選択問題です。
「この数式が表すxy軸上のグラフを選択せよ」などの問題がでた場合で、数式の計算ができなくて、見慣れた「数式」⇔「グラフ(座標)」変換ができない場合を想定しましょう。
このような場合でも、わからないといって諦めてはいけません。
xy軸を描き、実際に具体的な数字を数式に入れる込むことで、どういったグラフになるか(:直線か?放物線か?対数グラフか?、右肩上がり?左肩上がり?など)の大体のイメージを想像することができます。
たとえ正解にまでたどり着かなくても、選択肢を絞るというだけでも点数を取れる確率は上がります。
計算ミスをなくすための方法
計算ミスをなくすためには、計算に慣れる以外の方法はありません。注意深くできれば良いですが、受験数学は時間勝負という側面もあります。
そのため、数学の問題は頭の中で解法を思い浮かべるだけでなく、ある程度の問題は必ず自分の力で計算し、日々計算の練習するようにしましょう。計算に慣れてない人は、間違いなく本番で計算ミスをします。
模試や過去問で数学の問題の実力をつける
次に、模試や過去問の使い方について解説します。
模試や過去問は解くべき!
過去問はセンター試験(大学入学共通テスト)、二次試験ともに必ず解くようにしましょう。
過去の問題を把握するという事は本当に重要です。その大学の問題傾向に慣れるという点からも重要ですし、過去の問題から類似の問題が出題されることも多々あります。
ただ試験本番の時に、それを把握していることが大事ですので、過去問を解くタイミングにも注意してください。
試験の直前には、過去問を主体とした勉強をすることをおすすめします。また、過去問は実際に本番を想定して解くようにしましょう。
一方模試に関しては、模試は本番よりも必ず難易度が高いので、模試で点数が低かったからといって落ち込む必要はありません。
また、問題の傾向も本来の試験と若干違う傾向にあります。
模試の結果に左右されないようにしましょう。ただ模試は難易度が高いので、模試で良い点を取れているということは、基礎能力および応用力が身についているということの証明でもあります。本番でも良い点が取れる可能性が高いので、自分の数学レベルについて自信を持って良いです。
模試や過去問を解き終わったときにする必要なこと
過去問の復習は徹底的にやりましょう。
過去問で出た問題とは、本番でも出る可能性が非常に高いです。どういった問題が出て、自分がどのように間違えたのかを徹底的に把握しましょう。
本番で同じような問題が出た場合は、「落としてはいけない問題」です。必ず解けるようにしましょう。
模試についても、間違えた問題に関しましてはしっかりと復習するようにしましょう。
ただ、センター模試なのか二次試験の模試なのかによりますが、基本的にはあまりにも難易度が高く設定されている模試に関しては「こういった問題もあるかもしれない」レベルに留めておき、簡単に復習すれ程度で大丈夫です。
数学の模試や過去問にどれくらい時間をかけるべきか
自分の受験する試験のレベルや傾向を把握しないことには、終着点の目標が立てられません。
1番最初に、センター試験と志望大学の過去問を取り寄せましょう。
去年の問題は一番参考になります。ただ、直前の過去問は直前に本番を想定して解く練習にも使えるので、しっかり分析するのは少し前の過去問(4、5年前)が良いです。この過去問をじっくり解くまたは読み、解説を確認しましょう。
難易度や問題の傾向を把握できたら、自分はどういった知識が足りないのか、この大学に合格するためにはどういう知識が必要なのかなどの、全体像がうっすらと把握できると思います。
センター試験については、2021年度から「大学入学共通テスト」に代わり、問題の傾向が若干変わることが予想されます。大学入学共通テストの情報と、センター試験からの変更点については把握するようにしましょう。
模試や過去問について、まずセンター試験は「教科書の範囲を超えるレベルの問題を出さない」前提で作成されていますので、基礎さえ理解できていれば、あとは慣れるだけです。センター試験用の特別な対策をする必要はないので、本番の1カ月程度前から過去問練習をしましょう。その際、必ず本番の時間内に終わらせられるよう、時間も意識して過去問を解いてください。
二次試験については、それが目標ですので、定期的に過去問や模試を解き、自分のレベルが、問題を解けるレベルに到達しているかを確認するようにしましょう。センター試験が終わった後からは、さらに過去問主体で二次試験に集中することが重要になります。
数1A、2Bと数3の勉強法の違いについて
数3は理系の人は二次試験の範囲になっていることが多いですが、文系では、旧帝大レベルや上位国立大学などを除き、出題範囲ではありません。まずは自分にとって必要か否かを確認してください。
もし数3が受験に必要な場合は、範囲が1.5倍くらいに増えると認識しましょう。ただ、基本的な勉強法は他の分野と変わりません。
問題集・参考書も数3を対応しているものを購入する必要があります。数3は数1A、2Bと比較し、難易度が高い上、二次試験で出題されることも多いため、難易度の高い問題集などを解くなどして練習するようにしましょう。
大学受験に向けた高校数学の勉強法とは
大学受験の数学といってもその対応は受験生それぞれです。全く数学を使わない方もいればセンター数学だけで済む人、はたまた二次試験でガッツリ数学が範囲となっている人。
それぞれにとって数学の勉強量は異なりますが、勉強法は基本的に共通します。
「自分の受験に必要な出題範囲・数学レベルを理解する」
「各分野における、自分の理解度はどの程度かを把握する」
「自分の理解度が低い範囲を、理解度が高くなるまでしっかり勉強する」
単純な方法ですが、自分の勉強法を見直し、この3点をしっかり意識しながら勉強するようにしましょう。
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