アデノシン三リン酸(ATP)とは?代謝との関係と役割をわかりやすく解説!【生物基礎】

生物基礎のテスト勉強をしているときにこんな疑問はないですか?

 

田中くん
田中くん
  • アデノシン三リン酸って一体なに?
  • アデノシン二リン酸との違いがわからない。
  • アデノシン三リン酸って生体内でどんな働きがあるの?

 

 

こんなお悩みを解決できるようにわかりやすく解説します。

 

  • 本記事の内容 アデノシン三リン酸とは?
  • アデノシン三リン酸の生体内での働き
  • 効率的に生物基礎を勉強するのにおすすめ問題集・参考書

 

ぜひ、参考にして下さい。

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アデノシン三リン酸とは?

アデノシン三リン酸とは、ATPのことです。

 

生物基礎の範囲で、ATPの押さえておきたい特徴は以下のとおり。

 

  • ATPはアデノシンにリン酸が3つ結合した構造
  • ATPにはエネルギーが蓄えられている
  • 3つ目のリン酸が切り離されるとエネルギーが放出する

 

それぞれについて、解説していきますね。

 

ATPはアデノシンにリン酸が3つ結合した構造

ATPは以下の図のように「アデノシン」に3つリン酸が結合した構造になっています。

 

 

 

アデニンは塩基の一種で、リボースは糖の一種になります。

 

ATPはA「アデノシン」、Tは「3(Tri)」、Pは「リン酸(phosphate)」してして、アデノシン三リン酸のことを示しています。

 

ATPにはエネルギーが蓄えられている

 

ATPには、エネルギーが蓄えられています。

 

どのようにエネルギーを蓄えているのかというと、リン酸同士の結合部分にエネルギーが蓄えられています。

 

 

このリン酸同士の結合を「高エネルギーリン酸結合」とよばれています。

 

3つ目のリン酸が切り離されるとエネルギーが放出する

 

ATPの3つ目のリン酸が切り離されるとエネルギーが放出します。

 

下の図のように、末端のリン酸が切り離されると、エネルギーを放出し、ADPとリン酸に分解されます。

 

 

ADPはアデノシン二リン酸とも呼ばれます。

 

 

S先生
S先生

「ATP→ADP+1つのリン酸」のように分解されるよ!

 

このエネルギーは化学エネルギーになります。

 

放出された多くの化学エネルギーは、生体物質の合成、筋肉の収縮、発熱など、さまざまな生命活動に利用されます。

 

反対に、下の図のようにADPにリン酸が1つ結合すると、化学エネルギーが吸収されます。

 

 

 

(吹き出し)「ADP+1つのリン酸→ATP」のように合成されるよ!

 

アデノシン三リン酸の生体内での働き

 

次に、アデノシン三リン酸(ATP)と生体内での働きについてより具体的に説明します。

 

ATPの働きにおいて、生物基礎で抑えておきたいポイントは以下のとおりです。

 

  • ATPは「代謝」と深く関わっている
  • ATPを介した代謝反応は「酵素」によって進められる

 

それぞれについて、解説していきますね。

 

ATPは「代謝」と深く関わっている

 

ATPと「代謝」は深く関わっています。

 

「代謝」とは生体内の化学反応のことで、大きくわけて「同化」と「異化」に分けることができます。

 

なので、ATPを代謝との関係を説明するために以下の項目に分けて深堀りしていきます。

 

  • 「同化」とATPの関係
  • 「異化」とATPの関係

 

それぞれについて深堀しますね。

 

「同化」とATPの関係

「同化」とは、無機物のような簡単な物質を、有機物のような複雑な物質にすることをいいます。

 

この「同化」反応には、エネルギーが必要になります。

 

つまり、ATPがエネルギーを放出してADPになることで、「同化」反応が起こります。

 

 

 

例えば、光合成は「同化」の反応の一種です。

 

水と二酸化炭素の無機物を、デンプンの糖を作り出し、このときに光エネルギーが必要になりますよね。

 

この光エネルギーは、一旦ATPに化学エネルギーとして蓄えられます。

 

そして、ATPにある化学エネルギーを用いて、水と二酸化炭素から、デンプンを合成します。

 

「同化」とATPにはこのような関係があります。

 

「異化」とATPの関係

 

「異化」とは分解反応のことで、有機物のような複雑な物質を無機物のような簡単な物質にする反応です。

 

「異化」反応では、エネルギーを放出する反応になります。

 

つまり、「異化」反応ではADPにエネルギーが吸収され、リン酸と結合しATPになることで反応が起こります。

 

 

例をあげると、呼吸が「異化」反応の一例になります。

 

呼吸は、グルコースなどの有機物と酸素から、二酸化炭素と水に分かれますよね。

 

このときに、エネルギーが放出し、ATPに蓄えられます。

 

そして、このATPがさまざまな生命活動に利用されるというわけですね。

 

「異化」とATPにはこのような関係があります。

 

 

 

S先生
S先生

物質が合成(同化)されるときはエネルギーが吸収(ATPが分解)され、物質が分解される(異化)ときはエネルギーが放出(ATPが合成)されるからね。

 

ATPを介した代謝反応は「酵素」によって進められる

 

今回紹介した、ATPを介した代謝は「酵素」によって進められます。

 

つまり、無機物とATPだけを用意しても有機物になるのではなく、「酵素」によって化学反応が進行します。。

 

「酵素」はタンパク質で、生体内でつくられる触媒とも言われています。

 

呼吸を行うミトコンドリアや、光合成を行う葉緑体などの細胞小器官のなかには、さまざまな「酵素」が含まれています。

 

また、細胞小器官だけでなく、細胞質基質にも「酵素」があり、この「酵素」によってそれぞれ特有の化学反応が起こります。

 

S先生
S先生

「酵素」の種類が違うから、ミトコンドリアで光合成が起こったりがしないんだね。

 

効率的に生物基礎を勉強するのにおすすめ問題集・参考書

今回は、アデノシン三リン酸(ATP)ついて深堀りして説明しました。

 

ATPは、その構造や特徴だけを丸暗記するのではなく、「ATPがどんなときにADPになるのか」といった体系的な理解・暗記が大事です。

 

生物を勉強する上で、こういった勉強法はかかせません。

 

そんな体系的な理解・暗記におすすめの参考書と問題集が「田部の生物基礎をはじめからていねいに」「《新入試対応》生物(生物基礎・生物)基礎問題精講 四訂版」です。それぞれ詳しく解説します。

田部の生物基礎をはじめからていねいに

部の生物基礎をはじめからていねいに」は生物基礎が苦手でどのように勉強したらいいのかわからないという人にかなりぴったりの参考書です。

 

「定期テスト」「共通一次」「私大入試」まではこれで対策することが可能です。

 

理解しづらいところはマンガをつかって誰でもわかりやすいように説明されています。難しいところもかなり噛み砕いて書かれています。

 

章の終わりには、確認テストやチェックテストもあるので、テスト前の最後の確認にも使えます。

《新入試対応》生物(生物基礎・生物)基礎問題精講 四訂版

《新入試対応》生物(生物基礎・生物)基礎問題精講 四訂版」は単元を理解するのに、良問がたくさんあり、その解答もわかりやすく丁寧に説明されています。

 

初めにいってしまうと、この問題集は「基礎」書いてありますが、難易度的にはやさしくはないです。

 

しかし、これからの受験の問題を解くための実力を身につけるのに、必要な問題がたくさん詰まっていて、この問題集をマスターすると、応用問題を対応することも十分可能になります。

まとめ

 

というわけで以上です。今回は、アデノシン三リン酸について深堀して解説しました。

 

生物基礎では、アデノシン三リン酸が「ATP」ということだけでなく、「ATPの構造」、「エネルギーが蓄えられている仕組み」、「代謝との関係」など今回の講義のように一連として理解する必要があります。

 

もし忘れたら、またこの講義に戻ってきて、ぜひ今後の勉強に役立てて下さい。

 

今回も最後までありがとうございました。

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