今回は、古代ギリシア・ローマからルネサンスまでの西洋歴史・地理・自然科学史を勉強します。この時期に、西洋文明の大きな特徴は自然科学が発展したことですね。
各時代で分割して学ぶだけではなく、ルネサンス以前をひとまとめにして学習することは受験対策としてとても重要です。古代ギリシア・ローマからルネサンス期まで一気に表などでまとめてありますので、普段の勉強に役立ててください。
今回の記事のポイント・ヘロドトスとトゥキディデスの区別に注意。扱った戦争を間違えないこと
・ポリビオスの政体循環史観は単発でも出題されますね。
・ガリア戦記とゲルマニア、カエサルが書いたのはガリア戦記ですよ
・ストラボンは歴史家ではないので要注意
・ヘレニズム時代の自然科学者はよく出題されます
・ルネサンス期の三大発明(改良)は、大航海時代と植民地獲得に直結します
西洋の歴史学・地理学
(フォロロマーノ:wikiより)
古代ギリシアで屈指の歴史家といえばヘロドトスとトゥキディデスでしょう。ヘロドトスはギリシアが大敵アケメネス朝ペルシアに勝利したペルシア戦争を記録しました。
勝利に終わった戦いの記録は、書いているほうも高揚感に満ちていたのではないでしょうか。そのため、ヘロドトスの「ペルシア戦争史」は物語的な記述となっています。
対して、トゥキディデスの描いた「ペロポネソス戦争史」は科学的。なぜ、同胞同士が争う「ペロポネソス戦争」が起きてしまったのか。その原因などについて、冷静に分析しようというトゥキディデスの意図が見えてきます。
歴史を重視する姿勢は古代ローマにも引き継がれました。歴史が一定のパターンで繰り返すと主張したのがポリビオスの政体循環史観。ギリシアやローマの歴史を分析することで見出した理論でした。
カエサルの「ガリア戦記」は戦争報告に過ぎませんでしたが、カエサルの文学的センスが冴えわたったラテン文学の傑作として名を残しました。また、タキトゥスはカエサルも戦ったゲルマン人について記録した「ゲルマニア」を著します。
ローマ建国からアウグストゥス時代までをまとめたのがリウィウスの「ローマ建国史」。プルタルコスの「対比列伝」は古今の英雄に着目した英雄伝でした。
ストラボンの書き残した「地理誌」は、地中海周辺世界について記録した貴重な記録で、エジプトのアレクサンドリアの繁栄を今に伝えています。
西洋の自然科学史
(地動説:wikiより)
古代ギリシアで培われた自然科学が大々的に発展したのはヘレニズム時代に入ってからです。エウクレイデス(ユークリッド)の幾何学やアルキメデスのてこの原理、アリスタルコスの太陽中心説やエラトステネスの地球球体説はどれも現代でも重要なものですね。
「博物誌」の著者プリニウスはヴェスヴィオス火山の噴火の時、救助活動に向かいましたが火山性ガスにより窒息死しています。プトレマイオスの天動説も重要ですよ。
古代ギリシアや古代ローマで発展した自然科学は、中世ではあまり顧みられません。これらの技術はむしろイスラーム世界で研究が進みました。
ルネサンス期に入り、古代の知識や文明を見直す古典復興の動きが盛んになると、自然科学の研究にもスポットが当たります。
天体観測技術の進化から、コペルニクス、ブルーノ、ガリレイらは地動説を主張します。しかし、教会は天動説を支持していたため、ガリレイなどは裁判にかけられてしまいました。
ガリレオの有罪が確定したときに「それでも地球は回っている」という言葉は有名ですよね
科学技術が発達したルネサンス期には、中国からヨーロッパにもたらされた技術が大きく改良されました。火薬や羅針盤、活版印刷術が改良されます。特に、グーテンベルクの活版印刷術は本の製造コストを下げ、宗教改革にも大きな影響を与えました。
まとめ
古代ギリシアの時代から、ヨーロッパでは歴史学や自然科学の研究が盛んでした。歴史学の分野では古代ギリシアと古代ローマが良く出題されます。
また、自然科学の内、次の時代につながるものは要注目。三大発明のうち、火薬と羅針盤は大航海時代に、活版印刷術は宗教改革に結びつくため、頻出です。
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