みなさん、こんにちは。地球のカタチは、球形に近いということは、古代ギリシアの人たちも既にその事実を認識していました。地球の大きさがどの程度のものか測定も、紀元前3世紀のエジプトにおいてされています。そのとき求められた円周の長さは、実際に現在我々が知っている値と比較して、15%の大きさのブレがあるだけです。
今回は地球の概観と重力について地球がどのように理解されてきたのか、重力の測定やジオイドについて述べていきたいと思います。
17~18世紀の地球観
17~18世紀の時代、ニュートンとカッシーニの間である論争が起きていました。それは、 地球の形が赤道方向に張り出している扁平な楕円体のカタチか南北に長いたて長のカタチなのかについてです。
その後、フランス学士院において、南米エクアドルとスカンジナビア半島で緯度差1度あたりの弧長を測定し、地球は、扁平な回転楕円体であることが証明されることになります。
重力測量をもとにして
19世紀から現在に至り、重力測量などが活用されることになります。重力測量、また三角測量、人工衛星の軌道解析といった技術を利用して、現在の地球のカタチに一番近い地球楕円体が追求されて来ました。
回転楕円体のカタチは、赤道半径と極半径で決定されていきます。赤道半径aと極半径bとし、一般的には、b に対しては、(a-b)/aによって導かれる扁平率fを使用しています。
aは、約6,378km、そして(a-b)/a で導かれる fが約1/300です。現実的には、a-bの値は21kmという数値に過ぎないのです。
しかし、地学にとってこれは大きな数字であり、扁平率1/300というのは、とてもわずかな、楕円か球かわからないほど数字なのですが、扁平率1/300程度地球がつぶれていることで、地球には様々な現象が引き起こされることになります。
重力の大きさと向きは場所ごとにわずかに違う
実際の地球は、表面部分には、細かい凹凸もいくつも見つけることができます。それによって、地球の質量分布も、決して統一されている訳ではありません。
地球の概観は、数字では厳密に定義することができるものの、それは重力の大きさと向きは場所ごとにわずかに違うということは無視してしまっています。
しかし、地球で暮らしている人たちにとって、身近な基準としなければならないものには、重力の方向とそれに直交する水平面に対してです。
物理の世界では、 水平面は重力の等ポテンシャル面の一つとして定義することができます。地球を仮想的に表した楕円体表面からジオイドまでの高さ(ジオイド高)を決めています。
ジオイドとは
測量に関わる用語として、ジオイド高、 等重量ポテンシャル面など目にします。やっぱり受験の基礎としてここあたりは抑えておかなければならないでしょう。
ジオイドとは、地球の平均海水面に極めて良く一致する等ジオポテンシャル面を言います。
地球の表面は、7割程度も海洋で覆われてしまっています。地学において、世界の一番海面の平均位置近くにある重量の等ポテンシャル面のことを、ジオイドという取り決めをしています。
日本の場合では、東京湾平均海面を、ジオイドとし、標高の基準として扱って来ました。そもそも標高というものは、ジオイドから測定した高さということになります。
重量の等ポテンシャル面
そして、重量の等ポテンシャル面とは、まず、水を重力だけを受けていると仮定して、 水が、地球の表面上で落ち着いたとき、そこに作られる面のことを、物理学的には重量の等ポテンシャル面、また、水準面という言い方をすることがあります。
これらは、すべての場所において、重力の方向に対して直交します。
ジオイドは綺麗な球体ではない
実際にジオイドは、綺麗な球体をしている訳ではありません。
ジオイドは、北極、南極あたりではくぼんでおり、赤道付近では突出しています。 それは、重力の影響を受けてこのようなカタチができあがっているのです。楕円体面と面との比高のことをジオイド高と言います。
以上、簡単にですが、地球の概観と重力についてまとめした。
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