生物基礎のテスト勉強をしているときにこんな疑問はないですか?
- DNAの二重らせん構造ってなに?
- DNAの二重らせんの知識が実際にどのように入試で出るのかわからない。
こんなお悩みを解決できるようにわかりやすく解説します。
- 本記事の内容DNAとは?ヌクレオチドの構造について
- DNAと遺伝子・染色体・ゲノムの違いについて
- 入試問題で出るDNAの構造について
- DNA構造の研究の歴史
DNAとは?ヌクレオチドの構造について
DNAとはデオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid)の略で物質名のことを言います。
DNAはヌクレオチドという構成単位からできていて、ヌクレオチドはデオキシリボースという糖、リン酸、塩基が一つずつ結合した構造になります。
同じ核酸の仲間でRNAがあるよ!DNAとの違いは糖がリボースでできています。
ヌクレオチドを構成する糖とリン酸は一種類ずつですが、塩基にはA(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4種類があります。なので、ヌクレオチドも4種類存在しています。
ヌクレオチド同士はホスホジエステル結合で連結していて、DNAのヌクレオチドのうち、塩基の種類だけに着目し、並べたものを塩基配列と言います。
この塩基配列がDNAの遺伝情報になります。
DNAと遺伝子・染色体・ゲノムの違いについて
DNA・遺伝子・染色体・ゲノムとの違いとDNAの構造について解説していきます。
DNAと遺伝子・染色体・ゲノムの違いについて
DNAと遺伝子、染色体、ゲノムについて、違いがよくわからず混同しますよね。
DNAと遺伝子・染色体・ゲノムの違いについてわかりやすく絵でまとめると以下のとおりです。
DNAとは、デオキシリボースを含む核酸のことで物質名を指します。遺伝情報が塩基配列して保存されています。
遺伝子とはDNAに含まれている遺伝情報の1つの単位のことで、主にタンパク質の設計図にあたります。
DNAには、遺伝子として情報がある領域と、情報がない領域があります。そのような領域一つ一つのことを遺伝子と呼ばれています。
染色体とはDNAとタンパク質(ヒストン)でできた構造体のことを指します。染色体はDNAがヒストンと呼ばれるタンパク質に巻き付き、折りたたまれて高度に凝集された構造になっています。
ゲノムは生物が生命活動を行う上で必要な遺伝子情報の一組を指します。
生物のもつすべての遺伝情報のことで、ヒトの場合、父と母から染色体を23本ずつ受けとって、合計46本染色体が含まれています。
父由来と母由来のゲノムをもらうので、2ゲノム保持していることになり、このことを2倍体といいます。
DNAの構造
DNAの構造は二重らせん構造を取っています。
DNAは、4種類のヌクレオチドが多数連結してできたヌクレオチド鎖が2本並行に並び、これがねじれています。
はしごの中央部では、ヌクレオチド鎖の塩基どうし結合しています。
結合する塩基の組み合わせは「AとT」、「CとG」と決まっていて、このような性質を塩基の相補性といいます。
このようなDNAの立体構造は1953年にワトソンとクリックによって発表されました。
入試問題にみるDNAの構造について
それでは、「DNAの構造」に関する入試問題が実際にどのように出題されているのかを見ていきましょう。
今回は、2018年センター試験の生物基礎を紹介して解説していきます。
DNAの構造がどのような感じで入試問題に出題されるか掴んでおこう。
DNA構造について出題された入試問題
下の図は2019年のセンター生物基礎の第1問の問4と問6です。
一通り読んでみて、「エ」、「オ」、「カ」、「キ」に何が入るか考えてみましょう。
「ク」はRNAの話のなるので、答えを先に言っておくと、「リボース」になります。
問題の解説
それでは、解答を発表します。解答のボタンを押してみましょう。
「エ」と「オ」については、「DNAと遺伝子・染色体・ゲノムの違い」のところで、染色体の説明のところで解説しました。
このような形で出題されるので、染色体はDNAとの違いだけでなく、染色体自体の特徴についてもおさえておきましょう。
また「カ」、「キ」については、冒頭でお話したDNAを構成するヌクレオチドの話になります。
このように紹介したところがこのまま入試では出題されます。ヌクレオチドについては名前と図ごとインプットしておきましょう。
DNA構造の研究の歴史
最後にDNAの構造研究の歴史について解説します。
]どんな人がどんなことを発見したかは入試で聞かれることがあるからしっかり押さえておこう。
メンデル
メンデルは、エンドウをつかった研究から遺伝の伝わり方には一定の法則性があることを発見しました。
これをメンデルの法則といい、具体的な法則性は以下のとおり。
- 分離の法則
- 優性の法則
- 独立の法則
一つ目の「分離」の法則は、配偶子が形成されるとき、父・母由来の遺伝子が分離してそれぞれの配偶子へと分配されること法則のことを指します。
2つ目の「優性」の法則は、配偶子の合体で生じた子の形質はどちらか一方の親と同じになるという法則です。
3つ目の「独立」の法則は、異なる二つ以上の形質は、それぞれの形質が特定の組み合わせがなく、それぞれ独立して遺伝する法則のことを言います。つまり、遺伝子は配偶子への分離においてお互いに何の影響を及ぼさないことを示す法則になります。
これらの法則があることまで発見できましたが、遺伝子の正体まではわかりませんでした。
シャルガフ
シャルガフは、いろいろな生物のDNA塩基組成を分析し、生物の種類によって塩基の割合は異なりますが、同じ生物では塩基の組成の割合がほとんど同じであるという規則性を見つけ出しました。
つまり、A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4種類の割合が生物によってバラバラですが、一つの生物に対してはほとんど同じ比率で存在していることを発見しました。
このことをシャルガフの規則と呼びます。
ワトソンとクリック
ワトソンとクリックは、さきほど説明したDNAの二重らせん構造を発見した人になります。
1952年にウィルキンスとフランクリンがDNAにX線を当てて撮影されました。
ワトソンとクリックは、シャルガフの規則とDNAの撮影された写真をもとに、塩基性の相補性に気づき、DNAが二重らせん構造というモデルを持つ子を発表しました。
DNAの構造まとめ
というわけで以上です。今回は、DNAの構造の特徴について紹介いたしました。
DNAの構造は、全体として二重らせん構造をもっているだけでなく、塩基の種類、ヌクレオチドの構成様式なども入試では重要になります。
ぜひ、何度も読んで頭にインプットしてださい。もし忘れたら、またこの講義に戻ってきて、ぜひ今後の勉強に役立てて下さいね。
今回も最後までありがとうございました。
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