生物基礎の勉強をしているときにこんな疑問にぶち当たってないですか?
- 光合成って一体なに?
- 植物は光合成も呼吸も行うの?
- 光合成と呼吸はどちらも酵素が関わっているの?
- 光合成と呼吸の関係がよくわからない!
こんなお悩みを図を交えてわかりやすく解説します。
- 本記事の内容 光合成とは?
- 光合成と呼吸の関係(相違点)
- 光合成をしない植物について
ぜひ、参考にして下さいね。
光合成とは?
光合成は炭化同化の一つで、光エネルギーを利用して、二酸化炭素と水から有機物をつくる反応です。
炭化同化とは細胞内で働く酵素が触媒する代表的な反応例だよ。
動物は動くことができるので、必要な有機物を捕食で体内に取り入れることができますが、植物は動くことができないので、必要な有機物を光合成によって獲得しています。
ここでは真核生物の植物が行う光合成について詳しく説明します。
原核生物ではシアノバクテリアが光合成を行います。
光合成では、まず細胞内の葉緑体で吸収された光エネルギーが化学エネルギーに変換されて、ATP中に蓄えられます。
次に、ATPに蓄えられた化学エネルギーを利用して、二酸化炭素と水から炭水化物などの有機物が構成されます。
この時に葉緑体の中にある様々な酵素が働きます。
それと同時に、副産物として「酸素」もつくられます。
植物の光合成を反応式で表すと以下のようになります。
「光合成の反応の流れ」、「どこで行われているのか」、「反応式」はしっかり覚えておこうね。
光合成と呼吸の関係(光合成と呼吸の相違点)について
光合成と似たような反応で「呼吸」があります。
これは、どちらも代謝反応なのですが、代謝も踏まえて光合成と呼吸の違いを解説しますね。
代謝とは
代謝とは、細胞内で物質を分解したり、合成したりといった体内で起こる物質の変化のことを言います。
代謝は大きく以下の二つの反応に分けることができます。
- 同化
- 異化
それぞれ、深堀りして解説します。
同化
同化は、外界から取り込んだ簡単な物質(主に無機物)をもとに複雑な物質(主に有機物)を合成する反応のことをいいます。
例として、さきほど紹介した光合成があげられます。
おさらいすると、外界から取り入れた二酸化炭素を水などの無機物から、デンプンのような有機物を合成します。そして、副産物として酸素ができるんでしたよね。
異化
異化は、分解反応で、複雑な物質(主に有機物)から簡単な物質(主に無機物)に分解する反応のことをいいます。
例としては、呼吸が挙げられます。呼吸の反応については詳しくはあとで解説します。
物質が合成されるときはエネルギーが吸収されますが、物質が分解されるときは、エネルギーが放出されます。
この吸収されたエネルギーや、放出されたエネルギーはATPが介しています。
植物も動物も呼吸を行っていますが、その呼吸によって生命活動を行うエネルギーを得ています。
呼吸の反応について
呼吸の反応について、詳しく解説していきます。
呼吸とは、細胞が酸素を用いて有機物(グルコース)を分解し、生きていくために必要なエネルギーを取り出して、二酸化炭素を放出する反応のことをいいます。
呼吸も酵素が触媒する反応の代表例だよ
原核生物も真核生物もすべての生物は、生きていくためにはエネルギーが必要で、呼吸を行っています。
呼吸の反応は、ミトコンドリアで行われています。
呼吸は、取り出されたエネルギーの一部がATP中に化学エネルギーとして蓄えられます。
このATPを使って世の中の生物は全て、生命活動をしています。
呼吸の反応式を表すと、以下のようになります。
ちなみに、呼吸反応においてグルコースなどの有機物を呼吸基質といいます。
呼吸も「呼吸反応の流れ」、「どこで行われているのか」、「反応式」はしっかり覚えておこう。
光合成しない植物
実は、光合成をしない植物が存在します。
その植物は、「ヤクシマソウ」と呼ばれる植物で、2015年屋久島で見つけられました。
光合成の代わりに根から菌糸を取り込み、分解して養分を取り込りこみます。
植物の多くは、葉や茎から光エネルギーを受け取って、水と二酸化炭素から栄養分であるグルコースをつくる光合成を行いますよね。
しかし、「ヤクシマソウ」は、グルコースを得るために光合成を行うのではなく、菌類と共生して栄養分をもらっています。
このような植物は、栄養を得るために光を浴びなくてよいので、たいていの場合は小さく、花や実をつけるとき以外は地上にでず、土に埋もれているのではないかと考えられています。
今後、他にもっと光合成をしない植物が見つかるかもしれないから森林保護の声がより強くなっているよ。
光合成しない植物があるのは、今までの常識と違って新しい発見でとても驚きですよね。
「光合成しない植物」に関しては生物基礎の範囲になりません。
ですが、生物基礎を勉強するときはただただ字面を追っていくのではなく、今までの常識と違うことあることに驚きを覚えたり、複雑で巧妙な現象が、「実際に体の中で起こっていることだ!」と感動を覚えることに、生物の勉強の面白みがあります。
ひとつひとつそういった感動と一緒に勉強するとより一層頭に定着するので、これからの生物基礎を勉強するときは、自分の身の回りの現象とむずびつけて勉強してくださいね。
まとめ
というわけで以上です。
今回の講義の内容を、光合成と呼吸を比較してまとめます。
光合成の分野は、「代謝を踏まえた呼吸との関係」、「光合成と呼吸のそれぞれの反応式」、「ATPとの関係」が重要でしっかり覚えておかなければいけないので、今回紹介した内容は押さえておきましょう。
もし忘れたら、またこの講義に戻ってきて、ぜひ今後の勉強に役立てて下さいね。
最後までありがとうございました。
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